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僕の婚約者がやり過ぎたので婚約破棄したいけどその前に彼女の周りを堕とそうと思います  作者: 豆啓太


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王太子レオナルド

 それを聞いてしまったのは、本当に偶然だった。

 僕の秘密の友達のカラが、王宮の色んな所を覗き見してみようぜと言い出した。僕を叱る母様が、本当の母様ではないと言われたけれど、その時はまだ信じられなくて、勉強が出来ない事を責められて泣いていたから、カラが元気づけようとして提案してきたみたいだった。

 僕はそんなカラの優しさが嬉しくて、そしてカラの不思議な力をもっと見たくて、普段会うことが少ない父様の様子を見てみたいとお願いしたのだ。


『……では、やはり長くは生きられんか』

『今のところ、どこにもお体に問題はありませんが、おそらくは。……エリヴィア様の血筋に、幾人もこの国の王家の血が入り込んでいますから』

『ええ、ですからレオナルドは、王太子としては相応しくありませんの』


 カラが作った円の中で、父様と母様とそして初老の医者が難しい顔をして話をしていた。おやおやこれはと、カラが少しだけ困ったような声をあげていたけれど、僕はそれよりも父様達の話の内容が気になってしまった。

 だって今まで、どんなに厳しくされても、泣いても許して貰えなくても、僕は頑張ってきた。ジェラルド兄様より劣っていると言われたって、父様や母様が立派な王になる為に必要な事だというから、その期待に応える為に僕は、ずっと頑張って来たんだ。なのに、父様達は何を話しているの。


『本来なら、クリスタとの子が王太子になる予定だったのだ。……あれが王妃になりえたのは、王家の血が入っていない貴族だから故だったというのに』

『王家の尊き血を盲信する貴族も時には邪魔になりますわね。クリスタ様が王妃になるのに反対した貴族達が、私との縁談を先代からの約束だと持ち出し、交易の為だといってくるなんて』

『其方には悪い事をしたな。尊き血と騒ぐ貴族などは、これから少しずつだが抑えて行くつもりではあるが、今すぐには難しい』

『いいえ、仕方ありませんわ。一朝一夕でどうにか出来る問題ではありませんもの。でも、困りましたね。レオナルドの血は、濃すぎるのです。今まで、公妾の子が後継者になり得なかった事から、どんどん血が濃くなっていったのでしょう。理由もなく、あれの体は弱く寿命が短い。……いっその事、生まれてこなければ良かったのに』

『それは言うな、エリヴィアよ。してお前の見立てでは、子供のうちに死ぬことはないというのだな』

『はい、ですが成人以降はもう一度診察してみませんと。ただ、…王家の血筋は短命もしくは何らかの病気か精神的に疾患が現れやすいと考えて、間違いないでしょう』

『近親婚を繰り返した弊害ともいうべきね。…レオナルドの婚約者であるルチアーナと本当に結ばれたとしたら、どんな子供が生まれるか考えるだけでも恐ろしいわ』


 話の内容から、僕は長生き出来なくて、望まれて生まれてきたわけじゃなくて、そして。

 父様達の様子を凝視していた僕は、話している事は本当なのかとカラに聞いた。本当に僕は、この人達が話しているように、長生きできないのかと。

「ヒヒヒ、可愛いレオナルド。寿命なんてものは、あってないようなものさ。俺様の力を以ってさえすれば、お前は不老不死だって手に入るんだぜ。そうだ、三つ目の願い事をそれに…」

 カラの答えは、父様達の話を肯定しているようなものだった。

 僕の出来があまり良くないから、父様や母様から疎まれているのかと思ってた。だから頑張ってジェラルド兄様くらい優秀になれば、二人はきっと僕の事を認めてくれる筈。そうしたら、母様は前のように優しい母様に戻ってくれて、父様は絵本で見た親子のように頭をなでてくれるんじゃないかと、そう思っていたのに。


 カラの描いた円の中で、三人は口々にジェラルドを王にする為の話をしていた。僕がいつ死んでも良いように。ジェラルド兄様にも、王族としての教育を施すように。


 この話を聞いた直後は、僕は父様に殺されてしまうのではないかと、とても怯えた。カラの幻覚で大怪我をした時、父は喜びもしなかったが悲しみもしなかったのを見て、僕はようやく理解したのだ。

 父の大事なもののなかに、僕は入っていない。僕が生きているのならそれで良し、だが味方をするわけでもなく、陥れることもなく。ただただ、無関心だという事を。


 僕はその時、父様に期待するのをやめた。そして父様がそうなら、僕も無関心でいようと思った。けれど父様は、ジェラルド兄様を王にしたいと思う考えをなくすことはなかったようだ。それを確信したのは、僕が学園に入学してもなお、ジェラルド兄様が離宮を出る事がなかったからだ。このままずっと手元に引き留めておいて、僕が死ぬのをじっくりと待っているかのようにも思えた。

 ジェラルド兄様が養子に出る時、そして王宮に呼び出されたとき。父様とジェラルドの話を覗き見て、僕は笑った。ああ本当にこの人は、僕の事など何一つ想ってくれた事などなかったのだなと、可笑しくて堪らなかったけれど。


 ともかく僕は母様の偽物が死んで、残った血縁者が父様だけとなったとき思ったのだ。

 僕が王にならず、ジェラルドが王になる未来を、受け入れるわけにはいかないと。だって、僕はこんなにも頑張ってきたというのに、切り捨てられてしまうんだ。そんなの許せるわけがない。






 公爵令嬢の悲劇とされた事件は、沢山の目撃者がいた為に内密に処理する事が出来ず、王太子を庇った婚約者の悲劇として国中に知れ渡った。犯人である公妾のクリスタは心を病んでおり数日前に生家に戻されていたが、王太子を殺す為に王宮に忍び込んだそうだ。いいや、クリスタは僕の事を母エリヴィアと間違え、愛しい人を私から奪う気かと錯乱していた。なので彼女は捕らえられてすぐに、毒杯を飲まされ眠るように死んだ。この事で王は激しく落ち込み、一時は政務をこなす事も困難となっていたそうだ。


 そうして僕は、婚約者を殺された悲劇の王太子として、国中から同情されたわけだ。


 別にルチアーナを殺そうと思ったわけじゃない。彼女にあの時話したように、結婚しても性行為などは一切せず、将来的にはジェラルド兄様の子供を養子に貰えれば良いと、本気で考えていた。まあルチアーナがどう思うかは別としてね。

 僕は僕がやられた事以上の事をルチアーナにする気はなかった。だから彼女の味方をなくして、孤独でひとりぼっちで王宮に来て貰えるようにしたんだ。だってそうしなきゃ、僕と同じ状況からスタートしなきゃ、フェアじゃないだろう。ルチアーナには元いた世界の知識というものがあるから、僕にカラが居るのと変わらないだろうし、彼女は天才だったから、もしかしたら僕なんかより王宮でもっともっと活躍するかもしれない。これで逃げ出すというのなら、ジェラルド兄様に宥め賺してもらうしかない、なんて思っていたのだけどね。


 クリスタが僕を狙っていたのは知っていたので、即死を防ぐ魔法道具を身に付けて、これを機にクリスタとジェラルド兄様を王にと煩い一派をどうにかしようかとアンナと話していたのだ。だから本当に、ルチアーナが刺されたのは偶然だった。


 でもルチアーナもこれで満足じゃないかな。だって彼女は、断罪されて処刑されるのは嫌だったから、色々とやっていたわけだ。そして僕は婚約破棄されて評判が地に落ちてしまうのが嫌で、ルチアーナは僕と結婚したくはなくて。

 ルチアーナは婚約者を庇った悲劇の令嬢、身を挺して王子を守った健気な娘、そんな肩書きと共に断罪される事もなく名誉が授けられた。僕は僕で、婚約者を亡くしてしまった王子として、同情される事はあっても評判が落ちる事もない。お互いに良いこと尽くめだったねと、カラの腹の中に居るであろうルチアーナに心からの感謝を捧げた。


「私としては、あの事件すらすべてレオさんの手で転がされていたんじゃないかと、そう思ってしまいます」


 ふうと息をついたのは、淡い藤色のドレスを身に纏ったアンナだった。彼女の髪にはキラキラと光る飾りは付けられているものの、全体的には落ち着いた印象である。まあ花嫁の介添人としてこの場にいるのだから、当たり前といえば当たり前か。それでもいつもより綺麗だよと言うと、アンナは頬を染めてもじもじとしている。こういった所は変わらず可愛らしい。

「介添人といえど、肝心の花嫁の準備が出来るまでは、やる事もないのですね」

「まあね、僕も似たようなものだもの。でも良かったね。花嫁と特別親しい友人であるから、君は介添人としてこの式典に参加できたのだから」

「ふふふ、王太子の熱烈なまでの後押しが効いたのではないですか。普通なら許される筈ありませんもの」

「普通ならね。でも肝心の花嫁が、貴族に養女となったとはいえ庶民出身の田舎娘だから、公妾が堂々と式典に参加しているんじゃないかな」

「まあ、意地悪な言い方ですね。王太子妃、未来の王妃ですのに」

 僕とアンナは顔を見合わせて、くすりと笑った。そう、今日は国を挙げての一大式典の日、まあつまりは僕の結婚式なわけだ。僕の母が嫁いで来たときもそれなりにお祭り騒ぎだったみたいだけど、その時以上に国民は浮かれているのは確かだろう。なんといっても、王太子の相手というのが、元はただの町娘であるリリーディアだからだ。洪水で住んでいた街から離れ、救済院のお世話になるまでだった少女が、貴族の養女になり一国の王子に見初められるだなんて、夢が広がる物語のような出来事だ。

 リリーディアは学園を卒業後、婚約者を失って落ち込む僕を献身的に支え、さらには王都の救済院と孤児院の制度を整える事に尽力し、その功績は誰もが認めるほどだった。僕というか彼女はアンナと会う為に離宮にやってきていたわけで、僕とはほとんど仕事の事しか話してないけどね。

「そう見えるように振る舞ったのは、レオさんじゃないですか」

「アンナも分かってやってたじゃないか」

 さり気なく外堀を埋め、リリーディアに四六時中アンナと一緒に居られる仕事があるよと言えば、やりますと言ったので、アンナと二人手を取り合って喜んだものだ。

 僕とリリーディアの結婚は、当然の如く反対する貴族も居た。何せロドリ家の令嬢とはいえ、出自はただの庶民だ。王家の血にそのような者の血を入れるのかと言う貴族がいたけど、それを黙らせたのは意外にも父様だった。いいや意外じゃないか。

 王家の血筋の濃さを気にしていた父様だもの。ここでまったく関係ない者の血が入ることは、大歓迎だろう。もしかしたら僕が早々に死ぬから、ルチアーナ亡き今では相手は誰でも良いとでも思っているのかも。後ろ盾のない王太子妃か王妃なら、簡単に御せるとでも思っているのかもしれないし、そうでないかもしれない。でもこの状況は、父が望んだものではないことであるのは確かだ。


『ヒヒヒ、花嫁の登場だぜ、可愛いレオナルド』


 相変わらず僕の肩に乗っているカラが声を掛けてきた。言われるがまま視線を向ければ、花嫁衣装を身に纏うリリーディアの姿があった。

「まあ、なんて素敵なんでしょう!」

 アンナが感嘆の声をあげてリリーディアをうっとりと見つめている。そして僕とリリーディアを見比べて、きっと二人の事は物語になりますわねと顔を赤らめていた。

「……私は意地悪な愛人役で綴られそうですけど」

「そんな事ないわ、アンナ。アンナもとっても綺麗ですもの。王子と結ばれなかった上に、公式の場で辱められる健気な令嬢ってなるかもしれないわよ」

 どっちも女の子が好きそうなお話だよね。

「どうだい、リリーディア。念願の花嫁衣装は」

「……国で一番の花嫁衣装が着れるなんて、私ってとんでもない幸せ者ですよね、レオさん。まさか、アンナと居られるお仕事ってのが、王太子妃だなんて思ってもみませんでした」

 どこか遠い目をしているリリーディアに、年齢的に結婚するのはちょうど良いじゃないかと言えば、知ってますからねとキッと睨まれた。

「私宛の縁談、潰してたでしょう!」

 リリーディアが学園を卒業してもう三年。婚約者もいないとなると、年齢的に良い条件のお相手を見つけるのは、なかなか厳しくなる年頃でもある。

「うーん、それは僕じゃなくてアンナかな」

「実行犯はレオさんで、裏で操っていたのは私ですね」

 私達の事を理解してくださる方とじゃないと結婚はしたくないでしょうとアンナが言えば、リリーディアはその通りだけどと引き下がった。

「あの、それで…私ってレオさんと結婚しちゃうんですよね」

「うん、そうだね」

 というかお互い書類にサインして王が判を押しているから、事実上は既に夫婦である。

「それってつまり…」

 いつになくもじもじとして顔を赤らめているリリーディアに、僕はにっこりと微笑んだ。

「前にも話したとおり、リリーディアには僕の子供をたくさん産んでもらいたいな」

「は、はい、それはアンナさんと相談して承知の上での事なんですけど…。こ、子供を作るってことは……」

 ああそのことかと、僕はアンナと顔を見合わせて頷いた。

「大丈夫ですよ、リリィ。子作りというのは、良き種、良き苗床、そして温度とタイミングで決まるのです。まぐわいだけが、子供を作る方法ではないのですから」

「へっ? えっ?」

「今夜、私が手取り足取り教えてあげますよ。ねえレオさん」

「そうだね。アンナの知識と技術があれば、安心だね、リリーディア」

 ちなみに君の寝室とアンナの離宮の部屋は、隠し通路で繋がっていると言えば、リリーディアの顔が赤くなった。

「私は苗床を万全な状態に耕す人ですわ」

「ははは、僕は種を蒔く人だね」

 更に顔を赤くするリリーディアに僕とアンナが笑っていると、カラがじゃあ俺様は種をより良く育てる役目だなと飛び跳ねている。何だか今日は、カラも浮かれているように見えた。



「さて、そろそろ時間みたいだ。リリーディア、君って大人気だから、とにかく笑顔で手を振っているといいよ」

 僕が手を差し出すと、リリーディアは頷いて手を重ねてきた。

 そうだな、国民はきっと今日この日の事をずっと覚えていて、リリーディアの事を後世に伝えていくんだろうな。元庶民が王妃にまで上り詰めた話だ。そこに僕という王様は何一つ残らないだろうけどね。僕だけじゃなくてアンナも、カルロやアルバーノの事だって、歴史には残らないだろう。


 でも、これで良い。 


 だってこれこそが、僕が掴み取った未来というものなのだから。


『さあさあレオナルド、次は王宮内で色々と楽しくやろうぜ。ヒヒヒ、王太子妃が手腕を振るえるように、王妃としてやっていけるように、ちょっとしたスパイスを残して下拵えの始まりだ』


 僕はカラの言葉に頷くと、楽しみはまだまだ続くよねと微笑んだ。
































「……もう長くはありません。たとえ今夜、なんとか持ち直したとしても、年明けまで持つかどうか」

「いまだ王太子は成人していないというのに、なんという事だ」

「残されるのは王妃のみか」

「これは良い機会なのでは? あのような女に大きな顔をされるのは……」


 まったく、話をするのは良いけれど、僕に聞こえるような場所でするのはどうかと思うよ。

 僕の表情を見てなんとなく察したのか、アンナが苦笑していた。もちろんリリーディアもだ。二人とも、今日は朝から僕の側に付いていてくれている。

「……レオさんが、私達に公務を手伝わせていたのは、この日の為だったのですね」

 おやバレてしまったか。王の執務室に公妾や王妃がやたらと出入りする事に、政務官などはあまり良い顔をしなかった。けれども王妃が我が物顔で執務をする事に段々と慣れていき、今では僕がいなくともリリーディアだけで内容はほぼ理解できるまでになった。

 ソナリス大公には改めて王妃の後ろ盾になるよう約束させ、心身供に平伏すようにもしたし、騎士団をまとめる立場であるカルロもまた、王妃の力になるだろう。リリーディアの父ピエトロは宰相の座を引退しているが、養子にでた息子であるセルジュが手腕を振るっている。

 まあリリーディアの能力なら、きっと乗り切ってみせるだろうから、あまり心配はしてないけどね。

 アンナが僕の手を握りながら泣きそうな顔をしているから、お詫びに一つプレゼントを贈ろう。公妾は王が死ぬと王宮から出されてしまうから、僕が生きているうちにアンナ名義にしておかなきゃいけない。まあそれも色々と煩く言われるから、あの手この手で僕から直接譲渡したという事実は消したけど。

 こそりと、アンナの耳元で内緒話をするように言葉を紡ぐ。

 バルバード領に屋敷を一つ用意した。そこをアンナにあげよう。リリーディアの生まれ故郷で、避暑地として僕とリリーディアの子供達もそこで過ごしているお気に入りの場所だ。王宮から出されても、そこでならリリーディアと会えるだろう。

「……まったく、貴方という人は。私は貴方に出会えて本当に幸運でしたわ」

「それは私も同じです。でも沢山の幸運を下さるけれど、それ以上の大変な苦労をこれでもかとくれる、中々に厳しい方ですよね」

 アンナとリリーディアが顔を見合わせ笑っている。学園の頃からの付き合いだけど、やはり気心が知れる相手というのは良いものだ。僕も声をあげて笑ったつもりだったけれど、口からはひゅうという呼吸音が漏れただけだった。

「少しお眠り下さい。…疲れたでしょう」

 リリーディアに言われるがまま、僕は目を瞑る。自分で思っていたよりも疲れていたらしいく、体がとても重かった。


 三十半ばを過ぎた頃から、体が酷く疲れるようになって、床に伏せる事が多くなった。それでも誤魔化しながらやってきたものの、僕は四十を越える事は出来なさそうである。だいたいこの国の人間は六十歳前後まで生きるから、なかなか若くして死ぬようだ。まあそれでも、王として権力をふるって十数年。

 長くは生きれないと言われたわりには、頑張った方だろう。


 可も無く不可も無く、それが僕の政だったけど。国民生活は平和そのものだっただろう。それらはジェラルドが王になっていれば、もっと変わったかもしれない。でも間違いなく僕は国に十数年ほど平穏をもたらしたわけだ。


 これは父が望まなかった未来だ。お前達が望まなかった未来だ。


 そう考えるだけで、笑いがこみ上げてくる。お前達の望む未来になど、してやるものか。


 僕が死ぬ前も。死んだ後もだ。

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