第百八プラン 目指すは首都ニョライ
*前回のあらすじ*
チクセ村出発!
***
「……気持ち悪い……」
馬車に揺られて、気持ちが悪い……
レルに膝枕してもらっているが、治る気がしない。
「俺、寝るわ」
「うん、おやすみ」
俺は馬車に揺られながら寝た。
***
目が覚めると、レルは眠たそうに、揺れていた。
眠気と戦っているな。
膝から降りて、外を見ると、日が傾いていた。
これまでの旅で疲れたのだろうか。
「レル、寝ていいよ。俺が見張りするから」
「うん……わかっ……た……」
レルは直ぐに寝そうだなってか寝るなこれ。
クモを使って運ぶか。
レルを寝床まで運ぶ。
「さぁて、見張りでもしますか……」
見張りの準備を始めた。
***
馬車で進めばたまに人にも会う。
「おーい、乗せてくれんか!」
そして魔物にも会う。
「ウキャキャ!!!」
数が多く、対処が難しかったり。
「ウゴォーーーー!!!」」
体が大きく、馬車が狙われたり。
様々な人、魔物に会ってきた。
そしてこの依頼を受けてから二ヶ月。
村を出発してから一週間。
首都ニョライが見えた。
そろそろ旅も目的地が見えてきた。
"和の国"
ワクワクが止まらない。
***
首都ニョライでは、相変わらずトレーニングをしている人が道で見られる。
この世界の仏教と俺の世界の仏教は大きく違うのだろうな。
俺の世界の仏教を詳しく知ってるわけではないが……。
違う気がする。違ってくれ!
そう思いながら馬車は進む。
もうそろそろ馬車にも慣れてもいいと思うんだが、
未だになれない。
どういうことだ?
人間には慣れがある。
慣れはやればやっただけ慣れて上手くなったり、耐性がついたりする。
がしかし何故だ。
なぜ、馬車で酔っているのだろう……。
呪いか?呪いなのか?
そう言えば……呪いと言えば……
「呼ばれた気がしたので出ます、クミです!」
声がしたので後ろに振り向くと
俺の背中から水色の髪をしたツインテールの幽霊少女が出てきた。クミだ。
「なぁ、クミ。相談があるんだが?」
「奇遇ね。私も相談があるんだけど、優しい私はあなたのをまずは聞いてあげましょう」
「そうかありがたい。これまでの旅もで約二ヶ月程馬車で移動しているんだが、酔ってしまうんだ。どうしたらいいと思う?」
「なんだ簡単な事ね。"大罪魔女"の一人、ラミセを倒せば酔わなくなるよ」
「それだと探してる時は酔うね。じゃあ探すの止めるわ」
そのまま前を向こうとすると
「ちょっと待って!真面目に答えるから!」
「じゃあさっさと答えなよ」
「え〜とね?多分……私のせいなんだよね……えへへ……」
「………………」
「……え〜と?クモ?」
「悪霊退散!悪霊退散!」
「やめろ!退散させようとすんな!殴りかかってくんな!」
「人には慣れってものがあるんだ!それでも二ヶ月もあったのに酔うのはおかしいと思ったんだ!」
「謝るから!許して!」
「クモ〜、クミちゃんをいじめちゃダメよ」
「え!?レル」
「とりあえず、話し合おうか」
急にレルの顔が怖くなった。
俺はこれからどうなるのだろうか?