第四十二プラン 屋根の上で
*前回のあらすじ*
魔物進行が終わった。
***
魔物が潰れ、辺りが静寂に包まれる。エクスのその圧倒的な力は一振で千五百の魔物を潰し、命を奪った。
その事実が、興奮と恐怖が入り交じり、静寂をもたらした。
そんな中、一人の冒険者が腕を上げ、叫ぶ。
「お、俺達の勝利だぁぁぁーーーーー!!!!!」
「 「 「 「 「 「オーーーーー!!!!!」 」 」 」 」 」
皆が勝どきを上げる。その勝どきは恐怖を振り払うためか、それとも魔物を倒したことによる喜びだったのか。
それは人によって違うだろう。
***
ギルドで報酬を受け取る。なんにもしてないが、参加しただけで、報酬が貰えるのだ。今回は当たりと言えるだろう。
にしても、エクスはとんでもなかったとしか言えない。マナを多く持つのは知っていたが、どうやって戦うのかは知らなかった。あんな戦い方をするんだな。
……いや、戦いにすらなってなかった。虐殺だ。
エクス見たいのが、他にもいるのか?
そんなことを考えながらギルドの椅子に座る。今日は依頼をこなせるか分からない。ちょっと相談しないとね。
「今日はどうする?依頼を受けるか?」
「う〜ん、受けなくてもいいんじゃない?お金は稼げたし」
「俺は受けたい!動きたいからな!」
エレンがビシッと手を上げる。
「じゃあ訓練でもすれば?」
「確かに!じゃあ俺も依頼を受けなくてもいいと思う」
「僕も受けなくてもいいと思います」
「じゃあ今日は依頼を受けない。これからの時間は自由でいいか。解散」
あまり時間は無さそうだか、オフが出来た。
何をしようか。無数のことが頭に浮かぶ。
***
「…モ………起き…………クモ、何してんだい!起きろ!起きるんだ!!!」
俺を揺さぶる誰かがいる。揺さぶりが俺の脳を覚醒させる。
「うにゅ?何……」
「何じゃないよ、こんな所で寝ないで。誰かが寝ていると通報を受けてきてみたら君が寝ていたんだよ!!!」
こんな所と言われる場所は、俺が寝ていたのは、屋根の上。そして俺を起こしたのはエクスだった。
「いや、日当たりが良さそうで、つい」
「ついじゃないよ!もう寝ないでよ!て言うかクモはよく屋根の上に来れたね」
「俺も一応魔力を持っているからな。魔力を使えば余裕よ」
「そうだったのか。魔力の名前は?」
「教えてもいいが、エクスの魔力も教えてくれよ」
「僕の魔力?いいよ。教える」
エクスは屋根に腰を掛けてから話した。
「僕の魔力は『マナ』マナを操る魔力さ」
「マナを操る魔力?」
それは魔力と言っていいのか分からないものが来た。
マナを操るのは俺でも出来る。他の人ももちろん。
なのに、それが魔力?どいうことだ?
「そんな不思議な顔しないで。僕の魔力『マナ』は他の人よりもマナを操れるんだ。体内にあるマナも。自由自在に」
「マナを操る能力がそんなに凄いか?」
「それはクモが実際に今日見たでしょ?」
「今日見たもの……」
今日見たものと言えば、エクスが剣を振るうと、魔物が潰れた光景……
「まさかあれが、マナを操る魔力で引き起こったのか!?」
「クモの言う通りだけど少し違う。マナを操る魔力で起こしたのは黒い剣の方。
マナを周りから集め、圧縮して、圧縮して大量に纏わせる。大量にマナを纏った剣は全てを切り裂け、叩き潰すことも出来る。
マナは少しだけ、ほんの少しだけ意志を感じ取り、その意志の通りに変える力を持つんだ。
だから大量にあればあるほど意思の通りに出来るんだ」
「…………だから全てを切り裂け、叩き潰すことも出来るのか?」
「そうだ」
……成程、つまりは物量作戦と言う訳か。
どういう訳かマナは意志を感じ取り、その通りに変える力を持っているらしい。ならそれが多ければ多いほど、なんでも切れる様になる。なぜならその意思があるからだ。
切るという意思が、マナに力を与え、万物を切り裂く。
「エクスの魔力は周りのマナを使えるという利点があるのか」
「まぁ、特徴と言えば、マナを多く操ることと、それぐらいだね」
エクスは笑みを浮かべた。その笑みは後ろに見えた夕日に照らされていた。




