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第9話 ひゃっはー先遣隊だ!

晴れ渡る空の下、昨日築かれた木壁上に沢山の人影が立っている。


時刻は昼時を少し過ぎた頃


既に配置に付いていたオルロフ、ジーザ達を始め、マルケス以下の冒険者達、ディラン以下アランゴラから来た従士達、猟師パウロ以下のパシェット村の居残り組といった仮称パシェット砦守備隊の面々である。


それ以外の老人や女子供らは、朝早く西の砦に向けパシェット村を発っていた。


もちろん、ルチアもガルムと共に村を離れている。

見送るジーザを何度も振り返りながら、この地を後にしていた。


そして、残った者達が、見張らしの良い木壁から望んでいるのは、ダンジョン方向


砦北側の森、特に500m程先の樹木が揺れ動いている一帯だった。

揺れの範囲は一定だが、時間と共に徐々にこちらに近付いて来ているのが窺える。


村に近付くにつれ、森が少しづつ粗散になってくると、墨色の肌をした巨体や担いでいる金属製の棍棒が見え隠れして、揺れを起こしている主達の正体を示していた。


「うわわっ、アッチもコッチも森が揺れてる!あっ、今ちょっとだけ頭が見えましたよ、革のヘッドギアか何かを被ってる?」


ディーが見たまま叫んでいたが、その周りの村人達は、一切言葉を発しない。


「チッ……モンスターパニックは避けられなかったか……。」


「………………。」


オルロフも苦々しい顔をして呟くが、こんな大物と戦った事のない村人は、ゴクリと喉を鳴らすだけであった。

ハイトロル達の巨体を目の当たりにして、完全に呆気に取られて、今の今まで唾を呑み込む事さえ忘れている有り様だったのである。


「しかも、金属……おそらくアイアン系だと思うが、武器を装備している。見間違いであればと思っていたが、状況は良くないな。」


オルロフの懸念の言葉の意味を図りかねて、ジーザが首を傾げているとナディアは空かさず補足説明しようずずいと前に出てくる。


「貴方だって、その金属製の斧で森を斬り開いてたでしょ?あのハイトロル達もそれが出来ちゃうって事よ……この壁に対してもね。」


ナディアの説明を聞いてジーザだけでなく、その他の人間もアッという顔をしている。


「時間があれば、土盛りも積み上げたかったんだがな……いくら見た目は立派でも木で組んだ壁だけでは心許ない事も確かだ。」


オルロフが更に畳み掛けるような発言をする。

するとビナシス派の神官キモが慌てふためいてオルロフに詰め寄ってくる。


「オ、オルロフ、話が違うではないか!勝算があるようだから、監視を止めてやったばかりか、ここの防衛に手を貸したんだぞ!!」


その上、キモは、今にも飛び掛からんばかりの見幕でまくし立てていた。


「落ち着けよ、簡単に壁に取り付かれないために障害を作っただろ?それに豊穣の祈祷札も全て使いきったわけじゃない……残っている分で何回かは木壁の修復も出来る。」


「で、では何故、心許ないなどと!」


「そう慌てるような事じゃない、話にはまだ続きがあるんだよ。

……現実問題、絶対の防御壁ではないにも関わらず、この木壁が俺達の生命線だ。だから、防衛側としても木壁を攻撃しようとするハイトロルを最優先で攻撃しなければいけない……ただそれを伝えたかっただけだぞ?」


「つまり実際にハイトロルどもの装備を見た上で、我々の致命的な部分が何か認識を合わせて…………そうか、優先順位を明確にしておきたかっただけ……か?」


話の筋道が読めてきたのか漸く落ち着いてきたキモが、先程とは打って変わり静かな口調で質問する。


「そういう事だ。

もちろん、心許ないといっても1発や2発で壊されるような壁じゃない。

しかし、ハイトロルにあの武器で木壁をガリガリ削られたらとてもじゃないが1週間はもたない。

……そんなわけだから、改めて言うが、自分がピンチでも助けが必ず来るとは思わないでくれ。

予備隊の俺達は、同じタイミングで壁を狙ってくるハイトロルが居たら、そっちを優先して倒す。」


溜め息をつきながらも、納得の表情を浮かべているのは、冒険者のまとめ役マルケスと騎士デュラン


「そういうこったろうと思ったが、煽り方が悪趣味だぜ?戦いに馴れてない奴は、優先順位どうこうより、頼りにしていた壁が心許ないって発言の方に思考をもっていかれちまうからな。

……まあ、俺らの方はそれなりに経験のある冒険者が揃ってる。

うちらの中で上手く助け合うさ。」


「フッ……破城鎚を優先的にやるのは我らの砦でも同じこと。…………敵全員が破城鎚並というのは初めてだがな……。」


敵方に向かって左翼を担当するマルケス、右翼を担当するデュラン

その二人が泰然としている様子にオルロフは、満足げな笑みを浮かべていた。


ハイトロル達が目前に迫ってきているこの状況で、指揮の要となる二人が冷静な受け答えをしていたためである。


残った猟師パウロ以下村の男衆も青い顔はしているが、取り乱すような事はなかった。


結果、神官のキモだけがその小心を晒す事となったようである。


「あとは、戦いが始まって以降に、心境の変化がないかどうかだが……それは今、心配しても仕方ない事か……。

……よし、敵の第1派は、10分程で弓の射程範囲内に入ってくるはずだ。マルケスとデュラン殿は各人を当初の配置に付かせてくれ。

後は、手筈通りに頼む!」


オルロフの言葉を皮切りにそれぞれの配置に散らばっていく守備隊

木壁上には、冒険者側に3基、騎士側に2基、固定式の大型弓が設置されている。

その大型弓を中心に各々弓を持った人間が並ぶ配置であった

大型弓の設置数が異なるのは、今日までに製作出来た数が5基だけであったため、本職の長弓兵が居る騎士側が冒険者側に譲ったからである。


そもそも大型弓といっても、弓を弦の引き役と狙い役を分業させ、妥当な速射性と射距離を確保できるようにした大きめの横弓に過ぎない。

通常、城壁等に設置されている弩砲バリスタとは比べるべくもないものであった。

しかし、今回の敵であるハイトロル達が弱点とする聖水をやじりに振り掛ける事で、威力を補う事が出来る算段もあって設置したのである。


「……聖水を大盤振る舞いした成果が出ると良いのたが……。私が嘆願して何とか許可を出して貰ったのだからな。」


そこで神官キモが弓を準備する守備隊を眺めながら、オルロフ達に釘を刺すように言う。


キモが自分の手間を殊更に言うのは、教会の収入源の1つに聖水の販売があるためだ。

建前上は、お布施という形で、それと引き替えに渡すのである。


聖水は、今回のような武具に塗る使い方の他、魔物の忌避、呪いの除去といった効果がある中々の便利アイテムである。

ただ、その効果は作成者によりまちまちであるため、単純に考えれば、成果が出たのなら作成したナディアの功績が大きいはずであった。


そうではなく、無償配付の許可を取る事が大きな手柄であるかのように言われている所に教会に根深く巣くう問題があるのだが、

神官キモは、自分が力添えしたおかげで聖水を配る事が出来たのだと得意満面であったし、

ナディア達もパシェット村を守り切るためには、その政治力を最大限、利用しなければならないため、特にキモの発言を否定するような事はしなかった。


「そう言えば、もう一人の神官……ビガロだったかは、どうした?あまり見かけない顔だが……。」


そんな中、もう一人、中年に差し掛かった冴えない外見の神官が居たのを思い出すオルロフ

当初、連行されていた時、キモと一緒に監視役として付いてきていた神官である。


「ああ、ビガロは、戦闘司祭だからな。今は、もしもの時のため、戦いの準備をしている。」


キモは、説明しながら先程の小心は何処へやら、自信に満ちた表情を浮かべて説明する。


「戦闘司祭だと……まだあんな狂った奴らを囲っているのか。」


警戒感を露にするオルロフ

その様子を不思議に思ったジーザが小さく声をかける。


「どうした険しい顔して……その戦闘司祭というのは危険な奴らなのか?」


「……フンッ、司祭とは名ばかりの殺戮人形キリングドールだ。禁忌に近い魔法と秘薬によって造られたな。

聖騎士と違って、非公式な力として表沙汰に出来ない…………私刑のような異端審問の際に使われる冷酷無比な奴らだ。」


「ほう、何処にもそういう汚れの部隊っというのはあるんだな。……ふむ、こういう状況であれば、実力の程は追々見れるか……。」


オルロフは苦々しい顔をしていたが、ジーザにとっては、大した事ではないようである。

ジーザの興味は、戦闘司祭の強さの方にしか向いていなかった。


カランカランカランッ


カランカランカランッ


その時、事前に仕掛けられていた鳴子の音が響き渡る。

木壁から100mの位置に敷かれた警戒ラインにハイトロルが浸入したようである。


鳴子の音と時を同じくして、ジーザ作ったダンジョンまでの道を駆け抜け、こちらに向かってくる人影


ローブをはためかせながら近付いてきたのは、これまでハイトロル達を遅滞していた女騎士アーツであった。


「すぐ後ろにハイトロルの第1派、10匹程度が来ている。気を付けろっ!」


アーツは、予め垂らされていたロープに気付くとサッと跳躍、ロープを手繰りながらスルスルと木壁上へと登る。


「ふぅ~、久しぶりにしんどい道中だったよ。」


言葉とは裏腹に含みある笑みを浮かべ、口で言う程は疲れてはいない様子のアーツ


それでも神官キモが仰々しく両手を上げて労いの言葉をかける。


「無事で何よりですアーツ殿!

アーツ殿が時間を稼いでくれたおかげで、何とか最低限の準備が出来ました。しかも遅滞の最中、10匹近いハイトロルを討伐されるとは……まさにその功は、第一等!!」


アーツは、軽く手を上げて応えるが、キモの行動が派閥の行動原理に従っているだけであり、本心から祝福しているわけではないのを知っているからか、聞き流しているだけのようである。

騎士デュランとその配下の従士達は、キモの言葉に合わせて歓声を上げたりと、伝説的な英雄の出現で本当に士気高揚していたが……。


「……お疲れの所悪いが、あんたには引き続き働いて貰わないといけない……東側、騎士デュラン以下の部隊を支援をしてくれ。」


オルロフは、視線を合わせる事なく機械的にアーツへの指示をする。


「フッ、人使いが荒いな……まあいい、こういった事態を招いた責任もある。快く承わろう。」


引き続き笑みを浮かべ、了解の意を伝えるアーツ

未だ士気揚がるデュラン達の方に向かっていった。


オルロフは、ジーザに向き直ると小さな声でアーツへの懸念を伝えてくる。


「……最初からこうなる事を予想した上で、周りが右往左往するのを楽しむような奴だ、ジーザも気を付けろよ。

気紛れに、俺達を陥れてくる可能性も十分ある。

現に行動を共にしていたビナシス派の神官や冒険者達は、この状況を作り出すために捨て駒にされているからな。」


「ああ……だが、強いんだろ?10匹近いハイトロルをやったにしちゃ、身なりも綺麗なもんだ。装備に多少の埃が付いているくらいで、何処にも怪我を負ってる様子はない。」


「ああ、強い……始末の悪い事にな。恐らく、この場に居る全員で掛かったとしても、倒す事は出来ないだろう。」


「まさか……。いや、冗談を言っている顔じゃないな。」


「それがドラゴンスレイヤーというもんだ。少なくとも俺の倍は、基本レベルが上だからな。」


倍という言葉に目を丸くするジーザ

ポリポリと頭を掻きながら、テンション低めに呟く。


「やれやれ、そんな化け物に気に入られているオルロフには同情を禁じ得ないな。

……それにも増して、そんな奴のお遊びに付き合ってると思うと戦う気も失せてくる。

俺らがいなくても、ハイトロルなんてどうとでもなるんだろうからな。」


「そう拗ねるなよ。一応、強敵と相対する事は、お前の経験値にもなるんだからな。

……おっと無駄話もこれまでだ、お出でなすったぞ。」


軽妙なやり取りをするジーザとオルロフの眼下にハイトロル達の巨体が見えてくる。

距離にして50m程、綺麗に伐採されたラインまではまだ少しあるが、森の樹木もだいぶまばらになってきているため、第1派の全容が明かになる。


8匹のハイトロルとその統率者の如く最後尾に位置するハイトロルエリートらしき個体1匹の計9匹であった。


「ハイトロルの先遣隊って所だな。一丁前に部隊然としている。

エリートが統率してるって事か……ジーザ、敵に普通の部隊並の脳ミソがあれば、この砦の弱点を探そうとして部隊を分けてくるかもしれん。

その場合、まとめて壁に取り付かれるよりは対応し易い部分あるが、左翼と右翼の行ったり来たりになるだろうから、そのつもりでいてくれ。」


「分かった。

それにしても、ハイトロルなら、革の防具で、隙間も多そうだが……エリートってのは、ありゃ金属板を重ねた…鎧みたいのを着てないか?ドでかい盾も持って、エリートというだけあって名前通り全体的にハイトロルより良い装備をしてるな。

……弓矢でダメージを与えるのは難しくないか?」


「あれは、スケイルアーマーの一種だな。材質もアイアンで……あの大きさの分、厚みもありそうだからな。確かに弓矢で致命傷を与えるのは厳しい。

ただ、その代わりに重量や間接部に制限が出るから動きは遅くなる……エリートの方がステータスが高い分、差し引きハイトロルと同じくらいの動きになるだろうな。」


そこまで言ってナディアの方に目配せするオルロフ


「そこで私の出番ってわけ。魔法であれば、魔法耐性が付与されてる防具でもない限りほとんど効果を弱められないからねっ!

近付いて来たら、ドンとやってあげるから、大船に乗ったつもりでいてくれていいわよ。」


目配せされたナディアの方は、ドヤ顔で自分の大きな胸を叩く。

ジーザもナディアの光魔法の効果を思い出し、なるほどと肯定するように頷くと、その反応にナディアは、得意満面の笑みを浮かべ、ふんぞり返っていた。


「だから、あんたは、しっかり私を守りなさいよ……あ、あら?おっとっと、きゃっ……ふえぇぇ。」


ふんぞり返り過ぎて、バランスを失い尻餅をついてしまい、最後には涙目になっていたが……。


ドジっ娘はさておき、目前に近付くハイトロルに守備隊の緊迫感は最高潮に達っしている。


「弓構え…………弓引け…………。」


木壁の左右どちら側からも弓の射撃準備の号令が聞こえる。


ハイトロル達は、伐採した地域のすぐ手前でオルロフの予想通り集団を2匹1組の計4コ組に分けていた。


※俯瞰図

 ↓↓

→_囲_←


正面の右寄りから1コ組、同じく正面の左寄りから1コ組、西側から1コ組、東側から1コ組といった具合で4ヶ所にあたってくるようである。


「少し知恵が回るというのも逆効果だな……弱点を見定めよう頭を働かせたんだろうが、そんな付け焼き刃の動きじゃただ戦力を分散しただけだ。」


オルロフがハイトロル達の動きを見て呟く。

本当に統率された部隊であれば、各組の木壁への接近も同時生起するはずであるが、分派した後、各組の歩みはてんでバラバラであった。


木壁に近い正面からの2コ組だけ早々に伐採された地域に踏み込んできたのである。


「目標、正面のハイトロル。距離、30m……射てっ!」


マルケスとデュランの射撃号令が響くと同時に大型弓と各人の弓から矢が放たれる。

放たれた矢は、鋭い風切り音をさせて、左翼右翼それぞれ正面から接近してきたハイトロルに降り注ぐ。


「グガァアアッ!」


ハイトロルが咄嗟に振るったアイアンメイスに弾かれる矢もあったが、何本かがそこかしこに突き刺さる。


微かな煙を上げる矢

聖水がまるで火傷のような効果を与えているようである。


膝に大型弓の矢が刺さったハイトロルは、片膝を付いていた。


「おうおう、思った以上に聖水ってのは、効果があるみたいだな。愛用の斧に得体のしれない液体をかけるというのには気が進まなかったが、我慢して正解だったな。」


短いあご髭を擦りながら第1射目の成果に満足気な表情のジーザ


戦いを前にしてもピカピカに磨き上げた手斧に聖水をかけるのを最後まで渋っていたのだが、効果がある事が分かるとすぐに手のひらを返した。


左翼右翼、それぞれの面々も一様にこの成果を受けて、安堵の表情を浮かべている。

やはり、ハイトロルの巨体を目の前にして自分達の攻撃が通じるか皆不安に思っていたのであろう。


マルケスやデュランもここぞとばかりに声を張り上げる。


「ボケっとするな、各人ごと継続射だ!準備が出来次第どんどん射て!!」


「左翼の冒険者達に遅れを取るな!各人、斉射用意!!」


じ後、冒険者達は各個に、従士達は統制して、矢を放っていく。


すると流石にハイトロルも懲りたのか無防備に近付く事はせず、粗末ながら木盾ウッドシールドをかざしてきた。


粗末といってもそこはハイトロルの巨体サイズである。

大きい分だけ厚みもあり、大型弓の矢ですら貫き徹す事は出来ない。


「あの盾もまた面倒の種となったな。まあ、その分、前進速度は遅くなるし……盾への対策がないわけでもないがな。

昨日示し合わせた通り、両翼とも多角度射撃に移行してくれ!」


オルロフが伝令の村人遣わして両翼に指示を伝えると、マルケス、デュランともに手を振って了解の意を返してくる。


30m程度の距離であれば、直線的な軌道でも、曲線的な軌道でも射てる弓矢の特性を利用して、

2人以上が直射と曲射の矢を同時に当たるようなタイミングで射る事で、

ハイトロルが木盾を正面に構えた時は上から、上に構えた時には正面から射抜くのである。


「グウウゥゥッ……。」


接近する2コ組、それぞれの先頭を行くハイトロルに次々容赦なく矢が飛んでいき、その内の何本かが肩口に刺さっていた。


それでも歩みを止めないハイトロル達

間もなくして障害として組まれた拒馬まで辿り着かれてしまう。


しかし、この時点でもオルロフ自身は、動く素振りを見せない。

拒馬を力任せにどけるハイトロルを腕組みしたまま見据えていた。


「ふむ……聖水で攻撃力が上がっても、やはり防具のある状態では矢で致命傷を与えらる事は難しいようだな。まあ、最も厄介な回復能力を聖水で封じれる事が確認出来たのは良かったか……。」


オルロフ以外の人間も同じ認識が出来ているようで、弓矢の狙いも単純に防具の隙間を狙っていたものから、眼や脚といった行動を阻害出来るような特定部位を明確に狙うようになっていた。


「的がこんだけ近くに来たんだ、外すかよ!」


「ええい!下に貼り付かれては角度を変えて射る事が出来なくなる。冒険者どもは、気付かなんだか!」


マルケスはチャンスだと、デュランはピンチだと煽って守備隊に発破を掛けていた。


その甲斐もあって、最前面に出ていたハイトロル2匹それぞれの片眼を射抜く事に成功する。


叫び声をあげながら顔を抑えるハイトロル

空かさず、目標を転じて後ろを進んでいたハイトロル達の肩口や脚にも矢が放ち、無数の矢を突き立てる。


そのためか前面のハイトロル2コ組は、怯んだ素振りを見せ始める。


これには、意外そうな表情を浮かべるオルロフ

少し前屈みになって事の顛末を見極めようする。


「お~、こりゃ思ったより楽に……」


「ガアアァァーッ!」


「……いくわけないか。」


たじろぐハイトロル達に今度はハイトロルエリートが野太い咆哮で発破を掛ける。

すると、何か見えない力に圧されたかのように前に駆け出すハイトロル


拒馬に足を取られながらもバタバタと這いずり回って前進し、木壁に取り付いてくる。


右翼側はデュランの指示の下、定石通り弓矢に加えて、石を落としていくが、

ハイトロルには盾で簡単に防がれてしまい、思うような効果を上げられていない。

アーツは、余裕綽々でデュラン達の少し後方で、紅茶をすすっているだけで、気にも止めていない様子であったが……。


左翼側はというとマルケスの指示で弓矢を一旦止め、魔法の詠唱に入っていた。


オルロフからしても、迫り来るハイトロルを眼下にマルケスの決断力は大したものであったらしく、やや目を見開いてマルケス達の動向を見守っている。


「10人掛かりの炎壁フレイムウォールだ、喰らいやがれっ!!」


マルケスの叫びと同時に左翼寄りの木壁に取り付いたハイトロル2匹を火柱が包み込む。

ゴーッと勢い良く燃え上がった火柱は、壁上までは届かないものの20m近くに達し、

その勢いで生じた上昇気流で直上の冒険者達が羽織っていたローブがはためく程であった。


ハイトロルの姿が完全に炎に包まれてしまい、その中から苦痛の咆哮だけが漏れ出るのを聞いて、眉をひそめるジーザ


「うへぇっ、こりゃまさに言葉通り炎の壁だな……間違ってもああはなりたくないもんだ。

……ところでオルロフよ、あんたの出す炎より随分と大きい炎だが、あの冒険者達の実力もあんた以上ってわけじゃないよな?」


「フッ、見た目の割に火力は大したもんじゃない。元々の魔力と炎の圧縮率がそこまで高くないからな。

無論、実力も冒険者一人一人であれば目じゃない。」


「ほ~、あれだけの炎でも大した魔力じゃないのか……。」


「いや、そう言うと語弊があるな。

使われた魔力の総量は、俺の全魔力以上かもしれない……が、今言った通り圧縮率が低ければ見た目は派手でも威力は低いのさ。

そこら辺もよく分かっているマルケスの事だから、敢えて圧縮率を犠牲にして攻撃範囲を優先したんだろう。

それに合体魔法自体、普通に使うより格段に難易度が上がって制御し難いから、練る込むには時間があまりにも足りないしな。」


「そういうもんか……。

いずれにしても、この世界じゃ珍しくないレベルの奴らでも、こういう事が出来るというのは実に厄介……いや、凄いな。」


ジーザは、ステータスから自分にも魔力とやらが、備わっている事を知っていたが、その使い方に関してはさっぱりであった。

いずれそれを身に付けるか、有効な対策法を取得しておかなければ、この先ずっとオルロフはおろか、そこら辺の冒険者にすら遅れを取る可能性があると感じたのである。


この戦いが終わったら、その点について重点的に情報収集する必要があると内心思うジーザであった。


「そろそろ炎が収まってくるはず……圧縮率が低いとはいえ、弱点としている属性の攻撃。効果はいか程かな?」


オルロフの言う通り、炎が急激に萎んでいく。

それと共に黒焦げになったハイトロルが姿を現す。


「マルケスっ!分かってるよな!!」


「おうよっ!炎壁はただの布石だからな。」


オルロフの呼び掛けに応えるマルケス

炎壁の魔法を放ち終えると再び弓矢を構えていたのだった。


マルケスが言い終わるか終わらないかの最中に、ハイトロルの炭化した表層にひびがはいる。


「グガァアアッ!」


バキバキと音をさせて表層が落ちると、中からは怒り心頭といった様子のハイトロル

所々皮膚に火傷の痕が残っていたが既に治りかけであり、行動を阻害するような負傷は皆無と言える状態であった。

これまで受けた矢傷も、その部分が丸ごと焼けた事で、聖水の効果がなくなり、普通に癒えてしまったようである。


しかし、同時に革や木製の装備はほとんど焼け落ち、得物のアイアンメイスも炎に包まれた拍子に放っぼり離していたため、無防備な肌を晒していた。


「くたばれっ!」


冒険者達がこの好機を逃すはずもなく、一斉に矢を放つ。


「グフッ…………。」


矢が手前のハイトロル1匹の頭部に集中して突き刺さると、ハイトロルは、大量の煙を上げながらズデンッと地響きをさせて仰向けに倒れ込んだ。


「すぐに2匹目に射撃だっ!」


マルケスが急かしたのもあって冒険者達は、効果を確認する間もなく次射を準備し、炎にまかれた怒りのままに徒手空拳の状態で木壁を登ろうとしていた2匹目に矢を放つ。


「ガアアァァーッ!」


2匹目は、1匹目と違い片手を翳したため、木壁から滑り落ちながらも頭部への矢を防いでいた。

それでも、弓矢の速射が上手い冒険者から順次追加の射撃を受けると、後退りするばかりであった。


オルロフは、冒険者達に有効な射撃が出来ている事を確認して、足元のロープに手をかける。


「ナディア様、鑑定を。」


「はい、『鑑定オープン』……そう言うと思ってたわ。」


オルロフが鑑定を依頼する前に阿吽の呼吸で既に鑑定をしていたナディア

ウインクしながら、ハイトロルのステータスウィンドウを提示する。


――――――


種族:妖精族ハイトロル

状態:重傷、中毒(聖)

体力:56/242

魔力:51/51

筋力:133

反応:12

耐久:80

持久:30

装備:なし

加護:邪神マドゥクの使徒


――――――




――――――


種族:妖精族ハイトロル

状態:軽傷、中毒(聖)、恐慌

体力:189/242

魔力:51/51

筋力:133

反応:12

耐久:80

持久:30

装備:なし

加護:邪神マドゥクの使徒


――――――


2匹のステータスを確認すると間髪入れずジーザに振り返るオルロフ


「よし、ジーザ。俺達の出番だ!一気に止め刺すぞ。」


「おうっ!」


ジーザとオルロフは、言うや否や左翼へと駆け出し、マルケス達の手前まで来るとそのまま壁の外側に身を躍らせる。


そして、ロープで落下速度を加減しつつも、眼下のハイトロル達に体重を掛けた一撃を見舞う。


ジーザは愛用の斧で倒れ混んだハイトロルの首を両断するべく振り下ろし、

オルロフの方は、お得意の『風林火山』からの『烈火大剣ソードフレイムクレイモア』を後退りして半身になっていたハイトロルの肩口に振り下ろしていた。


ドゴンッ


シュバッ……ドスッ


それぞれ特有の斬音をさせて、両断されるハイトロルの首と胴体


ジーザは、倒れたハイトロルの首を斬って文字通り止めを刺しただけであるが、

オルロフは、飛び交う味方の矢の合間を縫いつつ、肩口から袈裟斬りにしてハイトロルの胴体を真っ二つにした上、崩れ落ちるその頭部に合わせて突きを繰り出すという離れ業をやってのけていた。


マルケスは、そんなオルロフに上機嫌で声をかける。


「オルロフ!俺達の獲物を横からかっさらうなんていい度胸じゃねぇ~か。しかも、目の覚めるような連撃とは恐れいったねっ。」


「ハッ、あんた達の頑張りについ身体がウズウズしてな。1杯奢るから勘弁してくれよ?」


二人の間には、昨晩、来たるハイトロル達主力との戦いに備え、いくつかの連携パターンが作られていた。

今のようにハイトロルが怯んだ状況が作為出来た場合、オルロフ達が前に出るという示し合わせが出来ていたのだ。


自分達の算段した戦い方でハイトロルを仕留められたため、マルケスは上機嫌だったし、オルロフも内心ではホッとしていたのでお互いつい軽口が出てしまったのである。


一方で右翼側は、なかなか有効な手を打てないまま、メイスを背中に背負ったハイトロル1匹にじりじりと木壁を登られ、頂上部の縁に手を掛けられようとしていた。

もう1匹は、目を射抜いておいたおかげで、まだ木壁の下部でもたついている。


「焦るな!訓練の通り、槍衾やりぶすまで、突き落としてやればいいのだっ!!」


デュランもこのままでは不味いと、従士達に指示して、得物を弓から槍に替えさせていた。

隊列を組んでの突きを繰り出そうとしていたのである。


これには、ハイトロルも1度伸ばした手を引っ込めるが、木盾を前面に出しながら再度じりじりと登り始める。


「チィィッ、アーツ殿の前で不甲斐ない戦い振りをするでない!」


「……私も一息入れる事が出来たし、そろそろ加勢差し上げようか?」


相変わらず余裕ある微笑みを浮かべながらも立ち上がる素振りを見せるアーツ


「いやいや、なんの。このくらいで、救国の5大英雄たるアーツ殿の手を煩わせたとあれば武門の名折れ。」


デュランは、アーツの申し出を丁重に断るもののこのままで状況は好転しそうにない。


「……よもやこんなに早く奥の手を使う事になろうとは……。

皆の者、前を開けぃっ!うおおおぉー『コルク抜き(コークスクリュー)』っ!」


槍衾ではらちが明かない事に業を煮やしたデュランは、従士達を掻き分けると、風の魔法を螺旋状に槍に走らせ、貫通力を増した突きを繰り出す。


バキャッ


「グガッ!?」


木盾が大きく割れた音とハイトロルの間の抜けた声が響く。

デュランの槍は、モミの樹のような長三角形の穂先のパルチザンであり、

その大柄で分厚い槍先に比重が置かれているため、重い一撃を繰り出す事が出来る武器である。


これが鋭い捻りを加えられながら突き出されると、いとも簡単に木盾を貫通

木盾と共に木盾の取っ手を掴んでいたハイトロルの指が斬り飛ばされて宙に舞う。


そして、支えを失ったハイトロルの身体は、ゆっくりと木壁から離れ、そのまま落下していくのであった。


「我こそは『剛槍のデュラン』!!見たかこの力をっ!」


「おおっ、流石はデュラン様。自ら危険を顧みず矢面に立って戦うその御姿勢……まさに騎士の鏡だ」


高らかに名乗りを上げるデュラン

そんなデュランに従士達は、感動の面持ちであった。

従士達の様子から、日頃からデュランに対して崇拝に近い感情を抱いている事が伺える。


ただ、あまりに劇団めいていたため、オルロフ、ジーザ、そして冒険者側も、若干白けた様子でその光景を眺めていたが……。


しかし、オルロフ達の反応はどうあれ、木壁上に達する寸前でハイトロルを阻止した事には変わりない。


「ジーザ、続けざまだが、すぐに右翼に向かうぞっ。」


気を取り直して、落下したハイトロルに向かうようジーザに指示するオルロフ

ハイトロルが落下の衝撃で意識が朦朧としている内に畳み掛けようと駆け出す。


「おうっ!……っと、くそ速いなオルロフ……。


ジーザもすぐに応えて走り出すが、オルロフとの速度差から、50m程度の距離でも進む間に、20m以上も差をつけられてしまう。


ドタドタと必死に追い付こうとするジーザを尻目に、オルロフは、まだ落下した衝撃が残っているのか上体を起こした態勢で頭をぶるぶると振っているハイトロルに烈火大剣ソードフレイムクレイモアによる連撃を繰り出していた。


「グウゥッ!」


ハイトロルは、腕を交差して致命傷は避けたものの、受けた腕は皮一枚で辛うじて繋がっている状態となっていた。


しかも、すれ違い様の二振り目で左脚を同様に斬り裂いて使えなくしている。


そうやってハイトロルを無力化すると、間髪入れずに木壁に貼り付いているもう1匹に向かうオルロフ


「ジーザっ!」


「はいはい、そいつの止めは俺がやりゃあいいんだろ?

最近、首を落としてばっかりで、処刑人にでもなった気分だ……。」


もう1匹のハイトロルは、距離が空いた事で得物を弓に戻したデュラン達に射撃を受けていた。

しかし、もう1匹の方は、片目を射抜いていたものの、木盾が生きている状態で亀のように防御を堅められているため、他に有効なダメージは与えられていない。


そこで、オルロフがチラリとデュランの方に顔を向けると、それを合図に大声を張ってハイトロルを挑発し始めるデュラン


「やあやあ!なんと臆病なハイトロルだ。そんな所に縮こまられては、我等も手の打ちようがないわ。愚か魔物なりに、上手く考えたものよっ!!」


「グガァアアッ!!」


デュランの言葉の意味が分かっているのか、罵倒に反応して怒声を返すハイトロル

オルロフのために隙を作ったのであるが、それを利用して従士の1人も肩口を射抜く事に成功していた。


「吼えるのはいいが、後ろがお留守だ……。」


そして肝心のオルロフは、この2人のアシストを受けて、ハイトロルの背面から急接近

かち上げるように烈火大剣ソードフレイムクレイモアを振るってハイトロルの身体を斬り裂く。

更に、止めとして先程と同じく崩れ落ちる頭部を串刺しにした。


「……こっちも処刑執行完了だ。」


時を同じくしてジーザもオルロフによって無力化されたハイトロルに止めを差していた。

両手片足が使えない状態とはいえ、巨体に目一杯暴れられたため、首をピンポイントで落とすのは一仕事となったようである。

ジーザの手前には、何度も手斧を振り下ろされ、無惨な姿となったハイトロルが骸を晒している。


「ディー!ロープをこっちに投げてくれ!ジーザも念のためこのハイトロルの首も跳ねといてくれ。俺は先に上に戻ってる。」


「おっとまだ左右に敵さんが居るんだったな……了解、引き続き処刑を執行しとておこう。」


正面から接近していたハイトロル2コ組を壊滅させる事が出来たが、左右から大きく回り込んで来ている各1コ組は、健在であった。


「左翼と右翼の離隔距離は、長くなるが、敵の数からしても基本的な戦い方は、今と同じで大丈夫だっ!」


木壁上に登りながら、マルケスとデュランに短期的な方針を伝えるオルロフ

それを聞いた二人は、軽く手を掲げてオルロフに応えると、それぞれ東西の配置に大急ぎで向かうのであった。


小迂回していたハイトロルがそろそろ東西の林縁に達する頃であり、マルケスとデュランも一刻も早く良い態勢を取りたいようである。


「グオオオォォォォ……。」


その時、砦正面の林縁から聞こえてくる先程の威圧するようなものとは異なる咆哮

先遣隊を仕切っていると思われるハイトロルエリートが発したものである。


それから東西の林縁から北方に戻り始めるハイトロルの気配

守備隊全員が、静かにその動向を探るが、そのままハイトロルは北側の森奥深くに消えてしまった。


そのため、しばらく様子を伺うも、この状況を受けてオルロフ、マルケス、デュランが1ヶ所に集合する。


「……先遣隊の威力偵察は、終わったって事だろうな……。主力が来るのは夕方以降、攻撃の開始時期としては、完全に暗闇になった直後といったところか。」


「俺もオルロフに同意だ。左翼側としては、それまでの間、見張り2名を残して鋭気を養いたいね。」


「私も異存はない。夜間、戦闘が続く事を考えると出来るだけ部下達に休みを取らせたいというのも同じ考えである。」


オルロフが見解を述べると、その他の二人もすんなりと同意した。


実動部隊の長同士が合意すると、あとは神官キモや猟師パウロ、そしてアーツ                                                                                                                                                             の了解を得て、パシェット村守備隊は、食事やら仮眠やらとしばしの休息に移行する。


第一等の功労者とされたアーツは、神官キモに恭しく案内され、キモと同じ民家に入っていった。


冒険者達は、オルロフやデュランと調整して、休息に入る前にハイトロルの亡骸から、ちゃっかり素材として売れそうなものを切り出していた。


「ふぅ~、今後もあんまスカッとしない戦い方が続く感じかね?」


「今の戦いでジーザの基本レベルはだいぶ上がっているだろうが……鑑定でも見た通り、ハイトロルの強さから考えたら、戦い方を変えるのは得策じゃないな。」


そんな中、ジーザ達は教会に戻って、2階のナディアの部屋で夜間に備えていた。

ハイトロルとの戦闘ではただの処刑人的作業しかしていないジーザは、変えられないだろうと分かりつつも、不満を口にしている。


オルロフの方は、ジーザの不満を聞き流しながら、夜からの戦闘に考えを巡らせているようであった。


スピー……。


「……もう食べられない……むにゃむにゃ……。」


夜に備えて安眠するナディアの寝息と寝言がお世辞にも整理整頓されてるとはいえないこの部屋でのBGMになっていた。




主人公ステータス


名前:ジーザ

種族:人

性別:オス

年齢:23歳

身長:231cm

体重:220kg

出身地:カントー

所属:なし

カルマ:➖98 極悪

モラル:➖99 非道


Lv:50(➕18)

状態:正常

体力:62(➕9)

魔力:10(➕1)

筋力:70(➕11)

反応:21(➕3)

耐久:43(➕6)

持久:42(➕6)

※( )内は、前話からの変化値


職業ジョブ:戦士Ⅰ

能力アビリティ:筋力強化、反応強化、肉体強化

技能スキル:拳闘術Ⅰ、斧術Ⅱ、投擲術Ⅱ、索敵術Ⅱ、隠密術Ⅰ、馬術Ⅰ

加護ギフト:なし

装備:アイアンアックス、レジン(樹脂)の肩当て、鋲打ち腕当て、レジンの脛当て、隷属の腕輪

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