第百二プラン 二つ名って燃えるよね
*前回のあらすじ*
冒険者ランクSの冒険者。ラグザ登場。
***
「ランクSの……冒険者……」
驚きだ。
トウカの師匠がSランクの冒険者だとは……
「まぁ、最近上がっただけなんだけどな」
「最近なんですか?」
「そうなんだゾ。"和の国"に行く前に手紙が来たんだゾ。その手紙がランクアップの報告だったんだゾ」
「ほへぇ〜、凄いですね。それで二つ名というのは?」
「二つ名ってのは、目立った冒険者に付けられるあだ名みたいなもんだよ。通称とか言われるやつだな。本人が知らないところで付けられていたりするから、もしかしたら付けられていたりするかもな」
「ランク関係なく?」
「あぁ、目立ったやつだからな」
「じゃあ俺は目立ってるな」
エレンがドヤ顔で行ってくる。
ドヤ顔がウザイ。
「そんなに目立ってるか?僕の方が目立ってるだろ」
「リバーは地味だから無理だね。私の方が目立ってるわよ」
「レル酷い」
レルの容赦ない言葉に傷つくリバー。
「レルもレルで目立ってないんだゾ。私の方が目立ってるんだゾ。黒いオーラを纏った刀を振るう美少女。
目立ちまくりなんだゾ。二つ名は……そうだ……黒刀の刀加とかどうなんだゾ」
パーティー内で醜い争いが起こっている。
「いや、待てトウカ。俺の方が目立ってるだろ」
「そんな訳ないんだゾ。地味なんだゾ」
「いやいや、地味な訳あるか。地龍の時見たろ?雷を。あれを降らしたのは俺なんだぜ。地味な訳あるか」
「そうだったんだゾ。雷が地味な訳ないんだゾ……けど私の方が目立ってるんだゾ」
「負けず嫌いだな、トウカ」
「クモも負けず嫌いなのは知ってるんだゾ」
「なんだと?」
トウカが気になることを言った。
そんなことしたかな?
「レルが言っていたんだゾ。冒険者最初の依頼の訓練でレルにボロ負けにされて何度も挑んだのを……」
「ちょっ!おま!?なんで知ってるってか、レルが犯人かよ!!レルは何処だ!?」
「どっかに行ったよ。まるで兎のように逃げていったよ」
「レルゥゥゥ!!!何処だぁ!!」
雲を足から噴出させて飛ぶ。
飛ぶことによって高速移動が可能なのだ。
まだ慣れてないが、練習にはちょうどいいだろう。
「絶対に見つけてやる!」
俺が決意を決めている時に、ラグザはと言うと。
「俺はどうすれば……」
俺達パーティー置いていかれ、ポツンと立っていた。
俺はレルを探す。