3 うざい
時間は、すぐに過ぎた。
「今日は、ありがと。たのしかったよ。またメールするね。」
楽しかったような……楽しくなかったような…微妙な感じだったが、礼儀として、とりあえず言った…。
そのままバイバイして帰りたかったが、引き止められて、帰るに帰れなくなってしまった…。
「今日は、マジで楽しかった。夜景が綺麗な処、知ってるんだ。今から、どう?」
茜は、引いた…。会ったその日に、そんな処に誘う事に幻滅した…。
気に入った人なら、行く事もあるかもしれない……。でも、何て思わない人と夜景を見に行ったら、何をされるか分かったもんじゃない…。
「ゴメン。もう帰らないと…。」
「そっか…。じゃあ、また今度行こう」
「うん。じゃあ、またね。」
そう言って別れた。
次に行かないと、いけないのかと思うと気が重くなった。
帰ってからもメールがきて、毎回会おうとするヤッ君に嫌気がさしてきた。返事を返すものの、毎回〔会いたい。〕とか〔いつ会える?〕とか、〔言ってくれれば、いつでも行くよ。〕とかばかりだから、当たり障りなく、返事してたが、会うのを断り続けるのも、面倒になったので、終わる事にした。
〔彼氏ができたから、もう、メールできなくなっちゃった。ごめんね。〕
〔お幸せに〕
とメールがきた。怒ってるようだが、これ以上関わりたくなくて返信しなかった。
「メル友って、何か、しつこいから嫌になっちゃう!」
そう言いながらも、新しいメル友を探す茜だった。