第十二プラン 「青い果実」と国
*前回のあらすじ*
ゴーゴさんに模擬戦で勝ったぞーーー!!!
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ゴーゴさんを吹っ飛ばし、模擬戦に勝利した俺達。しかしゴーゴさんは体に傷一つなかった。……バケモンかよ。
俺の精一杯の攻撃で傷一つ付けれないのか……強さの次元が違うな。そう考えているうちに、日は沈み、時間は進んで行った。
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「ゴーゴさん、明日で依頼も終わりですね」
「 あぁ、明日がお前らが依頼を受けた日だな。もう一年か……早いな」
そう、俺達は明日で依頼が終わるのだ。初めての依頼が終わるのだ。これまでキツかったが、何とかやり終えた。
「そうですね。これで俺達は本当の意味で冒険者ですかね?」
「それはまだ早いぜ、坊主。坊主達はまだまだ「青い果実」だ。実は出来たが熟してねぇ。そうだ、レルと坊主に話すことがある。レルを呼んでこい」
「分かりました」
ゴーゴさんに言われる通りにレルを呼んできた。
「なんですか?ゴーゴさん」
「話しておくことは、それは壁と「超越者」の事についてだ」
「 「壁と「超越者」?」 」
俺とレルは二人でハモった。
「まずは、壁に着いてだ。お前らはこの一年間身体能力が少しずつだが、確実に上がって行った。しかしこのまま行くといつか成長は止まる。確実にな。一年間でそこまでしたかったがまぁ、無理だった。そして壁にぶつかっても、壁を突破する事は出来る。そのヒントを教えよう」
この話重要じゃね?つまり成長が止まる時がくる。それを破る方法だと?是非とも知っておきたい。
「そのヒントは……常に冒険者であれ!だ」
「 「常に冒険者であれ?」 」
またも俺とレルは声をハモらせる。
「その言葉を胸に閉まっとけ、そのうち役に立つかもな」
「そうですか」
ゴーゴは飲み物を飲み、プハァーと声を出してから喋り出した。
「次は「超越者」に着いてだ。「超越者」ってのはマナが大量にある事で起きる現象が起きた人の事を指す。」
真面目に語りだしたゴーゴさんの言葉に唾を飲む。
「その現象ってのはなんですか?」
「それは……寿命で死ななくなることだ」
ゴーゴの言葉に驚いて言葉が出ない。寿命で死なない?それは人類が夢見た物であろう。それが出来るのか?流石ファンタジーやる気が違うな!!!
…… 余りのことに現実逃避を始めてしまった。
「それ本当なんですか?てかそんなん知ってなんになる?」
「確かにそう思うだろうが、その内そんな人達に会うかもしれねぇだろ?知っておいて損は無い。東にある"仏の国"ニョライはこの国で言う国王が「超越者」って聞いたぞ」
「それマジですか?その人寿命で死なないんですか?てか他の国の名前初めて知った」
「…………なぁ、坊主。俺、お前が冒険者で生きていけるか不安になってきた」
「クモ、それは流石にやばいわ」
俺の言葉は二人に大ダメージを与えたようだ。
「しょうがねぇーな。少し国について教えてやるよ。
まずはこの街、ナンセの街がある国、"人類国家"オルヒル。大陸の南に位置する国だ。人が多く住んでいるぞ!ちなみにナンセの街はオルヒルの最北端の辺境です。
次は北にある、"魔王国"デビル!オルヒルの敵とも言っていい国。魔族が住んでいるぞ!
次は西にある国、"獣王国"ビースト!獣人が住んでいるぞ!
そしてさっき言った東にある国、"仏の国"ニョライ。
これが大陸にある国だ。国とは言い難いが、北西にエルフの森が、南東にドワーフの洞窟がある。そして大陸の中心にある平原、世界一の平原、スクエア平原がある。そして、大陸では無いが東の果てには和の国と呼ばれる国があるそうだ」
これまで知らなかった事が多く頭に入ってくる。国の事は知らなくてどんな国か、想像するだけで楽しくて……
「そうですか、ありがとうございました」
そしてこれからの楽しみが増えたのだった。