九十六プラン 復旧作業
*前回のあらすじ*
地龍を討伐した。
***
「……死んだのか?」
「死んでると思う。呼吸をして無い」
よかった。これで生きていたらやばかった。
マナがもうスッカラカンだ。
仕留めれなかったら死んでいただろう。
「取り敢えずどうする?解体するか?」
「それは他の人の方が上手いからその人達に任せよう。私達は休もう」
「だな」
俺達は休息を取った。
***
俺が起きたのは一日経ってからだった。
この日に旅立つ予定だったが、明日に持ち越したらしい。
今日は休息だと。
それでいいのか、コード。
まぁ、休めるなら俺も嬉しい。
けど元洞窟は休む所では無いのだが。
地龍のせいで洞窟は原型はなく、空には青空が広がっている。
元洞窟の壁を撤去しなくては人々は住めない。
住めても元の一部である。
そのため俺は撤去作業の手伝いをしている。
雲を出し、瓦礫を撤去する。
少しは役に立てるので嬉しい。
そんな中!トウカが近づいてきた。
何かあったのだろうか?
「なぁ、クモ」
「どうした、トウカ。お前も手伝うか?」
「それは後でするんだゾ。話があるんだゾ」
「何があったんだ?」
「実はブラットはクモの前から去った後、洞窟の前に居て、ドワーフ達を殺していたそうなんだゾ」
「は?」
ブラット達がタダで帰るとは思わなかったが、まさかそんなことをしていたのか。
クソッ!あそこで倒せておけば……
「アイツらはどこに行った?分かるか?」
「分からないんだゾ。地龍が洞窟を壊した混乱に乗じて逃げたらしいんだゾ」
「じゃあそこまで奴らはドワーフ達と戦っていたのか?」
「そうみたいなんだゾ」
「けどどこかに行っても、奴らは亜人が嫌いとか言ってたからな、亜人がいる所に居そうだけどな」
「そうなんだゾ。いつか借りを返さないとなんだゾ」
「あぁ、当たり前だ」
奴らに対する思いをまた新たに。
ブラット、この借りは絶対に返すからな。
覚えてろよ!!!
***
「くしゅン!!!」
ブラットは大きくくしゃみをした。
「ズズズ、風邪かナ。いヤ、噂かナ」
ブラットは噂した人物を思い浮かべながら、ニヤつく。
「クモは私の事を思ってくれるんですネ。嬉しいですヨ、クモ」
狂人はクックックっと笑う。
「次の再会が楽しみですネ」
狂人はやはりニヤついた。




