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第7章 思い

第7章!いよいよこの物語のクライマックス!彰人の運命は?

病院に着いた俺は、自分の死体とそれを見る友達と担任、親を見た。

彰人「悲しそうだな」

神「まぁこ奴らにとって、お前は友達であり子供であり教え子だからな。どれも大切な存在であることに変わりは無い。」

彰人「でも、そうは思ってない」

そう、そんなのは綺麗事だ。誰もが「ずっと友達」だとか、「忘れないよ」と綺麗事を並べるがそんなのを信じてもいいことは無い。



中学時代、澪が友達に裏切られた。その時、腸が煮えくり返る思いように怒りを覚えた。ここまで平然と友達を裏切れるこいつらに嫌気がさした。だから徹底的に対抗した。奴らが裏工作してると周りに信じ込ませ、あいつが手を出してくるのを待った。あいつは昔から短期ですぐ手が出たからはめるのは簡単だった。

その後、あいつは部活をやめた。そしたら俺へのいじめが増えた。それ自体は苦ではなかったがその後澪にまで被害が及んだ。俺は自分の所為で助けたと思った相手に逆に迷惑をかけてしまった。その事実を受け入れられなくて、俺は酷く苦しんだ。これ以上迷惑をかけないために、俺は部活をやめた。それから何度も担任や顧問に呼び出され指導を受けた。なんでも、克也が俺のことを先生方に報告し指導の対象になったらしい。

中学担任「いくら友達のためとはいえどやりすぎだ。反省しろ」

何を言っているんだ。俺は間違えたのか?でもあのまま行けば澪は部活を辞めていた。あんな奴らなが認められて真面目に努力してるあいつが苦しむなんてあってはならない。

彰人「俺は、自分が間違えたとは思っていません。」

中学担任「お前...わかった。なら徹底的に教育しなおしてやる!」

そこから俺は停学処分となり、課題も出された。ただ反省文は書けなかった。

中学担任「なんで反省文のひとつも書けないんだ!いつまでも意地はってるんじゃない!澪にまで迷惑をかけたって聞いたぞ。きっと恨んでるだろうな。」

彰人「.......」

そうか、あいつもそうなのか。澪だけは信じていた。俺を認めてくれていると。どうやら違ったらしい。

そこから俺は人を信用しなくなった。周りには自分を偽りあたかも反省して、真面目になったように振舞った。もうどうでも良くなっていた。明日もいらない。どうでもいい。でも、周りにそんな思いをさせない為に、周りにしてやれることはしてやろうかと思った。だが、そう思った矢先、高校での友達が部活を辞めることになってしまった。そこで、俺は気づいた。俺は何も守れない。逆に迷惑をかける存在なんだと。そんな自分にも失望し、自殺の計画を立てた。

彰人「辛く、苦しい現実からやっと解放されたんです。もう未練なんて...」

澪「...中学時代、担任に言われたんです。彰人が停学にされたって。」

澪が語り始めた。

桜「停学?なんでそんなことに。」

澪「担任曰く、克也が報告してきたんだと。理由を聞いたら、」

中学担任「克也がお前に迷惑をかけたと嘘を着いたらしく、そのせいで克也が部活を辞める羽目になったと。」

廻「何それ?!信じらんない。」

佐久「でも、澪さんや彰人の証言もあったろ?」

澪「克也の意見に賛同した人達がいたんだ。」

廻「それってまさか...」

澪「瑠璃だよ。後、後輩たち」

そう、あいつらは人望があった。彰人の言葉も結局信じなかったんだ。だから私たちの意見はないに等しいようなものだった。

担任「そんなことがあったとは。同じ教師として信じられん。」

澪「克也達は教師の前では優等生ぶってましたから。」

桜「だとしても、そんなのあんまりだよ!」

澪「そうだよね。でも、彰人は停学があけた頃、人が変わった様になったんだ。不気味なくらい優しくなり、責任感も強くなった。なった。たとえ周りから何をされても怒らず平然としていたんだ。」

廻「私達の知ってる彰人はそんな感じだけど、昔は違ったってこと?」

澪「そうだね、きっと停学中に何か言われたんだろうけど、そこまでは流石に分からなかった。でも、酷く辛そうで、苦しいそうに見えた。」

その瞬間、澪は涙を流し始めた。

澪「相談して欲しかった。私を庇ってこんなことになって、辛かったし、悲しかったと思いのに。なんでこんなことに!」

澪の悲鳴とも取れる叫びに廻達も涙をながした。

廻「私達だって、彰人には沢山助けられた。相談のひとつくらいのりたかった。」

桜「どんなに辛くても弱音を言わなかったよね。自分を大切にしなかった。」

佐久「彰人は俺のために、沢山協力してくれた。結果は良くなくても、その心意気が嬉しかった。」

担任「私から見てもこの子は優しく、きっといい大人になると思ってたのに。なんで優しい人ほどこんなことになるのだ。」

彰人母「ずっと迷惑をかけてきたのに、私は何もしてあげられなくて、情けない。」

澪「お願い、戻って来てよ。また色々話してよ....」

澪の手を握る力が強くなる。



神「どうじゃ?これが答えじゃ」

...俺は勘違いをしていた。いつだって俺は迷惑でいてはいけないのだと思っていた。それに、友も教師も酷い奴らしかいないと思っていた。でも違ったようだ。

彰人「こいつらは、本気で俺を思ってくれていた。本気で助けてくれようとした。それなのに俺は...」

すると俺の頭からひとつの線が出てきた。

彰人「これは?」

神「それは霊死線じゃ。三途の川を渡ると切れるとされているが、お主は切れる前にわしと会い、ここに来た。その線は生きたいと願うほど、強くなる。お主、この世界に未練ができたようじゃな。」

彰人「...そうですね。」

こいつらの本音を聞かなければ、今頃三途の川なんてとっくに渡っていたろうに。

彰人「まだ、こいつらと一緒にいたくなってしまいました。」

神「そうか、なら戻るといい。」

彰人「え?」

神「その線がある限りお前はまだ完全には死んでいない。今なら引き返せると言うわけじゃ。」

彰人「...なんでそこまでしてくれるんですか?」

神「お前さんと同じ理由じゃよ。真面目なものが酷い目にあって悲しい結末を迎えるのは、あまりに酷だと思わんか?」

彰人「...そうですね。ありがとうございます。神様。」

神「今度来る時は寿命でこい。お主の人生について詳しく聞かせてもらおうかの。」

彰人「ええ、是非」



病室で全員が泣く中、澪が違和感を感じた。

澪「え?」

桜「どうしたの?」

澪「今、彰人の手が動いたような。」

廻「え?!」

全員が近寄り顔を見つめる。

彰人「....んん、ここは...」

一同「彰人!」

彰人が目を覚ました。その場にいる全員が泣いて喜び、澪に至っては抱きついていた。

澪「よかった、本当によかった」

彰人「待て待て、これでも一応怪我人なんだ。そんなに強く抱くな。」

澪「あぁごめんごめん。でも本当によかった。」

廻「本当。何考えてるのよ!」

桜「私達にも相談してよーー!」

佐久「全くだよほんとに」

彰人「悪かったなみんな」

澪「おかえり彰人」

彰人「ああ、ただいま。」

次回、最終章。自分の人生を生きると決めた彰人は手始めに、残っている問題を片付けることにした。

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