番外編 オークメイジ先生の研究
オークメイジ。
十代の心を忘れないナイスガイ。
一見すると彼らは学舎のはみ出しものと思われるかもしれない。
だが、彼らの生み出すものは世界を変えてきた。
それは100年ほど前に出版された本が有名だろう。
【眼鏡っ娘の生み出す癒やしの効果について】
当時の魔王が全面支援したという傑作である。
眼鏡っ娘という存在の重要性を魔術的に説明した本であり、魔王領の歴史を変えたと言っても過言ではない。
また近年では、
【HTS細胞の応用研究】
という画期的な研究もある。
この研究は学舎の【胸キュン! ドリーム賞】を授賞し、多くのオークたちを服だけ溶かすスライムの研究にいざなった。
一見するとバカバカしい研究だが、それを本気で追求するのが彼らである。
しかも数年に一度は素晴らしい研究成果を挙げるのだ。
服だけ溶かすスライムも軍事や、ゴミ処理、医療など広い分野で使われている。
そんな彼らの日常を見てみよう。
「諸君。眼鏡っ娘は財産だとは思わないかね?」
「「眼鏡! 眼鏡! 眼鏡! 眼鏡! 眼鏡!」」
眼鏡っ娘派の学生たちが一斉に立ち上がりシュプレヒコールを挙げた。
「サラ様に敬礼!」
なぜかサラのいる方向にオークたちが敬礼する。
眼鏡っ娘に思い入れがあるらしい。
「ふっ、貴様ら……ラン様の良さをわからぬのか!」
別のオークの一団が反論する。
「ラン様のあの全てを受け入れてくれそうな優しさ! 貴様らにわからぬとは言わせぬ!」
「くッ! 殺せ!」
なぜかここに来てのくっころである。
「なにを言っているのだ。貴様ら! ヤンデレこそ至高!」
オークの大多数が声を上げた。
「俺のために壊れてくれる! そんな一途な子が好きなんじゃあああああああッ!」
「く、狂っている! この学舎にはそんな女性はいない!」
「なんとでも言え! 我らは発明した! このヤンデレスカウターを!」
具体的に描写するといろいろと面倒なことになりそうな形状のものをオークが装着する。
「10……20……たくさん! な、なんだと……! とんでもないヤンデレ力を持った存在が近づいてくる!」
次の瞬間、ヤンデレスカウターが爆発する。
同時に教室のドアが開く。
「あ、すいませーん……ガイラギくんいる? ってオークさんか……すいませんでしたー」
素顔のサイクスが顔を出した。
ガイラギを探していたらしい。
すぐに引き返す。
「ヤンデレ力最低で3万……だと……どれだけのヤンデレに愛されてるんだ!」
「さぞ名のあるヤンデレであろう!」
それは次の瞬間起こった。
バンッとあるオークが立ち上がったのだ。
「ど、どうした……」
「我……天啓を得たり……」
その目は澄み切っていた。
「我が目指すのはヤンデレでも、眼鏡っ娘でも、ふわふわ系女子にもあらず! 男の娘にあり!」
「ぐっ! だがやつはガイラギ様の強敵……女装……いや男の娘など夢のまた夢!」
なんだか、とんでもないのにサイクスは目をつけられた。
「ふ……不可能を可能にするのが我らオーク。逝くぜ、俺は、逝ってくるぜ!」
そのままオークはドアを飛び出す。
そしてしばらく後に
「くっころ!」
という悲鳴が聞こえた。
その壮絶な散り様にオークたちは涙を流しながら拍手をする。
「貴様の犠牲……無駄にはしない! 我らは月狼どのの【男の娘化計画】を進行する!」
「「えい、えい、おー!」」
オークたちの心が一つになる。
「ではまずは男の娘のコンテンツ強化について……」
この後、学舎を中心として男の娘の一代ムーブメントが発生するのだが、それはまた別の話である。
遅くなってすいません。かなりガチめの風邪を引いてました……。
登場人物紹介
オークメイジたち
コンテンツを生み出し続けるクリエイター集団。
最強の武器を持っているが、本人たちにその自覚はない。
サイクス
永遠にオークと戦い続ける少年。
なんかやばいのに目をつけられる星の下に生まれた。




