第五十七プラン ディスコード屋敷その七
*前回のあらすじ*
男との戦いが最終局面に
***
男は鉄を全身で纏っている。どうする?
トウカでぶった斬るか?
どうする?どうする?どうする?どうする?
考えをまとめ、指示を飛ばす。
「よし、トウカ、エレン。お前ら二人が鍵だ。頼んだぞ」
「おう、わかったゾ!!!」
「任せろ!!!」
エレンは集中している。マナ武装をするためだろう。
トウカは刀を構える。
「おいおい、やる気だなァ、ガキ共ォ。
だが無駄だァよォ!!!」
男は拳を振りかぶり、突っ込んでくる。
「反転」
リバーは男と俺達の間に透明な壁が出現させた。
男は勢いを殺せずに、壁にぶつかる。勢いが反転し大きく仰け反る。
その瞬間を逃すものかと、トウカとエレンが肉薄する。
トウカが一歩早く前に進んだ。
「闇太刀一閃!!!」
トウカは刀を上から振り下ろし、男の頭からつま先まで切り裂く。
切り裂かれた男は鉄を切られた。鉄を切られたため、身はノーダメージだが、隙は晒したままだ。
そこをすかさず、肉薄するエレン。
エレンの拳は、腕は赤く染っている。魔力『強打』による効果だ。
その赤さはいつもよりも赤くなっている。
その分マナが使われているのだろう。
「「強打」!!!!!!!!!!」
エレンの一撃はみぞおちを穿つ。拳のあまりの威力に背中の鉄が割れた。
男は後ろにぶっ飛び、壁に激突する、その瞬間パーティーの後ろから音が聞こえた。
「エルノーム!!!」
土が触手のように伸び、レルとリバーに向かって行く。
そのままレルとリバーは土に縛られる。
「リバー!!!レル!!!」
「油断してたなぁ!!!お前ら!!!」
魔法を放ったのはチャラ男だった。チャラ男は包帯ぐるぐる巻いている。トウカの傷が治っていないのだろう。
「今すぐに助ける!!!」
「動くな!!!動いたら……どうなると思う?」
チャラ男は触手を動かし、レルの首に巻く。
「くっ!!!」
「そのまま武器を離せ!!!そして手を見える位置におけ!!!」
指示通りに武器を置き、手を見える位置に置く。
その間にレルの方を見ると糸を出していて、土を削っている。リバーの所にも糸を出し、土を削っている。
時間を稼げば行けそうだ。
「おい、そこ!!!武器を置け!!!」
トウカは武器を置かずに、刀を収めたまま構えていた。
アニメとかで見る居合の構えだ。
チャラ男を、触手の方を見て足を一歩、踏み出す。
「居合、闇太刀一閃!!!」
トウカは高速で動き、触手をぶった斬る。
その間にいるチャラ男は切られていなかった。
「どうするんだ?後はお前だけだぞ?」
「くっそがぁぁぁぁーーーーー!!!!!負けてたまるかよ!!!エルノーム!!!!!」
土の触手を作り、俺に向かって来る。
「加速する雲の拳」
土の触手と当たり、力比べが始まるが、呆気なく土は吹き飛ばされ、チャラ男の腹に当たる。
「ぐはぁ」
チャラ男はそのまま倒れた。
恐らく前回の戦いの傷が深かったのだろう、回復仕切ってなかったのだろう。
「よし、後は誰も居ないか?」
「あぁ、居ないと思う」
周りを確認しているとガラガラと音を立てながら立ち上がる者がいた。
「あァ、寝てたァ。時間を稼いでくれたァ、チクラには感謝ァしねぇとなァ」
男が立っていた。いや、立ち上がった。
復活したのだ。
「さァ、ガキ共ォ。最終ラウンドと行こうかァ」
復活した男との戦いが始まる。




