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2044年 1月1日 世界大戦が始まる
中国の国家主席、李志偉はアメリカ国の日本に対する核爆弾投下及び、故ジョンソン大統領のスピーチが中華人民共和国に対する宣戦布告と捉え、真っ向から受けて立つと全人代で発表した。2044年、1月1日であった。
中国は李主席のスピーチの終了1分後に大阪と神戸に向けてミサイルを打ち上げた。ミサイル自体は対朝鮮戦争に使用したものだったが、その弾頭には核を搭載していた。冷たい炎を意味する冷焔・ミサイルと名付けられた二つの核爆弾は大阪と神戸の街の中心を射抜いた。
二つの爆弾は落下直後に青い光を放った。冷たい炎の名の所以はここからだった。水平線を思わせるような白くて青い光が地平線に広がり、徐々にその青い光が厚み、高さを持ち、やがて赤い光が混ざり、その赤い色は龍のように天を貫いた。被害は甚大で、大阪と神戸合わせて600万人の人口が瞬時に行方不明になり、都市としての機能を失った。
アメリカはこの二つのミサイルに対して迎撃ミサイル、パトリオットを使用しなかった。
中国とアメリカ主導による第4次世界大戦が切って落とされた。