優しいおばあちゃんの大暴れ
「uuuuuuuuuuuryyyyyyyyyyyyyyyyy!」
相変わらずゾンビ老婆は雄叫びを上げながら暴れまわっている。だが、ある程度時間が経つと、理性を失くしたゾンビのような人間達が動きを止め始めた。
「おばあちゃん、大丈夫」
そうしてできた隙に少女がゾンビ老婆に駆け寄る。だが、少女がゾンビ老婆の下にたどり着く前に、二人の間の地面が割れ、一人の男が姿を現した。
「イッツショウターイム!」
両手を広げた叫んだ。少女はそれを特になんの感情も出さずに眺め、口を開く。
「おじさん、だれ?」
「おじさまと呼びなさい! それより、この私が作り出したゾンビ共はどうかな? そこのおばあさん」
「iiiiiuuuuuuuu?」
ゾンビ老婆は動きを止めて男を見ている。
「で、おじさんだれ?」
「おじさまと呼びなさい!」
それから男は一枚の髪を取り出した。
「これに見覚えがあるだろう」
「それは、この間の紙ね」
「そう! これはこの世と地獄をつなげられるものなのだ! だからこうして」
男がさらに大量の紙を取り出してそれを放り投げると、それはその男を中心として竜巻を作り出した。
「はっはっはっ!」
笑い声とともに竜巻が消えると、そこには五倍ほどに服ごと巨大化した男が現れた。
「流された血が私にこれほどの力を与えたのだ! 礼を言うぞそこのおばあさん!」
「GGGGGGGGGRRRRRRRRRRRYYYYYYYYYY!」
しかし、ゾンビ老婆は全くひるむ様子を見せずに、いきなり跳び上がった。そして、男の鼻にかじりつく。
「いたたた!」
男は慌ててゾンビを叩き落とした。ゾンビ老婆はその勢いのままビルに突っ込み、それを貫通した。だが、男はその場にうずくまってしまう。
「肉を抉られたか。しかし、あの勢いなら体はばらばらにちがいない」
そして男は少女を見るが、その少女はまるで動じた様子がない、どころか微笑を浮かべている。
「君のおばあさんがひどい目にあったというのに、その態度はひどいね」
「いいえ、おばあちゃんはあんなことくらいなんでもないもの。それより、きっとおばあちゃんは怒ってるから、気をつけたほうがいいと思うの、おじさん」
「おじさまと呼びなさい! とまあそれは置いといて、あの攻撃で無事なわけがあるまい。君のおばあさんへの信頼は立派だが、これはどうにもならない現実なのだよ。あーっはっはっはっは!」
「Byoooooooooooooooooo!」
「ぐぼお!」
高笑いをする男のみぞおちに跳躍したゾンビ老婆が突き刺さった。そして、その体は男の背中に突き抜けた。
「ま、まさか?」
「Vvxxxxxxxxeeeeeeeeeeeeee!」
着地したゾンビ老婆は間髪入れずに再び跳躍し、男の背中にとりついた。
「な、なにをする」
男はゾンビ老婆をつかもうとするが、微妙に手が届かない。
「Kuuuuuuuuuuuuzzzzzzuuuuuooooooooooo!」
ゾンビ老婆は雄叫びを上げると、頭を背中に叩きつけ、肉を突き破った。そのままゾンビ老婆は男の体内に潜り込んでいく。
「ぎゃあああああああああああああああああああああああああ!」
男はおかしな踊りを踊るようにして悶え苦しんだ。しかし、ゾンビ老婆は順調に男の体内を上っていった。数秒後。
「牛言おうkjlk所言うオイじょじょじょlじょlじょじょ;j!」
男の断末魔と同時に、ゾンビ老婆はその脳天を突き破っていた。