第4章 真相
第4章です!ついに語られる、澪と彰人の関係。
私は澪。どこにでもいるような高校生。中学では吹奏楽部だったが今は軽音楽部に入って、メンバーたちと仲良くしている。そんなある日、仲のいい友達の廻から連絡があった。
廻「澪。実は...」
そこで私は彰人が急に不登校になったこと、その原因を知るために中学時代の出来事について話して欲しいとの事だった。
澪「そっか...彰人が...」
廻「力を貸してくれる?」
澪「わかった。明日の放課後、あのカフェで落ち合おう。」
廻「わかった、ありがとう。」
そう言って電話を切ったあと、私はベッドにダイブし枕に顔を押し付けて、大きくため息を着いた。
澪「ああは言ってみたものの、どうしよう。勝手に話していいのかな。」
だってあの話は、彰人にとって隠したいものなはず。
澪「なんで相談してこなかったの。...馬鹿。」
翌日、私たちは例のカフエに来ていた。だが、
廻「澪、遅いなー。」
桜「いや、私たちが早いだけだから。」
佐久「だから30分前は早すぎじゃねって言ったんだ。」
2人からそんなツッコミを受けつつ私達は澪の到着を待った。
佐久「しかし、澪さんか。会うのはいつぶりかな。」
桜「そういえば、佐久くんは澪と会う頻度多くなかったもんね。」
佐久「まあな、それから1ヶ月しないうちに辞めちゃったしな。」
廻「佐久は、澪から中学時代のこととか聞いてないの?」
佐久「あー詳しくは聞いてないけど、なんの楽器かは聞いたことある。確かクラリネットだったかな。」
廻「へーそうなんだ。あんまりイメージと違うかもしれない。今だとバンドのボーカルで、あんな前に出て歌ってるのに。」
澪「ごめん!待たせた?」
そんな話をしている間に澪が到着した。
澪「あ、佐久くん。久しぶり!元気にしてた?」
佐久「元気でしたよ。澪さんも元気そうでなにより」
佐久はまだ、澪との交流が浅いため敬語が抜けきっていないのだ。
澪「それで、中学時代の話だったよね。」
桜「うん。知ってることを教えて欲しいの。」
少し考えてから澪はこう言った。
澪「今から言うことは辛く、重く、苦しい話。それを受け入れられる?」
覚悟の決まっためでこちらに問いかけてきた。無論答えは決まっている。
「もちろん」
私達の覚悟を受けったのか澪は張り詰めていた空気をやわらげて、
澪「わかった」
と話し始めた。
あれは、私達が中学2年の頃まで遡る。
その頃の私達は、音楽のことなんて何一つわかってなかった。音を大きくするにはどうするのか、逆に小さくするにはどうするのか。そんな基礎の基礎のですら定まってなかった。そんな状態から脱却するために、色々調べて、挑戦して、改善してって。そんなことをやっていた時期だったかな。
彰人「よ、やってるかー」
澪「やってますよー。そっちはどうよ」
彰人「まあまあかな。自分なりにはリズム感が着いてきたと思ってる。そっちは?」
澪「逆にこっちはリズムに苦戦中。助けて。役目でしょ。」
彰人「リズム刻むのを役目って言うのやめい。どれどれ...」
私達はこの頃から結構仲良くて、互いによく愚痴を言い合うくらいだった。
?「おい、何やってるんだ?」
澪「何?克也」
克也「何じゃねーよ。なんで彰人がここにいるんだ?」
彰人「いや、リズムの確認で来たんだけど。」
克也「大きなお世話だ。こっちのパートの問題に首を突っ込んでくるな。」
そう言って克也は無理やり彰人を追い出した。
克也「お前もそれくらい1人でどうにかしろよ。」
澪「別に他の人から意見を聞くのは大事なことでしょ
」
克也「そんなもの人に聞いてやるものじゃないってことだ。」
そう言いながら克也は去っていった。あいつは真面目と言えば聞こえはいいかもしれないが、蓋を開ければ何もかも自分の思い通りにしたい自己中である。私と克也は同じ楽器で、お互い相手が嫌いである。
?「大変だねー」
振り返るとそこには友達の瑠璃がいた。彼女はフルートパートで、よく私たちと一緒に練習してた。
澪「大変なんでものじゃないよ。ほんと、なんなのあの言い方。別に悪いことしてた訳じゃないのに。」
瑠璃「まぁまぁ、それより...」
私達はいつもこんな感じで部活をしていた。嫌いな奴もいるが、基本的には楽しい日々を送っていた。
そんなある日、部員会議が行われたんだけど、そこで事件は起きたんだ。
中学顧問「こんな機会じゃないと話し合えないだろうから、お互いに改善して欲しいところとかあったら言い合って欲しいな。」
克也「なら俺からいいですか」
克也が手を挙げて立ち上がり、私の方を見て言った。
克也「最近の澪は、自分勝手が過ぎると思います。自覚して反省して欲しいです。」
澪「は!?」
思わずそう言ってしまった。周りの視線が私に向けられる。
克也「加えて、最近ことある事にこちらに来ては教えに来たからと言う彰人くんもどうかと思います。」
さらに彰人にまで飛び火が来た。彰人の方に目がいくが、当の本人は同様の様子すら見せなかった。
澪「待ってください。自分勝手ってなんですか。具体的に何をしたって言うんですか!」
克也「あなたは私の意見に聞く耳も持たず、自分の思い通りにしようとしているように感じます。」
澪「だから、具体的に何が...」
中学顧問「まぁまぁ落ち着いて。他に澪さんがわがままだと感じた人はいますか?」
瑠璃「はーい」
その言葉に反応したのは瑠璃だ。
他の部員は反応しなかったが、疑いの目を向けていた。
中学顧問「2人とはいえそういう風に感じた人がいるので澪さんは自身の行動を改めてください。」
澪「私は、」
意見しようとした瞬間、チャイムがなり会議は後日に持ち越しとなった。片付けようとした時。
彰人「明日、少し話がある。」
そう言って彰人は去っていった。
翌日、私は彰人の家に行き話を聞きいた。
彰人「とんだ茶番だったな」
澪「あんなのあんまりだよ!克也だけじゃなくて瑠璃まで。なんでこんな目に会わなきゃ行けないのさ!」
彰人「落ち着け、怒る気持ちはわかるが冷静にならなきゃ勝てるものも勝てんぞ。」
澪「勝つ?どういうこと。」
彰人「簡単だ、相手がでっち上げてくるならこちらもでっち上げるまでだ。それも、あいつらよりもずっと信頼性の高いものをな。」
澪「まぁそうかもだけど、言うのは簡単でやるのは難しいやつだよそれ。実際、先に手を打たれたから後からこっちに信頼性を出すのは難しいよ。」
彰人「確かにそうかもな。だけど、一ついいアイディアがあるんだ。」
澪「それって?」
彰人「それは言えない。今日来て貰ったのは明日の部活で何がおきても、澪には黙秘を貫いて欲しいってことを伝えるためだ。」
澪「...わかった。信じるよ。」
彰人「ありがとう。じゃあ、せっかく来てくれてるんだし、溜まってる愚痴でも聞きましょうかね。」
こうして、今回のことを彰人に任せ、明日に備えることとなった。思えば、あの時に止めておけば...いや、もう遅かったのかもしれない。
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タイトルネタバレ
第5章 「代償」