表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

プロローグ それぞれの意思

  ーー何か面白そうなことが起きないかな。

  平穏な街を眺めながら俺はいつも思ってた。


  でも今は違う。

  そんなことを考えるより明日生き抜く術を考える方が何倍も楽しい世界になった。


  ーー力がもっと評価される世界にならないかな

  そう思いながらも私は次の大会のために剣を振る。


  でも今は違う。

  明確な敵ができ金よりも力が価値ある世界になった。


  ーーゲームの世界に入りたいな

  僕はそう願いながらもコントローラーでキャラクターを操作する。


  でも今は違う。

  僕自身がキャラクターになって敵を滅多打ちにできる世界になった。


 ーー勉強が必要ない世の中にならないかな

  私はそう心の内に秘めながら、ペンを取りテストに取り組む。


  でも今は違う。

  公式なんか使わなくても100点以上の評価と成績を残せる世界になった。


  ーーもっとおもろいこと起きればええのにな

  そんなこと起きへんやろなと、ウチは思いつつ新喜劇を見ている。


  でも今はちゃう。

  TVの中みたいなことが起き、毎日のようにヒューマンドラマみたいな事が起きる世界になった。


  ーーパパとママの喧嘩しなくならないかな

  葉月はそう思いながらも何もできずに、ただ丸まっていた。


  でも今は違う。

  パパとママは仲良しになってくれて、優しいお兄さんお姉さんがいてくれる世界になった。


  ーーもっと勝負に真面目なチームだったら良かったのに

  それを胸の内にに秘めて俺は、サッカーボールを高く蹴り上げる。


 でも今は違う。

  全ての勝負に真剣な、頼れる仲間がいる世界になった。


  前の世界を希望に満ち溢れた世界と言うなら構わない。俺たちは絶望の世界で十分だ。


  俺も……

  私も……

  僕も……

  私も……

  ウチも……

  葉月も……

  俺も……


『この世界が大好きだ』


 


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ