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実はただの人見知りだった無愛想な上司

作者: 草月叶弥

昔々…一ヶ月前位ですけど。私的には昔。

とってもとっても無愛想な上司がおりました。

仕事はしっかりできますし、仕事上の事ならちゃんとお話もしてくれます。

取引先の相手様にも落ち着きのあるしっかりした仕事の出来る男性だと評価は上々です。



だ、け、ど!



仕事以外の事では喋らない。

笑顔がない…というより表情筋が動かない。

常に眉間にシワを寄せてむっつり押し黙っている様子は、30歳後半にして既に還暦のような雰囲気をかもし出しています。

誰に対してもそうなのだと配属直後から思っていましたが勤務して2年と3ヶ月!私!!初めて上司の笑顔を見ました!!


もう一回言います!!


上司の笑顔を見ましたぁぁぁぁぁ!!!


それはお昼休みのことでした。

寝坊して買いそびれた昼食を調達しに、近くのコンビニに着いた時です。

何気なく喫煙場所を見てみると、そこに上司が!!

同期で一番仲が良いと言われている男性と“談笑”してるではないですか!!

思わず凝視しつつ携帯カメラを起動させた私は悪くないと思います!!思いまーーす!!


「お前……」


はいはーい!と取り上げられた携帯に手を伸ばしつつ主張すると、上司は絶句。同期の方は大爆笑してらっしゃいました。

はて?私は何か笑われるような事をしたのでしょうか??


「あははははっ!なっ…お前……っ!!

 こんなんどこに隠してたんだよっ…!!」


人の事を、こんなん、とは失礼ですね。そして笑いを止める気は無いのですね。

上司の同期は上司ですが怒りますよー!


「はぁ。」


あれ?上司ため息ですか?幸せ逃げますよ??

ただでさえ普段から幸せ薄そうな雰囲気背負ってるんですから微かな幸せも逃しちゃダメですよ!!

おー、ごっどー!!ぷりーずぎぶみーしあわせ!!

ほら上司!ご一緒に!!!


「しない。」


そうですか。それは残念です。

同期さんは爆笑しすぎて他の世界を垣間見てる感じですし、私はお昼買って戻りますね。


「肉ばっかりだと太るぞ。」


Σヽ(`д´;)ノ


何で知ってるんですか何で知ってるんですか何で知ってるんですか!!!

や…野菜も食べますよっ!生野菜苦手なので野菜ジュース飲んでますもん!


「そうか。」


そうですよー。

なので私はもう行きますね!お先でーす!!


「あぁ。」


手を降った私に答えてくれた上司の顔が優しく微笑んでいて、にぎゃーーー!!!ってなりました!!


絶対今、私の顔真っ赤ですよ!!!


そそくさとお握りと揚げ物と…ちょっと考えて温野菜のサラダと飲み物を買って、コンビニを出ました。

上司と同期さんはまだ喫煙場所にいて、むっつり眉間のシワ標準装備の上司とにこやか同期さんに会釈して慌てて会社に戻ります。


そのあとなんやかんやなんやかんやなんやかんや!!色々とありまして!!!


本日、ワタクシ


田渕 陽菜


は、


上条 陽菜


になります!

ほーら、拍手~!


えー、無事に上司改め旦那様が旦那様になったのでぶっちゃけますが、


「旦那様の眉間のシワは照れ隠しです!!

 彼は重度の人見知りのため、仕事の内容以外の事で話しかけられると内心ドキドキバクバクしまくって言葉が出なくて、結果、あのぶっきらぼうな返事になっています。

 こんな私と旦那様ですが、皆様!これからもよろしくお願いいたします!!!」


ぺこり、と私が頭を下げるのにつられて旦那様も頭を下げていますね。よしよし。

耳も頬も真っ赤なので隠したいんでしょうねぇ。

あぁ~可愛いなぁぁぁぁ!!

この事を知って舐めてかかってくるやつは全力で叩き潰しますよ!

気合いを入れて式場内を見渡せば、青ざめる私の同期の男性陣と良い笑顔の女子陣。

旦那様方は…流石に皆様知ってらしたのですね。落ち着いてらっしゃいます。


さぁ、旦那様!!


一緒に末永く幸せになりましょうね!!!



終わり

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