マッチョなスライムが強すぎる件
「勇者よ。魔王を倒して、世界に平和を取り戻してほしい。頼んだぞ」
「王よ、私にお任せください」
勇者は王様に向かって恭しく一礼すると、城を後にし、町を発った。
町の外に広がる草原を歩いていると、いきなり魔物が飛び出してきた。
現れたのはマッチョなスライムだった。緑色の体は筋骨隆々で、両腕を上げ、キッチリと足を揃えてポーズを取っている。
「こんなスライムがいるとは」
勇者はポツリと呟きながら、マッチョなスライムに斬りかかった。剣は真っ二つに折れてしまい、マッチョなスライムの体に傷一つ付けることができなかった。
「ヒュー」
マッチョなスライムは下手くそな口笛を吹いて、ニヤリと笑みを浮かべる。
その態度に勇者は歯を食いしばり、手のひらから渦巻き状の炎を放つ。
円を描くように突き進む炎はマッチョなスライムに激突する。だが、表面が軽く焦げた程度で、たいしてダメージを与えることができなかった。
「くそっ、まだ出発したばかりなのに!」
勇者は予想だにしないマッチョなスライムの耐久力に憮然とし、思わず悪態をつく。
パキポキと指を鳴らしたマッチョなスライムは、俊敏な動きで勇者に近付いてくる。
「は、速い!」
勇者は反応する間もなく、マッチョなスライムの太い腕によって繰り出された正拳突きを食らってしまう。
「ぐはっ!」
勇者は自分の骨が折れる音を聞いた。マッチョなスライムは連続で正拳突きを放ってくる。
勇者の顔面は原形を留めないほどに破壊されてしまった。
息ができなくなった勇者はゆっくりと倒れて絶命した。
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