第八十六プラン 血の宴の準備INドワーフの洞窟
*前回のあらすじ*
ドワーフ、動き出す。
***
目を覚ますと、レル、エレン、リバー、トウカが居た。
「おはよう……大丈夫か?」
「 「 「 「それはこっちのセリフだよ!!!バカ!!!」 」 」 」
綺麗には持った声で突っ込んで来た。
「なんなの?ダンジョンの時もそうだったけどそんなに心配させないと行けない病気でもあるの?」
レルが涙目で叫ぶ。
「すまない……相手が強かった……てかなんで俺耳が治ってんの!?」
「今更!?ポーションで治したんだよ。足は完璧には治せなかった。それほどの怪我を治すポーションはとても高価なんだ。けど止血はしてあるから安心してね」
「まぁしゃぁねーな。雲で何とか出来るからいいけどね」
「……クモじゃ無かったら再起不能なんだゾ」
確かに、重症だな。膝から下が無いとか重症の重症だよな。
「それでアイツらはどうなったんだ?」
「彼らは今捜索中。クモが相手した奴は捉えたよ。今は地下に居るらしいよ」
「へぇ〜、地下ね。それなら少しは安心かな」
「それにしても人を破裂させるなんてどんな魔力なの?クモは戦ったからなんか分からない?情報が少しでも欲しいらしいのよ」
「魔力の名前は知らないけど音を使う能力だよ。多分。そのせいで鼓膜が破けた」
「けど音で体を破裂させるなんて出来るのかね?」
「さぁな?固い雲も出せるんだ。音で人が破裂させるなんて出来るかもな」
「大変です!!!赤い修道服の女が逃走しました!!!」
「何!?」
「ブラッドが!?嘘だろ!?」
「ブラッドって誰だゾ?」
「赤い修道服の女だよ、今回の騒動の原因だ!!!」
「ブラッドって言うのね?ソイツ」
「本人はそう名乗ってた。てか行くぞ!!!」
「おう!!!」
ブラッドを逃がしてはならない。
部屋を出てブラッドの所に向かう。
***
地下五階の奥。
赤い修道服を来た集団が集まっている。
奥には大きな檻が見え、間が広く、人間は捉えられないほどだ。
「準備は出来ましたカ?」
こくと頷いた。
「では行きましょうカ……亜人に災害をもたらすドラゴンを呼び覚ましましょウ」
地下に眠る、ドラゴンの声が聞こえる。
「楽しみですネ……さぁ、勝負とでも行きましょうカ……
クモ……第三ラウンドですヨ」
ブラッドは顔を大きく歪め、笑う。
これから起きることを楽しみにしているようだった。
彼らの歩みは止まらない……。
***
地上一階
「……嫌な予感がするな」
洞窟の外を見ると、黒い雲がこちらに向かって来た。
クモは嫌な予感を感じながらブラッドを探す。




