第百三プラン チクセ村
*前回のあらすじ*
レルを探します Byクモ。
***
足から雲を噴出させて、空を飛ぶ。村中を探し回り、村のハズレの方で糸が見えた。
「この糸は……」
レルの糸だな、これは。
まさかあいつ糸を使って移動したのか?
そう思い、家の角を見ると少し細い糸のようなもので削られていた。
恐らくレルが移動した際についたものだろう。
レルが移動した際に糸が動き、削られたんだな。
にしてもよく思いついたな。そしてよく出来たな。
感心してる場合ではないな。
「上から見た方が分かるかな」
そう思い、上に急上昇。
少し時間がかかったが、村全体が見れる位置に到着した。
村全体は普通だ。人もチラホラ見える。
その中で見覚えのある姿の奴は……
居た!
村のハズレに居た。てかもう村の外だ。
急行する。
レルは糸を使ってないのか、走っていた。
走る速度よりも俺は速い。
呆気なくレルに追いついた。
「レル〜なんでここに居るの?」
「うわっ!なんでここに居るの!?」
「それはこっちのセリフだ!!「雲の籠」」
手から雲を出し、レルを捉える。
「糸の……」
「無駄な抵抗はよせ、マナを無駄にするだけだ! 」
「……分かったわ」
レルはあっさり諦め、捕まった。
「では、話してもらおうか。なぜトウカに話したのかを……」
「別にいいじゃない、過去なんだしさ!」
「過去は過去でも黒歴史なんだぞ!」
「黒歴史?」
「黒歴史ってのはバレたくないとか、恥ずかしい過去の事だ」
「ふ〜ん、恥ずかしいんだ……みんなに言っちゃおう」
「やめろやぁぁぁ!!」
絶叫が村の外に響いた。
***
「おい、どうするだよ。これ」
「どうしようね、クモ」
俺達、レルとクモの前にはとある問題が起きていた。
「ウキウキーーー!!」
「ウキウキッ!!」
「ウキャウキャキャ!!」
黄色い猿が前に大量に居た。数はざっと30匹ぐらい。
名前はなんて言うんだろうか。
「こいつらの仮名はイエローモンキーでどうだ?」
「いいんじゃない?てかなんでここに来たんだろうか」
直ぐに攻撃してくると思ったらしてこない。
なんで来たんだ?
しばらくすると、赤いトサカを持ったイエローモンキーが来た。
来ると他のイエローモンキーはひれ伏した。
あいつが長か。
「ウキウキウキャウキャウキウキウキャ!!」
イエローモンキーの長が話しかけてきたが、なんて言ってるのかわかんない。
イエローモンキーの長って言うのめんどいな。
ボスモンキーでいいや。
「……ごめんなんて言ってるのかわかんない」
「!!!」
驚きのあまりにボスモンキーは固まってしまった。
「レル……糸でみんなに伝えて。猿がいっぱい来たって」
「分かった」
レルは手から糸を出し、空に文字を書く。
「どうしようね」
「ほんとどうしようね」
イエローモンキー達のせいで不安を感じるのだった。