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第1話 3000年前の祈り
それは唐突に滅びた。
いつも決まって、大地震、大津波、火山の噴火によってである。
4回目の文明も滅びた。
ただし、第3文明の人口のうち1割を残して。
第4文明が始まり、人口が10億人に達したころ、
元気な赤子が生まれ、彼女は”カティフ”と名付けられた。
あと2ヶ月でカティフが20歳を迎える。
彼女は”夢”を持つことが美徳とされている時代において
”夢”を持っていなかった。
普通に暮らせれば幸せだと考えていたのだ。
しかし、カティフの継母はどんな手段を使ってでも
夢を持って、努力して、叶えてほしいと思っていた。