第八十四プラン 立ち上がる
*前回のあらすじ*
閉鎖空間での戦いが始まった。
***
狭いが、この空間なら逃げれない筈だ。ここで倒す。
雲の中は半径三メートル位の大きさで高さは三メートルくらいだ。
距離はあまり取れない。けどここは俺の空間だ。
ここなら行ける筈だ。
集中しろ……奴に一撃を入れるんだ。
「雷雲の……」
集中しろ……壁じゃない、俺の手足だ。俺が自由に動かせる、手足だ。
「乱射銃」
拳と共に、壁の雷雲からも無数の拳が飛び出し、ブラッド目掛けて行く。
つまりは三百六十度全体から拳を放つ!
避けれるものなら避けて見ろよ、ブラッド!
「ーーーーーーーーー!!!!!!」
ブラッドの咆哮は全体に広がり、雷雲から拳を破裂させた。
クソ、これでも避け切るのかよ。
「いいですネェ、自由な発想デ。けどまだまだですヨ」
ブラッドは上を指さす。
視線を向けると、雲が一部凹んでいた。
俺がいる方の壁と反対側の壁の二つに凹んでいる所がある。
何かがある。時間が経つ事に凹みが大きくなって行く。
何かが通っている?何が……何が…………まさか!?
「音か!?音が通っているのか!?」
「正解でス〜。よく分かりましたねネ」
彼女は笑顔で言うが何言ってるのか聞こえない。
俺の言ったことが正解だったのか?
音か、音を使う能力か。
「私の魔力は「反響」。声やあらゆる物を反響させることが出来ル。まぁあなたに言っても聞こえないでしょうがネ」
めっちゃ口パクパクさせてる。長い言葉喋ったんだな。
けど俺は聞こえないんだよ!
「何言ってんだ、聞こえねぇーんだよ!!!」
「まぁ、いいでス。そろそろ倒れてくださイ。
ーーーーーーーーー!!!!!!」
彼女は口を開いた。
咆哮が来る。
と思った瞬間には遅かった。
両足が破裂したのだ。
パァンと。膝から下が無くなり、まるで人形を見ているようだった。
次の瞬間には血が足から出て、実感が湧いた。痛みが熱となって襲ってくる。
「あああああああーーーーーーーーー!!!!!!!!!」
「きゃははハ、いい声で泣くじゃないですカ、クモ。ではさらバ」
ブラッドは背中を見せて、籠から出ようとする。
本気じゃなかった。コイツは遊んでいたんだ。コイツは殺ろうと思えば俺をいつでも殺れるんだ。
けど……行かせるかよ……
その先には俺の仲間が……ドワーフ達が居るんだ。
てめぇはここで倒す。
雲で足を作り、立ち上がる。
呆気なく足を破裂させられたが、俺はこいつを倒す。
恐怖で体が震える。
…………けどやるよ。
やってやる。
雷雲で拳を作り、無言のまま拳を握り、走り出す。
「おい……待てよブラッド」
「!!!」
ブラッドが振り返り、驚く。
そりゃそうだ、足が破裂したのに立ち上がり、殴りかかってるからな。
たとえ足が出来ても立ち向かうのは無理だとブラッドは判断したのだろう。
思いっきりブラッドの左頬をぶん殴る。
ブラッドを殴り飛ばし、雷雲の壁に激突する。
「来いよ、ブラッド。第二ラウンドだ」
「いいですヨ、クモ。乗ってあげましょウ」
ブラッドは立ち上がる。
第二ラウンド開始だ。




