interlude 猫又の残念な日
「うっわやっば、においするよぅ」
手紙をビニール袋にいれて、息をしてるだけで、あぁ、すっごい幸せだなぁ。
直の匂いじゃないから薄いけど、それでもしっかり感じれるし、しばらく頑張れる気がする。
「公式に、違法性もなく、帰国できるかと思ったのになぁ」
さっすがに帰れないかぁ。
「で、なんで一人残ってんの?スパイ?」
「殿下に付き人一人もない状況と聞き、仮の従者として御身の尾を目で追いたく」
「王族籍抜けてるじゃん、私。永久追放だし」
「今なお、殿下の御威光は国民皆に」
黙れ。
うっさいなぁ、こいつ。
何が威光だ、私を追い出したのお母さんだぞ。
威光だなんだが残ってるわけないだろうが。それともなんだ、私を担ぎ上げて簒奪狙いか、あ?
「邪魔、消えろ」
「しかし」
「……わかったわかった。自分で首絞めて死になさい」
「承りました」
マジかぁ。自分の首絞め始めたぞ。命令技能とかふっつう攻撃判定なのに効くとかどれだけ忠誠心高いんだか。
あー、死なれると面倒かな。首絞めてって言ったからか、まだ時間かかりそうだし。
「死ぬのやめ、別の仕事あったわ」
「………っへたまわりました」
「この国、上が上だから、ドラゴン素材安いのよね、すっごい。わたしの買ったやつあるから、お母さんへ届けてくんない?」
「かしこまりました」
ウザいけど便利だなぁ、こういう馬鹿は。
「必ず、お母さん本人に渡しなさい。国庫に一つたりとも入れさせないこと。入れたら外壁爆破すると言っときなさい」
「……何故」
「うん?」
「何故、我らが母猫に対し、そこまでされるのでしょうか。あの時は、殺めようとすら」
「しねーよ馬鹿。したのは夜這いだ夜這い。ムラッときて襲ったら化け物見る顔で追い出されたんだよ」
なんだかなぁ。いや、実際他の全員ぶっ殺せばよかったのか。遅いけど。
いやぁ、あの時のお母さん、可愛かったなぁ。
さぁて、妙な紐付きになっちゃったし、ここからどうしようかしら。




