第七十七プラン 病院
*前回のあらすじ*
サイクロプス倒したぞ!!!
***
「私何もしてないじゃないか」
フグサが愚痴を言う。
「しょうがないだろ、お前がなにかすれば良かったんだから」
「とりあえずトウカを探すよ」
トウカの飛ばされた方に進み、しばらくするとトウカが刀を持ちながらブツブツ呟いている。
「あの一つ目野郎め、次は絶対にぶった切ってやるんだゾ」
やられたのが余程悔しいのかブツブツ呟いている。
トウカの怪我はそこまで酷くなく、少し骨が折れていると本人が言っていた。
嘘だ、絶対大丈夫じゃない。
しばらくは怪我を治すまでここに居るのかな。
そんなことを考えながら街に向かう。
サイクロプス討伐の有無を伝えに。
***
サイクロプスは無事に全員を討伐することに成功した。
今回は運がよく、死者はいなかったそうだが、負傷者が多いようだ。
トウカもそのうちの一人に入る。
トウカは街の病院に入院することになり、一週間は少なくとも入院すると言われたそうだ。
コードはこのことを聞き、焦る必要は無いとトウカが退院するのを待つと言った。
そして俺達は一週間は暇が出来たわけである。
まぁもっと伸びるかもしれないけどね。
トウカが退院してから二日後に出発するそうだ。
「さて、トレーニングでもしますかな。レルもどう?」
「じゃあトウカの御見舞してから行きましょう。お土産は買ってあるから」
「分かった。行こうか」
俺とレルは病室に向かった。
***
「暇だなぁ……なぁ、夜刀」
『そうだな、刀加』
「来たぞ、暇人。お見舞いに来たぞ」
「雲!!!」
『良くぞ来てくれた。暇すぎて死にそうだったのだ』
「そうか、まぁ少しは話に付き合うよ」
「はい、お土産。置いとくね」
「ありがとう、レル!!!クッキーなんだね!!!」
レルが渡したお土産はこの街で俺ですらも知っている名店クランのクッキーだった。
部屋にいい匂いが広がる。食欲をそそる匂いだ。
「……レル様、僕の分はありますか?」
「唐突にへりくだるの止めようか!?クッキーならあるから!!!」
「やったぁ!!!レル大好き!!!」
「鬱陶しい!!!」
レルからクッキーをもらい、食べる。
サクッと音が響き、甘い味が口に広がる。
サクサクと音が鳴りながら、咀嚼する。
口の中にクッキーが無くなった頃には美味しい物を食べた満足感が口の中に漂っていた。
その満足感を続けるため袋からクッキーを取り出し、口に放り込む。
咀嚼、口に入れる。
咀嚼、口に入れる。
咀嚼、口に入れる。
咀嚼、口に入れる。
「あれ?もう無いな」
繰り返していたら気が付かないうちに無くっていた。
さっきまでの満足感が無くなっていく。
「もう一回食べたいなぁ……」
「そうだね、あっという間に無くなっちゃったね」
「凄く美味しかったんだゾ!!!」
それからしばらく喋ったあと、病室を後にした。
「トレーニングしますか」
「そうだね」
病院を後にした。




