第百一プラン 衝撃のラグザ
*前回のあらすじ*
ガレ村出発!
***
ガラガラと馬車の音が響く。空は暗くなっており、夜も近い。
そんな中、村は見えた。
ぼんやりと明かりが見える。
「結構遠かったな。三日と約一日かかったぞ」
「まぁ、仕方ないんだゾ」
ガレ村からここに来るまで三日と約一日がかかっている。
思ったより長かった。
村から村だから、そんなに離れてないと思ったけど違った。
「そう言えば、チクセ村から首都までどれぐらいかかるんだ?」
「え〜と確か、一週間ぐらいなんだゾ」
「結構遠いな……まぁそんなもんか。
それで首都から港街ヤギシだっけ?そこまでは?」
トウカが首を捻る。
記憶を思い出そうとしているのだろう。
う〜ん、と唸り声を上げながら、考え、思いついたように
ポンと手を叩く。
「確か、一週間ちょっとだった気がするんだゾ」
「遠いなぁ〜、またそこから船の旅だろ?遠いなぁ」
「クモ、そんなことより、ハッキリと見えてきたよ」
「あれが、トウカの育った村か」
「みんなようこそ!チクセ村なんだゾ!」
トウカは皆の前に立ち、笑顔でそういった。
***
村に入ってから宿を借りて、部屋のベットで直ぐに寝た。
「みんな今から来て欲しいところがあるんだゾ」
「そうなのか?暇だからいいけど」
「どこに行くの?トウカ」
レルがトウカの目的地を聞くとトウカは答えた。
「私の師匠の所に行くんだゾ」
トウカはあっさりとそう答えた。
***
村のハズレ。
一つの家がポツンと建っていた。
その前にトウカが立つ。
「久しぶりなんだゾ。じゃあ行くんだゾ」
トウカはドアをノックする訳でもなく、居合の構えを取った。
『これは久しぶりですね』
「あぁ、そうなんだゾ。「龍解」」
「トウカ、何しようとしてんの?まさか家を切る気!?」
トウカは足を広げ、地面を踏みしめる。
鞘は闇に包まれ、闇のオーラが溢れ出す。
本気だ。本気でやる気だ。
「闇太刀二の形」
納刀している、刀を掴み、抜刀!
「瞬閃」
見事な居合い切りが家に炸裂した。
居合い切りは家をぶった斬る。
家の中間ぐらいから見事に斬られている。
人が入れば死んでいるだろう。
「おうおう、危ねぇじゃねぇかよ、刀加」
「お久しぶりなんだゾ、ラグザ」
『お久しぶりです』
「おう、久しぶり。夜刀、刀加」
斬られた、家の中から、大きな男が出てきた。
「おっと、見ねぇ顔がいるなぁ。この村は初めてかい?」
「あぁ、初めてだ」
大きく、筋肉もある、ムキムキマッチョマンな男。
身長は二メートルぐらいだろうか。でかい。
髪は短く、黒色の髪だ。目を黒い。
「チクセ村にようこそ。何も無い村ですが、どうぞよろしく」
男はぺこりとお辞儀してきた。
「こちらこそ、お世話になります」
「それで何故ここに?刀加も。なんでここに?」
「それは……」
「それは私が説明するんだゾ」
説明はトウカが自己申告してきたので任せることにした。
***
「ほぉ〜ん、成程ね。頑張っているんだな刀加」
「うん、頑張っているんだゾ」
「仲間も出来たんだな。大事にしろよ?」
「大事にしているんだゾ」
「そうか、ならいい」
トウカは説明という名のこれまでの話を男にしていた。
結構時間が経ち、俺とエレンとリバーはトレーニングを始めている。
「トウカ〜、クモ達が飽きてトレーニングしているよ」
「ホントなんだゾ!?この人紹介するから来るんだゾ」
「ふ〜、分かった。今行く」
トウカの所に集合すると、トウカが紹介し始めた。
「この人の名前はラグザ。ランクSの冒険者なんだゾ」
「 「「「え?」 」 」 」
「改めてよろしく。ラグザだ。二つ名は"衝撃"のラグザ。
よろしく」
「 「 「 「え〜〜〜〜〜〜〜〜!?!?!?」 」 」 」
衝撃的発表だった。