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デリート  作者: 和貴
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第2話 スター・ミューズ

 


 夜の闇に紛れて、僕達六人の人影が空港の倉庫でうごめいていた。

 すぐ目の前には、青白いライトに照らし出された大型宇宙船が繋留けいりゅうされている。

 船名は『スター・ミューズ』。外観は旧世紀の地球に実在していた『タイタニック号』を模して造られたそうだけど、大きさは優にその船の倍以上もあるらしい。この船は、昼間に僕達を騒がせたあの化粧品を取り扱っている業界最大手のミューズ株式会社の所有船だ。


「でかっ」

『スター・ミューズ』を見上げたケインが、圧倒的な大きさに目を丸くして短く口笛を吹く。

「さっすが。近くで見るとスゴイよね?」

「うん? マック、どうした? ずっと黙って」

 タケルが僕の様子に気付いて声を掛ける。

「……帰ろうよ。やっぱ、ヤバイって」

 僕は、湧き上がって来る嫌な予感に耐え切れなくなって、遂に本音を漏らしてしまった。

「っせーな。言い出しっぺはお前だし。もう、嫌ならお前一人で帰れば?」

 ここまで来て今更何言ってるんだとばかり、ケインが冷たく言い放った。

「んな事言ったって……」

 僕は口を尖らせる。

 一人で帰れと言われても、どこをどうやってここまで来たのか覚えていない。

 転校して来てこの半年間、学校と病院と家。そして図書館。この四箇所しか知らない僕にとって、そこから先は真っ白で、未だに地図が頭の中に出来上がっていないんだ。

 確実に迷子になって恥を掻くのは読めている。情けないれけど僕一人じゃ帰れない。

『今日は、ゆっくり休むのだよ』そう言ってくれた、ドクター山崎の優しい声が頭の中で何度も聞こえる。

 あーあ……来るのじゃなかったな。

 ニアもタケルも一緒だし、昼間のアレが何だったのかを知りたかったっていう興味もあった。ケインから化粧品メーカーの船が来ていると教えられて、行ってみようかと言った首謀者はこの僕だ。

 だけど……

「怖い? でも、気になるじゃない」

 ニアが僕の気持ちを察して代弁してくれた。

 今日のニアは、僕がビビッてる事くらいとっくに伝わっているハズなのに様子が変だ。いつもなら僕の事をヘタレだの、腰抜けだのって真っ先に野次って馬鹿にするのに。

 ひょっとして、ニアも怖いのかな?

「てっ!」

 すぐ目の前で僕に背中を向けていたニアの右手が、僕の頭を鋭くはたいた。

 直撃させずにワザとかすめる叩き方だ。

「バカ言わないのっ! ニアをマックと一緒にしないでよね」

「言ってないし!」

 思っただけだよ。

 僕達はお互いにムッとして口を尖らせる。

「はあ? ……お前等何やってんだよ?」

 僕達の遣り取りを目の前で見ていたタケルが、不思議そうに首を捻る。

 そうか。タケルは僕達が一緒にいる時をあまり見た事が無かったのかな? いつも僕がお世話になっている病院のスタッフでも、ほんの一握りの人達しか知らない僕達の特殊能力。

 通常の会話は勿論だけど、心に思い浮かんだ事を相手に伝えることが出来る精神感応。『テレパシー』とか言う人もいるみたいだ。

「でもぉ、ミューズの船がキャンペーンで来ていたのはラッキーよね?」

「誰だっ?」

 浮かれた瞳の言葉を、警備員の鋭い声が制した。

 僕達はライトを当てられ、眩しくて皆一斉に腕や手で顔を隠した。

「やば!」

「逃げろ!」

 皆は、思い々の方向へ散った。

「待て!」

 警備員は撃って来た。

 でも、立体映像のダミーを撃っても無駄さ。絶対に捕まりっこない。各自で船内のセキュリティ・カメラに映らないように、カードタイプの映像妨害ジャミングシールドを張ってある。これで人工知能機器には引っ掛らない。


 本物の僕達は、警備員がダミーに気を取られている間に、まんまとミューズに乗船した。

「ひゃあー、っぶねーな。あの警備員、マジで撃って来やがったぜ?」

 実弾? ……まさかね?

 船内に潜り込んだ皆は、お互いの顔を見合わせて安堵していたけれど、僕は警備員の発砲にもの凄く嫌な予感を抱いてしまった。威嚇にしてもちょっと厳重過ぎる警備だ。幾ら各界のVIPを招いているからと言っても、いきなり発砲するだなんて変だ。

 この船に何かあるんだと思った。……けど、本当、お気楽な連中だよ。

 警備員の過敏な反応でも全く意に介さずに、密航の成功を喜び合って騒いでいる彼等の後ろで、僕は彼等に呆れながら、船内のシステムや扉の開閉に必要なパスワードを、持って来た携帯にキーボードを接続させて読み取らせる。

 僕は慣れた手付きでキーを叩き、監視モニタと隔壁の履歴データに介入すれば、ウィルスが発生するように細工をする。

 万が一って事も考えて、少しでも脱出の時に時間が稼げると思ったからだ。


  *  *


 その晩、医療センターの葵が、マックの忘れ物を届けに自宅のマンションを訪ねて来た。

 何度もインターフォンを押すが返事が無い。

 不審に思った葵は、すんなりとした細い人差し指の先を画面に押し当てて、暗証番号を入力した。

 彼女はマックの担当医であるドクター山崎の助手で、医療面だけでなく生活面でのサポートも担当しており、緊急時対応の時の為に指紋登録をしている。

「ニア? マック? 居ないの? 入るわよ?」

 葵が室内に入ると、センサが感知して自動的に照明が点いた。

 今まで部屋には明かりが灯っていなかった事に気付いて、葵はただならぬ胸のざわめきを感じた。

 もどかしい手つきでバッグから携帯を取り出し、急いでドクター山崎に連絡を取る。

―「どうしたのかね?」

「ドクター、マックとニアが……」

 ドクター山崎に指示を仰ぎながら、葵は携帯から引き出したコードを部屋のセキュリティにアクセスした。時間を遡り、ここへ一旦はマック達が戻って来ていたのを確認する。

 そして今度は、市街の至る所に設置されている防犯カメラのデータからマックの居所をフィルタを掛けて検索する。

「……居た」

 五、六人の子供達と一緒だ。

 葵はニアとマック以外の子供達を調べる。

 画面に彼等のプロフィールが表示された。

「四人ともクラスメイト。特に問題は……無さそうね」

 ほっとした。

 真っ先に誘拐が頭に浮かんでいたからだ。しかし、安堵している場合では無い事に葵はすぐ気付いた。

 シーバ宇宙港。マック達の消息はそこで消えている。

 彼等はジャミングシールドを使用したらしく、追跡不可能になった。画面に赤字でロストの表示が出る。

 付近に停泊しているのはスター・ミューズだ。

「ミューズ社の船だわ。ドクター山崎!」

―「了解した。君はもう帰りたまえ。連邦局に依頼して、身柄を確保して貰う」

「そんな大袈裟な。所轄の警察に頼めば……」

―「民間人ならそれで事足りるが、二人は別だ」

 そう言ってドクター山崎ははっと我に返り、気不味そうな表情を見せた。

「なぜですか? 二人は民間人ではないのですか?」

―「きっ、君が詮索する事ではない」

 珍しくドクター山崎が取り乱している。

「でも……はい」

 葵は言いかけた言葉をぐっと呑み込んだ。

 そして暫らくの間、接続が切れた画面に疑いの眼差しを向ける。


  *  *


 船へ潜り込んで間もなく、その異変に気付いたのはニアだった。

「ねぇ、この船動いてるよぉ?」

「え? ……そうかぁ?」

 ニアの言葉が意外だったようだ。皆はそれぞれ互いの顔を見合わせる。

「予定じゃ、明日の九時に出港するようになってるけど」

「ここへは新製品のキャンペーンと、次の予定地へ行く為の補給だろ?」

「今夜は、業界のVIP招いてのパーティがあるハズよ? ネットで調べたもの……にしては静かよね」

「他のフロアなんじゃないか? この船デカイし」

 皆、ニアの言葉に耳を貸そうとはしない。

「だぁーって……動いてるんだもん。判んないの?」

 独り言のように呟いて、ニアは口を尖らせた。

 皆、それぞれが首を横に振って、もう一度互いの顔を見合わせ肩を竦める。

「確か、27F? この六つ上のフロアじゃなかったっけ? VIPの控室」

「RINちゃん達来てるかな?」

 瞳の言葉に、ケインが嬉しそうに声を弾ませた。

「うわ、あんな中身の無いユニットのファンなの?」

 フェイが白い眼で見る。

「っせーな。おまいと違って、かわいけりゃ何でも許されンだよ」

「あンだってえ?」

 フェイがドスの効いた声で凄み、ケインが思いっきり退く。

「しっ!」

 先頭を歩いていたニアが慌てて皆を制した。

 突然、目の前の部屋の扉が開き、銃を持った女性が出て来て皆の前に立ち塞がる。

「誰? 貴方達、何処から入って来たの?」

 凛とした声に、全員の足が竦んだ。

 一瞬、女性は人形かと思った。歳は僕達より四、五歳くらい上。腰の辺りまで波打って流れる金髪に、碧い瞳の色白美人。何処かの専属モデル並みの容姿に僕達は目を奪われた。とても船のセキュリティには見えないけれど、彼女は銃を手にしている。

 あれ? この人何処かで……?

 僕は咳き込みながらじっと彼女の顔を凝視した。もしかしたら人違い。タダの思い過ごしじゃないのかと思ったからだ。

 僕が人違いだと思った彼女は、何年か前にデビュー半年足らずで不慮の事故で亡くなったモデルのティファ・フィニに良く似ている。ティファのファンだった僕の心臓は高鳴った。だって、彼女は本当によく似ているんだ。

 僕は僕達の置かれている状況が理解出来ないくらいに舞い上がった。頭の中総ての機能が麻痺しているみたいに。

「両手を挙げて頭の後ろで組んで。壁に向かいなさい! ゆっくりとね」

 ジャミング・シールドは人工知能には有効だが、肉眼では全く効果は無い。

「あっちゃー、早くもタイホかよぉ〜」

「VIPのお兄様とお友達になりたかったのにぃ」

「あっ、なんならお姉さんでも良いですけど?」

 ケインとフェイが軽口を叩くが、彼女は表情一つ変えようとはしない。

 タケルが彼女の様子を窺いながら、ゆっくりと両手を挙げる。

「おい、ニア」

 小声でタケルが囁き、ニアは黙って頷く。

 彼女はニアに対してやや背を向けて立っていて、丁度死角に入っている。

「小……いえ、中学生かしら?」

 彼女から「小(学生)」と言われて、僕とニアがムッとなった。今更だけど、やっぱりしゃくに障る。

 僕達を見て、彼女は呆れた様子だった。

 その隙を衝いてニアが動く。

 ニアは銃を持っている彼女の手首を蹴り上げた。素早くその片腕を逆手に捕りながら彼女の足を引っ掛け、弧を描くように廻り込む。

 一瞬のうちに銃が飛び、彼女はバランスを崩して倒れ込んだ。

「今だ!」

 タケルが叫び声を合図に、再び僕達は散り々になった。

 ニアは僕の手を引いて走る。

「ま……待ちなさい!」

 彼女は慌てて銃を拾い、僕達二人の足元を撃って来た。

 勿論威嚇で。


 僕達は停止していた清掃ロボットの物陰に潜んだ。

「皆は? フェイ達無事かなぁ?」

「はぁ、はぁ、……分かん……ないよ」

 身体が重くて息苦しい。

 ホンの少しの距離を走っただけなのに、僕は自分の事で精一杯だった。とても皆を気遣ってあげられる余裕なんて無い。

 へたり込んで座っている僕の隣で、ニアは慣れない手つきをして携帯で船内の状況を調べていた。

「やっぱり! 動いてるよぉ。閉じ込められちゃった。それに……やだ、通話出来ない」

 ニアの携帯には通話圏外の表示が出ていた。確認する余裕が無いけど、きっと僕のもそうなってる筈だ。

「うっ!」

 僕は、激しく咳込んだ。胸が燃える様にもの凄く熱くなる。

 何度か咳込むと、強い吐き気を催して慌てて口を塞ぐけど、指の隙間から生温かい液状の物が溢れて、僕の膝と床を汚した。

「あ、あ……?」

 僕自身驚いていた。

 赤黒い色をしているけど……何? コレ……

 驚いたニアの視線が、落ちた赤黒い物に注がれる。二人共、それが何なのかを理解するのには数秒の時間を要した。

 これ……血だ。不気味なくらい黒いけど、確かに僕の血だ。

「ちょっとマック、どうし……」

「見付けた!」

 ニアの言葉を遮って、頭上から声が降った。

「他の子達はすぐに見つかったわ。貴方達で最後よ」

 すぐ後ろに、さっきの彼女が居た。

 僕の吐いた血を見て彼女は一瞬怯んだが、ニアを確認して気が逸れる。

 そして、忌々しそうにニアを睨み付けた。

「こわ〜い」

 止めておけば良いのに、からかっているとしか思えない仕草で肩を竦め、ニアは彼女を挑発した。

 通路の照明でニアの瞳が金色に光った。

 その眼は言葉とは逆に、彼女に挑み掛かるように見える。

「ニア……止め……」

 声に……ならない……

 サッと彼女の手が伸びて、素早く弧を描いた。が、ニアは余裕でその手をかわす。

 学内でもニアの反射神経は異常な程鋭い。ドクター山崎も一目置いているくらいだ。そう簡単には大人しく殴られたりはしない。

「ふうん……なら、こうしましょうか?」

 彼女は口元に笑みを浮かべて、静かに銃口を僕に向けた。


  *  *


「だから、止めとけば良かったんだよ。もぉー」

 僕は自分の事は棚に上げて、それ見ろと言わんばかりに言ってやった。いくら並外れた反射神経持ってたって、アレは無いよ。

「ふんっ!」

 両頬を真っ赤に腫らしてニアは腐った。

 あれからニアは彼女にしこたま平手で殴られた後、電磁手錠を掛けられた。

 まさかとは思うけど、他の皆が歯向ってボコボコにされてないことを祈るしか無い。

「う〜っ。さっきの女ァ〜」

 ダメだ。ニアは完全にきちゃってる。

 携帯も押収されたから、もうこの部屋の電子扉を開ける事も出来ない。

 どうしよう。

「どうなるんだろう……僕達」

 膝を抱えてしんみりと呟いた。暗い天井を見上げて僕は観念する。

 タケル達はどうなったんだろう……?

 僕達は暗い一室に閉じ込められていた。部屋は長い間使用されている気配は無く、中央にテーブルが一つあるだけの殺風景な所だった。

 ニアが隣で何やらごそごそしている。

 人がこんなに落ち込んでいるのに……こんな時でも落ち着き無いなぁ。

 僕は、自分とは真逆のニアの行動をじっと見守った。 

 どう言い訳をしても僕達が密航したって事実に変わりは無い。きっと警察に突き出されるんだ。

 葵さんやドクター達の困っている顔が浮かんだ。今迄、こんな迷惑なんか掛けた事は無かったのに。

「あーあ……」

 塞ぎ込んだ僕は何度目かの溜め息を吐き、何度も何度も後悔した。

 こんな事なら行ってみようだなんて言い出さなかったら良かった……今更遅いけど。

 傍にニアが一緒に居るのに何て心細いんだろう。僕は胸が一杯になってマジに泣き出しそうになった。

「マック、行くよ? ほらぁ、メソメソしない」

「だっ、誰が! メソメソなんか……してないし!」

 それが空元気だって事、ニアにはバレバレだった。

「はいはい。そういう事にしておいてあげるから」

 面倒臭そうに言って、ニアが僕の腕を掴んだ。

「なっ、何だよその言い方っ! 痛っ!」

 目の前で星が散った。

 どうやら暗がりのせいで、壁にぶつかったみたいだ。

「早く。このダクトから出るの」

「ダ、ダクトォ?」

 僕はズレた眼鏡を指で押し上げながら訊き返した。

「そーよ。ほら、こっち」

 電磁手錠が発している微かな明かりで、ニアは他の部屋へと通じているダクトを見付けてよじ登っていた。

 全く、ニアは動物並みだね。

 僕は呆れた。


  *  *


「社長、連邦から停船の要求が入っています。拘束している子供達の身柄も返還するよう求めて来ておりますが、如何致しましょうか?」

 秘書と思われる女性が、男の正面に立った。

 男は贅沢な作りの椅子に座って、送られて来た報告のメールに目を通す。

「何の事かね?」

 恰幅かっぷくの良い男は、報告画面から目を離して彼女を上目遣いに見た。

「はい、密航者の子供……」

「だから、何の事かと聞いている」

 社長は言い掛けた秘書の言葉を無視して、徐に葉巻に手を伸ばした。その両指には、何十カラットもの宝石が光輝いている。

 秘書がすかさず火を点した。

「子供達が私の船の近くで行方不明になったからと言って、乗船したという証拠はあるまい? 失踪等、よくある事だ」

「ですが……」

 秘書は口籠った。

「目障りだ。追走しておる連邦の奴等を追い返せ」

「しかし、つい先日も我々は連邦からの密偵を……これでは尚怪しまれて……」

 社長は唸った。

「已むを得ん。子供は四人だ。だが、あの双子は初めからこの船には乗ってはおらん」

 椅子の広い背もたれに体を預け直し、そう云う事だと威圧的に目配せをした。

 問答無用だ。


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