第2章 手がかり
第2章突入です。
ちなみに、この作品が終わったら能力者系のやつも書けたらと思っています!
このシリーズは10章までには終わらせたいなーと思っています。
彰人がもう二度と来ないかもしれない。そう思った時私の中の何かが暴走しそうだった。
桜「大丈夫?しっかり!」
ハッとなって振り返ると、桜がいた。
桜「落ち着いて、まず先生に何があったか聞きに行こう?」
廻「そ、そうだね。」
いくら悩んでも、現状が変わるわけじゃない。まずは、事実確認からだ。
廻「先生!彰人に何があったんですか?」
担任「なんだ廻、いきなり。それに、そのことについては答えられない。」
廻「なんでですか!何かあったんですか?」
担任「お前には関係ない!」
そう言って先生は職員室へ戻って行った。
廻「なんで...どうして...」
桜「よっぽどの事情があったのかな?でも、諦めるのはまだ早いよ」
そう桜が声をかける。
廻「でも、もう手の打ちようがないよ。」
桜「いいや、まだ方法はある。放課後少し話し合おう。」
普段あまり自分から行動しない桜がこうも積極的になるとは。あの子もどうにかしたいと思っていることを知った私は、とりあえず彼女に従うことにした。
放課後、私たちは昨日と同じカフェで落ち合った。
廻「それで、まだ方法があるってどういうこと?」
桜「先生が話してくれないなら、他の人から話を聞けばいいんだよ。私たちが知らない彰人を知ってる人に。」
廻「なるほど。で、宛はあるの?」
桜「うん。できるか分からないけど3人いるよ。
1人目は彰人の親。まあこれは現実的じゃないけど、何か知ってるはず。
2人目は佐久くん。男友達だし、私たちより色々話せることがあったと思うの。
3人目は澪。小中同じで特に仲のいいあの人なら何かわかるかも。私たちより彰人を知ってると思うしね。」
廻「おお、なるほどね。」
割としっかりしている意見で驚いている。
廻「桜、将来探偵とかいいんじゃない?」
桜「そんなことないよ。こんなの誰だって思いつくよ。」
彼女は謙遜するが、事が起きてから1日も経ってないのにここまで考えつくのは素直にすごいと思った。
桜「廻的にはどう?何か意見ある?」
廻「そうだなぁ...1度私達が知ってることを整理してみない?そこから分かることもあるかも。」
桜「そうだね。そうしてみようか。」
彰人は部活では打楽器をやっている。ドラムからタンバリン、鍵盤だってやっている。特にドラムは1級品で音楽専門の講師の方にも褒められている。責任感が強くて言われた仕事はきちんとこなすタイプだ。それでいて優しい。でも、知らない1面だってある。それは、
廻「あいつ、私たちに怒ったことあったっけ?」
桜「確かになかったかも。でもきっとやばいんだろうね。」
あいつは、怒った時は誰よりも怖いのだろうと思う。
1度、澪に怒った時の彰人を聞いた。
澪「あいつ、怒った時は怒りや憎しみとかを含んでないの。ただただ無。まるで人を見ていないかのような目を向けていたなー。その時は私の味方だったけど、正直すごく怖かった。」
こんなの聞いたら怒らせてはいけないなんて猿でも分かるだろう。
廻「と、あいつの特徴はこんなところかな。桜はどう思う?」
桜「この中でヒントがありそうなのは
【責任感が強い】これかな。」
廻「やっぱりそれか。」
責任感が強い人ほどストレスが溜まりやすいものだろう。しかも彰人は溜め込むタイプだから、私たちに愚痴のひとつ言わなかった。
廻「となると、最初に聞くべきなのは...佐久か。」
桜「廻もそう思った?」
廻「うん。澪かとも思ったんだけど、やっぱり男同士ってだけで話す内容も大きく変化すると思う。」
桜「じゃあ、決まりだね。明日、佐久くんに聞きに行こうか。」
こうして話し合いはお開きとなった。
翌日、私と桜は早速佐久に会いに行った。
廻「よ、佐久。お久ー。」
桜「久しぶり、佐久くん。」
佐久「おぉ、2人共久しぶりだな。どうした?」
廻「実は...」
そこで私たちは彰人が不登校になっているかもしれないこと。そして、佐久に何か知らないかを聞きに来たことを伝えた。
佐久「そうだったのか...わかった。俺の分かる範囲で協力させてくれ。」
佐久は少し迷うようだったが、彰人にまた会いたくなったそうだ。
桜「ありがとう。じゃあ教えてくれない?佐久くんはいつも彰人とどんな話をしていたか。」
佐久「どんなって言われても、別に特別なことはないよ。アニメとかゲームの話もするし、適当な雑談もしたよ。」
桜「そう...」
他に何かないかと考えている時に、
佐久「あぁでも、あいつにはよく悩み相談に乗って貰ってたな。」
廻「え?そうなの?」
悩み相談に彰人が乗っていたことも驚きだったが、それよりも、
廻「あんた悩みとかあったのね」
佐久「失礼な。俺だって一人の人間。愚痴の一つや二つくらいあるさ。」
なんにしてもここからなにか手がかりが掴めるかもしれない。
桜「その話、詳しく聞かせて。」
廻「まあ彰人の為だ、仕方ない。あまり過去は振り返りたくないがな。」
そう言って彼は話してくれた。この2人しか知らない、ある日の辛い会話のことを。
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