第二十六プラン 王都の樹
*前回のあらすじ*
レルの膝枕、ご馳走様でした。後、王都に行きます。
***
レルの膝枕で寝て、現在夜。
俺は夜の見張りをしている。
馬車でお昼寝てたから夜は見張りだと。まぁ、そうだよね。
俺は目はバッチリなので、一人でもいいのだが、一人で見張れるのは限界があるので、俺以外の一人が交代で見張る。
つまり二人で見張りをして、片方は交代でするってことだ。
にしても暇だな。『雲』でなんかするか。トレーニングにもなるだろうし。ふと空を見ると暗闇に光り輝く、月があった。
月を見てふと言う。
「この世界にも月はあったんだな」
***
朝日は上り、皆が起き出した。
「ふぁ〜あ、おはようクモ」
「おはようレル。俺は少し眠いよ」
ずっと一人遊びをやっていたせいか眠い。
「そうなの?馬車に乗ったら寝るといいよ」
「おはようクモ」
「おはようエレン」
他の人にも挨拶をして、準備をして行く。
朝食を済まし、馬車の出発の準備をする。
しばらくして、馬車は動き出す。
寝るためにレルの膝枕が最適です。
「そんなに、膝枕って良いものなの?」
「あぁ、男のロマンだ。これ程高級な枕は知らないね」
「……そう」
馬車は進み、王都を目指す。
***
王都が見えてきた。王都が見えたので俺は起こされたのだ。そしてひとつとんでもない物が見えた。
それはとてもとても大きな木だ。どれぐらいの大きさだろうか?あれ程デカい木を見たことがあるか?いや、無い。
「アレってどれぐらいの大きさなんだ?」
馬車のおっちゃんが答える。
「アレは確か、幹の大きさは直径約百メートル。高さは約三百メートルの大樹さ。人は皆、あの木を、"世界樹"と呼ぶ」
「"世界樹"……」
とてつもない程の大きさ。あれ程の大きさの木はなかなか拝めるものでは無い。もしかしたらこの木を見せるためにエクスは言ったのかもな。
「なぁ、世界樹は他にもあるのか?」
エレンが俺に続いて質問する。
「あぁ、あるぜ。"魔王国"王都デビルにもあるし、"獣王国"王都ビーストにもあるし、"仏の国"首都ニョライにもあるし、そして"和の国"の都、静安京にもあるらしい。世界各国の首都にある訳だ」
「ほへぇー、この木は凄いんですね」
「あぁ、世界中の人が、この木を中心に国を作るんだから」
「そうなんですか?」
「あぁ、世界各国の都に"偶然"ある訳じゃない。この木を中心に国を作っていたんだよ」
「へぇーつまりこの木は国と共に生きてきたのか」
「そうとも言えるな」
そうしていく中に、馬車は王都に進んで行く。
そしてしばらくして、王都の地に足を付けた、クモ達だった。




