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御徒町樹里シリーズ

御徒町樹里ちゃんがゆくクリスマス特別編~樹里ちゃん、サンタになる~

作者: 神村 律子

日下部先生、ごめんなさい。

 御徒町樹里は日本有数の大富豪である五反田六郎氏の邸の専属メイドです。


 G県での静養を早めに切り上げた樹里は、不甲斐ない夫の杉下左京との離婚届にサインをすませ、以前勤めていた居酒屋に行きました。


「捏造はやめろ!」


 左京は血の涙を流して離婚に前向きな地の文に切れました。


「そうなんですか」


 樹里は笑顔全開です。


「樹里ちゃん、待っていたよ」


 母親の由里の夫である西村夏彦氏が涙ぐんで出迎えました。


「由里たんが鬼の霍乱でダウンして、璃里さんはその看病中なんだ。助かるよ」


 西村氏は地の文が由里のスパイだと知らずに不用意な事を口走りました。


「やめてくれ!」


 西村氏は地の文を金で黙らせました。これでケーキが買えるとほくそ笑む地の文です。


「そうなんですか」


 樹里は笑顔全開で応じました。そして、早速クリスマスバージョンの制服に着替えました。


「おお!」


 義理の娘のミニスカサンタ姿に鼻血を垂らす西村氏です。


「るりもいるよ」


 愛娘の瑠里もちっちゃいミニスカサンタです。


 某商事の某社員である○取さんが泣いて喜びそうです。


「おお! 樹里ちゃん、こんなところで復活してたのか!」


 ヤクザが裸足で逃げ出すような強面さんが来店しました。


 著作権の都合で名前を伏せる地の文です。


「いらっしゃいませ」


 樹里と瑠里がそっくりな笑顔でお辞儀をします。


 強面さんは思わず樹里の脚線美に見入りました。


「ここはそういう店じゃありませんよ、○川さん」


 一緒に来た沢村一樹似の人が強面さんをたしなめました。


「堅い事いうなよ」


 強面さんは鼻の下を伸ばして言いました。


「おじちゃん、いらったい」


 瑠里が笑顔全開で言ったので、強面さんは固まってしまいました。


(『おじさん』にそれほどショックを受ける年齢でもないだろうに)


 沢村一樹似の人は苦笑いしました。


「樹里様は神聖にして侵すべからずです。それ以上近づくのであれば、我ら親衛隊が相手です」


 昭和眼鏡男と愉快な仲間達が強面さんに立ちはだかりました。


「やるのか、おい?」


 しかし、強面さんの一睨みで撃沈してしまった眼鏡男達です。


「お待たせ致しました!」


 樹里は樹里ちゃんスペシャルクリスマス限定版を持って来ました。


「おおお!」


 強面さんも沢村一樹似の人もその料理を貪るように食べました。


「日本に生まれてよかったー!」


 強面さんは涙を流して叫びました。


「そうなんですか」


「しょうなんですか」


 樹里と瑠里は笑顔全開で応じました。


 めでたし、めでたし。

ということでした。

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― 新着の感想 ―
[一言] 現実では沢村一樹似の人はこんな日に○川さんと一緒に行動しないんですよ。 たぶん、後でもう一度こっそり一人で戻ってきますね。 樹里サンタ、会いたいなあ。 りったんサンタにも!
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