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僕と不良少女の関係  作者: 東京 澪音
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僕の好きな先生

昨日は心愛の事が少しわかった気がした。


いつもはあんなにもアホ全開なのに、見た目が周りと若干違うってだけで色々と苦労していたんだと思うと、胸が少し痛んだ。


あんまり気にしてなかったけど、金髪っちゃん、今もあんまり友達がいない感じがするな。


誰かと友達になる為には、見た目が自分と同じじゃなきゃ仲良くなれないのか?


「先生、レイシズムってのは何故おこるんでしょうかね?目の色や髪の色、生まれた環境や生まれた国。

それって仲間はずれや迫害を受けなければならない程に重要な事なんでしょうか?」


気がつくと僕は思った事を口にしていた。


「この地球上には約75億5302人の人間がいると言われてんだけどさ。その人間全てがとは言わないけど、人ってのは差別的思想を心のどっかに持っているものだと、私は思っている。これについてとこれから話す事は私の考えだと思って聞いてくれ。佐々木はスケープゴートって言葉を知っているか?意味的には生贄、もしくは身代わりと言う意味だな。人ってのは愚かな生き物だから、不満なんかが溜まってくると、自分より弱い者をいじめたり、差別する事で鬱憤を晴らそうとするんだわ。これについても勿論全ての人がとは言わないが、悲しいかなそう言った輩ってのは少なからず存在する。」


自分から質問しておきながら言うのもなんだが、随分と深い話なんだと思う。

一言で答えを得られる程軽いものではない事くらい、頭の悪い僕にだってわかる。


でもそうじゃないんだ。

上手く言えないがそういう事じゃないんだ。

言葉に出来ないもどかしさが胸を衝く。


「これが一個人での話しならば、解決策や対応策は見つけやすかったりするんだけど、胸くそ悪い事に集団となるとめちゃ厄介になる。誰しも無視されたり、虐められたりはされたりしたくないからな。私も専門じゃないから詳しくないけど、集団バイアスって言葉があってな、人ってのは集団になると急に気が大きくなっちまって、自分が仲良くしている者達以外に対して交戦的に振舞う輩ってのが出てくるんだわ。それが自分達と違う人種や容姿となるとなおのこと。そしてその延長線上にレイシズムがあると私は考える。」


ぶっきらぼうで男勝りな所があるが、曲がった事が嫌いなこの先生は山口桃子と言い、皆からは姐御と呼ばれている。


馬鹿な話でも真面目に答えてくれる。数いる先生の中でも僕が最も信頼し大好きな先生だ。


「胸くそ悪い話ですね。」


拳を握り締めてそう呟く。


「何か思うところでもあるのか?もしそうならば、放課後にでも美術室に来い。と、その前にだ。取り敢えず今は美術の時間だから続きやっていいか?」


周りから笑いがおこり、僕は思わず赤面してしまう。


「よーし、構図について続き話すからな。それとついでだから言っておくが、お前らはそんな胸くそ悪い奴らに成り下がるなよ。まぁ、私の教え子にはそんなヤツいないとは思うが。佐々木、その辺の話と悩みごと位ならいつでも聞いてやるし、助言はしてやる。

ただ答えを出すのは自分自身だって事と、今は美術の授業中って事は忘れるなよ。そりゃあ生徒指導の肩書きもあったりするんだが、これでも専門は美術だし、好きで教師やってるしな。」


そう言うと、山口先生は構図について話はじめる。

僕はそれを聞きながらも今の言葉がグルグルと頭の中を回っている。


なんとなく目についた教室の片隅の時計。


そろそろ原付試験終わった頃かな?

そんな事を考えていると、内ポケットに忍ばせていた携帯が2回震えた。


メールか?


僕はそれを先生に気づかれないように確認する。

まぁこんな時間にメールしてくる人物には1人しか心当たりがないのだが…。


件名:桜散る


これだけで金髪っちゃんが試験に落ちた事がわかる。


メールを開くと

"猿以下です˚‧º·(˚ ˃̣̣̥⌓˂̣̣̥ )‧º·˚"

と書かれていた。


まぁ、ペラペラっと問題集やっただけだから落ちても仕方ないかもしれない。


取り敢えずもっと優しい問題集用意してやるか!と考えていると授業の終わりを知らせるベルが鳴った。




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