優しいおばあちゃんとおかしい人達
おかしな男の事件から一週間後、ゾンビ老婆は落ち着きなく家の中をうろうろしていた。少女はそれを不思議そうに見ている。
「どうしたのおばあちゃん? 最近落ち着きがないのね」
「kkkkkkkkkyuuuuuuuuuuuuu」
ゾンビ老婆は首をかしげて小さくうなった。しかしうろうろするのは止めない。少女はそんなゾンビ老婆を放っておいて窓から空を見上げた。空は不気味に曇っていて、何かが起きそうな雰囲気が漂っている。
「おばあちゃん、何か感じているのかしら」
その瞬間、雷が近くに落ちた。
「なに?」
少女がつぶやくと、ゾンビ老婆はその場で飛び跳ね始めた。
「yyyooooooooooojuuuuuuuu!」
「おばあちゃん、どうしたの?」
珍しく少女はゾンビ老婆の行動に困惑していた。
「gggggggyuuuuuuuuuhooooooooooo」
しかしゾンビ老婆はますます落ち着きをなくして、より一層飛び跳ね始めた。そして、ゾンビ老婆は窓を突き破って外に飛び出す。
「待っておばあちゃん」
少女はサンダルをひっかけてゾンビ老婆を追った。そしてしばらく走ると、ゾンビ老婆が数人の人影と取っ組み合っているのが見えた。
「Ooooouuuuuuuooooo!」
ゾンビ老婆は雄叫びを上げて人影の一つの腹をその腕で貫いた。さらに他の人影にも攻撃を加えて弾き飛ばす。
「おばあちゃん!」
少女が呼びかけると、ゾンビ老婆は振り向いて少女に向かって走り出した。
「iiiiryuuuuuuuuuuuuuuuuuuuu!」
ゾンビ老婆は少女を飛び越え、その背後から迫っていた男の頭を地面に叩きつけて潰した。少女は少々驚いた様子を見せたが、すぐに立ち直った。
「これはどういうことなのかしら?」
少女が首をかしげると、ゾンビ老婆は体を伸ばして煙が立ち昇っている街の中心を凝視した。
「あそこになにかあるのね」
少女はそう言うと、ゾンビ老婆の前に立って歩き出した。
「uuuuurrrruuuuuuuu」
ゾンビ老婆はうなりながらその後についていく。そうして街の中心地に到着してみると、そこにはゾンビ老婆が戦っていた、理性を失った目をした人間達が徘徊していた。
「あの人達は何かしら」
「gggggggyyyyyyyyyyooooooooooooo!」
ゾンビ老婆は雄叫びを上げるとそこに突進していった。そしてそこにいる者達を文字通りちぎっては投げちぎっては投げを繰り返して、次々に制圧する。
しかし、そうしている間にも、さらに雷が降り注ぎ、街はさらに異様な雰囲気を強くしていった。