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詩集 迷い道

『生きとし生けるもの』 『カレンダー』 『アイデンティティ拡散』

作者: 小日向冬子

『生きとし生けるもの』


存在という苦痛を核にして

転げ回るばかりの日々


逃げ道を

探す


自由からの逃走

自分からの逃走

こねまわす屁理屈


言葉のストックが

僕のトリック


騙し合う


いつか迎える

その日まで



『カレンダー』


目覚めれば

明日

目覚めれば

ひとり

目覚めれば


めくっても

まためくっても


どこまでも追いかけてくるのは

振り絞るように

生きていく

つらさ



『アイデンティティ拡散』


平均値±10の安全地帯からはずれた僕だから

別の土俵を探さなけりゃならなかった


こだわりのアイデンティティは

ただの未熟さ

自分自身を騙しきれず


もう内側から

崩れていくばかり

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