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YAMAGUCHI DEAD END  作者: 遠藤信彦
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召集4 面接

ストレートの黒髪をセンター分けにして黒縁メガネをしている。体は細い方だが、なよなよしくはない。まるでボクサーのように、実際の体重とは違ってしっかりとした重量感がある。切長の目を隠すためだろうか?大きめの黒縁メガネをしていて、それが細い顔の輪郭にマッチしている。贔屓目なしに美男子の部類だろう。数か国語を話し、いくつかの分野で秀でた成績を残しているらしい。そう言った人物に多く、話し方がとてもわかりやすい。塾長室にて、テーブルを挟んで向かいに座ったケンジに、小瀬谷塾長は将来の夢を訪ねた。

『ぼくはね、農業をやりたいの。今はカエルを育てているけれど、将来はお米もやりたいし、野菜もやりたい。おとうさんとおかあさんが美味しいって言ってくれるのがすごく嬉しかった。』

目をキラキラさせてケンジが力説している。将来なりたいのは農家だと。塾長は嬉しそうにうんうん、と聞いている。絶対になろうな、僕が全力でサポートすると約束した。

『ケンジくんには農家になってもらう。野菜博士と呼ばれるように頑張ろう。そして私、塾長からもうひとつお願いがあるんだ。』

ケンジは自分の夢を応援してくれると言われたのがとても嬉しかった。一瞬で塾長のことが好きになった。

『ケンジくんには普段は農家として頑張ってもらう、そして有事の際には将軍になってもらいたい。』

うっすらとではあるが、ケンジは将軍という言葉を理解していた。戦うときの偉い人だ。

『偉い人だよね。たくさんの人を連れて戦う人。』

ケンジが尋ねた。塾長が知っているの?と感心した様子を見せた。

『そうだ、その通り。将軍は偉い人だ。たくさんの人を連れてどこまでも行く。そして戦う。将軍は誰よりも勉強して、戦って、勝たなければならない。なぜなら大事な人を守るためだ。ケンジはたくさんの藩民男子を連れて藩を守るために戦う男になってほしい。』

もちろん戦う必要のあるときだ。それ以外は一生懸命に農業をすればいい。お米は直接的に藩民を幸せな気分にさせるとても素晴らしい食べ物だ。僕も育ててみたいと塾長が言った。

『ケンジくんは勉強も格闘技の才能もあるから、将軍にはうってつけだ。ぜひ農家と将軍と、両方頑張ってほしい。良いかい?』

ケンジは何度も首を縦に振り、僕、頑張るねと付け加えた。

『良し、ケンジくんにはスペシャルな先生方を探さないとね。ところでケンジくんは将棋は好き?』

『おじいちゃんとたまにするくらい。時間がかかるからね。』

『そう、将棋はいいぞ。囲碁でもいいな。将軍になるためにまずは将棋と囲碁を学んでいこうか?力弥くんが将棋はプロで囲碁もやるそうだから、力弥くんにも先生をやってもらおう。』

ケンジはうんうんと頷いた。とても嬉しそうだ。

『生徒も先生になるの?』

『そうだ。みんなが生徒で先生になるのが理想だ。ケンジもカエルの育て方先生として講義を持っていいよ。』

塾長が微笑んだ。ケンジは絶対にやる、みんなに教えるとはしゃいだ。

『はっきり言って勉強は大変になる。藩民を救うためだ。そこは理解できるな?』

塾長は少し間を置き、ケンジがはしゃぎ終わるのを待って質問した。少しトーンを落とした聞き方だった。これは真面目な話し合いなんだよと態度で見せるためだ。

『はい。わかりました。藩民のみんなを幸せにするために頑張ります。』

ケンジ自身のためにもなと塾長が付け加え、ミーティングを終わった。

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