第八十八プラン 第三ラウンド
*前回のあらすじ*
ブラッドとの戦い、第三ラウンド開始。
***
「みんなは離れてくれ!俺がブラッドを仕留める」
「みんなで戦った方が良くない?一人で溜め込むのは間違いだと思う」
「いや、あいつの能力を考えると、被害が出る可能性が高い。そしてまだ俺の方が戦えると思うんだ。だからみんなは離れてくれ」
「…………」
皆は少し考え、レルが口を開いた。
「分かった。けど怪我したら許さない」
「分かった、善処する。じゃあみんな離れてくれ」
その言葉共に離れた。
もう見えない程だ。
「別れは終わりましたカ?ではやりましょうカ」
「お前も別れは済ましたか?絶対に倒す!」
「そうですカ……けど第三ラウンドは私では無いのですよ、残念ながら」
「?どういう事だ?」
「つまりはこういう事でス」
ブラッドは檻の前に立ち、思いっきり空気を吸った。
「不味い、「雷雲の籠」
次の瞬間
「ーーーーーーーーー!!!!!!!!!」
ブラッドの咆哮によって檻は破裂した。それと共に奥で爆発が起こった。
「!?!?」
檻が完璧に壊れ、中にいる者が見える。
茶色の鱗が見え、四足歩行をしている生物だ。
尻尾はとても太く、人間など簡単に潰されてしまうほどの巨体を持つ生物。……いや、魔物だ。
山と言っても差し違えないほどの大きさの魔物だ。
その巨体がゆっくりと今立ち上がる。
「驚きましたカ?これがドワーフの洞窟に封じられていた
魔物、地龍ゴルザームでス」
ブラッドは地龍から離れている。周りには赤い修道服を来た奴らが居た。
奴らは逃げる気だ。
「お前らは何がしたかったんだ!?答えろ、ブラッド!」
「それはドワーフ達を殺すためですヨ。龍を呼び起こせばドワーフは大量に死ぬでしょうネ。そのためでス」
「そうか、けど逃がすと思うなよ!」
「いいんですカ?龍を離してモ?」
「!?」
地龍は周りを見渡し、口を開け……
「あ」
間抜けな声を上げた。
次の行動が分かったからだ。
「雷雲の籠」
「ヴヴヴァァァァァーーーーーーーーー!!!!!!」
地龍の咆哮は地下中に響き渡る。
その圧倒的な声量は洞窟を震わせ、絶望の時間のチャイムとなっていた。
ブラッドは少し呆れていた。
「この土壇場でこれですカ……流石と言いましょうか、クモ」
「そうか?お褒めの言葉、感謝する。俺は言っただろ?絶対に倒すと」
俺とブラッドは雷雲の籠の中に居る。ブラッドの部下と思われる人達もだ。
「いいでしょウ、これが本当の第三ラウンドですカ」
「あぁ、これで終わらせる」
構え、狭い空間での第三ラウンドが開始する。




