生まれ変わったら何になりたい?
目が覚めると無くなっている温もりと残る香りにいつだって空虚な気持ちになる
貴方のためだけに用意している灰皿に残されたくしゃくしゃになったタバコの吸い殻がいつだって同じ香りを部屋に満たす
数時間前まで感じられた貴方から香っていた微かな香りを掻き消すタバコはこの場所に残すモノなど何も無いと言外に告げられているようで
哀しい?虚しい?悔しい?
そんな気持ちとっくになくなった
また次に来る連絡を待ち望んで
同じ日々をただ繰り返す
ずっと側に要られるなんて羨ましい
寿命を縮めると解っていて手放せない存在だなんて羨ましい
絶えず自分の香りを纏わせられるなんて羨ましい
あの人の印象として覚えられるなんて羨ましい
あの頃からどんなに値上がりしても求められるなんて羨ましい
幸せな瞬間を与えることが出来るなんて羨ましい
依存されてやめたくても手放せないなんて羨ましい
欲しい時に居ないとイライラされるなんて羨ましい
忙しいのにその瞬間のために時間を取られるなんて羨ましい
食事も疎かにするくせに美味しいと思われるなんて羨ましい
体内を充満出来るなんて羨ましい
その唇に触れられるなんて羨ましい
そんな風に求められたい
生まれ変わったら貴方のタバコになりたい