第九十四プラン 元洞窟のち雷
*前回のあらすじ*
意識を失った。
***
微かに声が聞こえる。
「……て!……きて!……起きて!起きてください!」
「ん?何?」
目を覚ますと少女が俺の体を揺すっている。
……誰だろこの子?知らない子だ。
「あ!起きましたね!みんな〜起きたよ〜!」
少女は俺が起きたのを伝えたいのか、走り出してしまった。
ここはどこだ。
周りを見渡すと、床は雲の網で出来ており、天井も同じように出来ていた。
そうだ、思い出した。地龍の咆哮によって洞窟が壊れたんだ。
それで人を助けようと雲を貼ったんだ。
その後倒れたんだっけ?
今はどうなっているんだ?
ドタドタと足音が聞こえる。
「復活したんですね!これを飲んでください!」
白衣を来た男だ。医者か?男は瓶を渡してきた。
渡された物を見るとポーションだった。
「飲んでいいのか?」
「はい、てか飲んでください。あなたは私達の命の恩人です!助けて頂きありがとうございます!」
「助かったのか……よかった」
ポーションを開け、飲む。
少し苦いが、飲むと体力が回復するのを実感した。
「それとこれを」
「これは?」
男が渡してきたのは透明な瓶だ。
中は虹色に輝いている。
「それはマナポーションです。割るとマナを回復させます」
「そうか」
パリンと、手のひらで割る。手のひらからマナが流れてくる。
「そしてこれはお願いなのですが、我々を助けてください!」
「ここから降ろすってことか?」
「いえ、地龍を討伐して頂きたいのです!」
男は頭を地面につけ、懇願する。
「命を助けていただいたのにも関わらずに、こんな事を言うのはあれですが!何卒、何卒……」
「助けるよ」
「え?」
「俺も助けて貰ったんだ。そしてまだ完璧に助けた訳じゃない。倒すからみんなは離れて待っててくれ。俺達が倒すから、無事でいてくれ」
男の目を見ると涙が溜まっている。男は涙目で答えた。
「……分かりました。ありったけのマナポーションとポーションを渡します。ご武運を!」
男は指示を出し、避難を始めた。
俺が受け取ったマナポーションとポーションはそれぞれ四本ずつ貰った。
貴重な回復アイテムだ。
考えて使わないとな。
俺も雲を出し、避難を手伝う。
避難が完了して、地面をを見る。
そこには戦う仲間がいた。
傷ついている仲間がいた。
仲間を傷つける地龍《敵》がいた。
俺は仲間の元に全力で向かった。
***
地龍の咆哮から、少し時間が経った。
咆哮はまさに区切りと言える瞬間だっただろう。
咆哮の中、クモが動き、降ってくる土や、岩による被害は最小限と言えるほど少なかった。
しかしそのせいでクモはダウン。動きがなかった。
それでも私達は戦う。
避難が完了して他の冒険者も戦うが、地龍の咆哮に足をすくませるものや、勇敢に立ち向かうも返り討ちに合うものが多い。
理由はリバーのマナ切れだ。
防御の要のリバーのマナが切れかけている。
「ヴヴヴァァァァァーーーーーーーーー!!!」
地龍は尻尾を振るい、攻撃してくる。
「くっ!」
「クソォ!退避しろ!怪我するだけだ!」
けが人は増え続ける一方だ。
地龍が攻撃する度に、また一人、また一人と増えていく。
攻撃を受け、擦り傷が多くなってきた。
尻尾の攻撃によって飛ぶ、砂や砂利も強烈だ。
「糸の針」
糸の針を使い、攻撃するが、効いてる様子はない。
「ヴヴヴァァァーーーーーーー!!!」
「糸の壁」
地龍の攻撃を糸の壁で防ぐが、完全には防げず、ダメージを食らう。
「 「 「 「レル!!!」 」 」 」
仲間から心配の声が上がるが、ダメージで動けない。
地龍の顔を見ると、黒い雲が見えた。
気のせいかな……けど……
……名前を呼ぶ。願いを込めて……
「クモ……助けて」
「落雷!!!」
声と共に落雷が発生する。
雷は地龍の頭部に命中し、地龍はダウンする。
「助けに来たぜ、レル。大丈夫だったか?」
「うん……大丈夫だよ」
クモは私の手を引っ張り、起こす。
手に黒い雲を纏い、構える。
「さぁて、反撃開始だ!!!」




