第九十九プラン ガレ村その二
*前回のあらすじ*
ガレ村に来た。
***
馬車は止まり、宿屋に着いた。
宿屋の部屋を借りて、部屋に荷物を置いて、村を散策する。
道を歩くと、
村には筋トレばかりしている人がいるってか
ほとんど筋トレしてる。
どんな宗教なんだ?
筋肉によって全ては救われるとか言われてんのかね。
「なぁ、レル。この国の宗教ってどんな事を教えてんだ?」
「簡単に言うと、人は鍛錬を続ければ仙人になれて、その後、仏になれるんだって。
みんなそれを目指しましょうって言う宗教なの」
マジかよ、なれるもんなの?仙人とか仏って。
「そうなの?けど何で仙人を目指すんだ?」
「昔、仙人って言われる人が居たそうだよ。その人が凄くて目指したんだって」
「よく目指せるな、見たことも無いのに……」
これが信仰心ってやつか?凄いなぁ。
「いや、この国に居るよ、仙人と仏」
「マジで!?!?」
「うわぁ!ビックリしたなぁ。この国の政治をしているのは仙人と仏なんだよ。そして会ったこともある人もいるんだよ」
ほへぇ〜〜すげぇな。
この国にいるんだ、仏と仙人が。いつか会ってみたいな。俺はそんなことを思いながら村を歩く。
***
村を周り、何も無い事を確認した。あるとしたら村人が筋トレしてることぐらいだ。
ある人は筋トレしながら挨拶してきて驚いたよ。
筋トレに集中しろよって言いたくなった。
暇なので、俺もトレーニングしよう。
レルと別れ、村のハズレに来た。
雲を出し、これまでの動きや、新たな試みをする。
準備運動をして、準備が出来た。
新たなる試みとは、パンチの改良である。
パンチは普通に殴るだけだった。
雲で拳を大きくしたり、加速させて威力を上げてきたが、隙が大きい。
隙を無くして、威力を上げたい。
もしくは隙があってもいいのでこれまでよりも高い威力を出せるようにしたい。
地龍のようなデカくて体力もある奴との戦いがあるかもしれない。なくても特にはなるだろう。
どうするか……雲を使ってどうやって威力を上げるか……
考えながら体を動かす。
体を動かすと考え事が捗るよね。
集中出来る。
これまでのことを振り返ってみよう。
まずは殴る。雲を纏い殴る。普通だ。
次は雲を噴出させて加速させて殴る。
次は雲で拳を大きくして、殴る。
次は?
雲を使って……更に拳を大きくする?
それだと時間がかかる。
更に加速させる?
前にやったことあるな。
次は……雲を……大きくいや、噴出いや、噴出ではなく溜める?
溜めて、溜めて噴出させる。
……雲を溜めて、一気に噴出させて威力を上げるか?
「やってみよう」
"思い立ったが吉日"と言うことわざがあるからな。
やってみよう。
前腕に雲を溜める。溜めるってより、樽をイメージした方がいいかもな。
前腕に樽がついてるイメージで。
そこから雲を出して、雲の拳を加速させる。
これなら手軽に、出来るな。加速させる時間がかからない。かかるのは雲を溜める時間だけだ。
「さて、試し打ちだな」
新たなる試みに胸を高鳴らせる。
太陽は真上に昇っていた。