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5人で世界を渡ります。  作者: 亜莉種
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選択6.5 影が薄いわけじゃない(番外編)

この話は選択6と選択7の間の番外編です。

と言うよりは、本文に載せられなかった部分です。

リズ一行の前に現れた三人組はノンの一言で真っ白に石化して固まってしまった。

ニーチェが近づき男達の体を叩いてみた。

コンコンと響きのいい音が鳴るが男達は微塵も動かなかった。


「…固まってるね」


確認したニーチェが報告。

しかし、面倒事は回避出来たが三人がノンの言葉を間に受け村に行くかもしれない。

皆でどうしたものかと話していた。

するとノンが何やら男達を漁っていた。


「何してるのノン?」


ナイの言葉にうーんちょっとねと曖昧な返事をしながら漁っているとお目当ての物あったのかそれを全員に見せる。

ノンが持っていたのはロープだった。

そしてそれをおもむろにワッチに渡す。


「はい、よろしく」

「…何で私なの…」

「えっ、だって専門でしょ」

「違うから!絶対違うから!」


即座にノンの言葉を否定するワッチと後ろでヒソヒソとリズがニーチェに何やら話しニーチェは苦笑していた。

それを見たワッチはおいそこ!と怒鳴った。

その口調は何時ものワッチではなくよく、怒った時だけ出る口調だったそうだ。


「まあまあ落ち着いて…相変わらずノンはSだね」


そう言うナイだが言われた本人はえっそう?とニコニコしながら返していた。

それにナイはため息が出る。

元いた世界でもリズとノンはよくワッチをからかっていたのを思い出していたナイ。


「とりあえず適当な木に縛ろう」


リズ一行は近くにあったちょうどいい大きさの木の下まで男達を連れて行くと、いや正確には引きずって行くと三人を気の幹に縛り上げた。

そしてナイはリズの方へと向く、向かれた本人は何?と首を傾ける。


「で、リズ。何でリンゴ持ってるの」


ナイの質問は少し前にも言ったがその時はそこにいる男達に邪魔をされ明白な答えが聞けなかった。

だが、今は何の邪魔もない。


「村で買った」


答えは単純。

リズの手には少し大き目な紙袋に多分全てリンゴなのか赤い色がチラッと見えていた。

答えが単純でもそもそも、いつからそんな物を手に入れたのかがナイ達は気になっていた。

村で買ったと言ったがそんな隙があっただろうか。


「いつ買ったの?」


ニーチェが今一番皆が気になっている質問をリズにぶつける。

リズはうーんとねぇと考える仕草を見せつつ返答した。


「皆が目標考えている時」

(あの時か…‼︎)


確かに今後の目標を決める時それぞれ村人に話を聞いたりして他の人がなにをやっていたのかは全てはわからない。

それはいいとして、もう一つ疑問が残った。


「お金はどうしたの?」


この世界に来て右も左もわからないリズ達はもちろんこの世界のルールやお金だって分からないし持ってもいなかった。

まさか、泥棒⁉︎と焦ったが直ぐ別の意味で打ち消された。


「モンスターから出てきた」

『…え?』


リズがゴソゴソと取り出したのは丸い金色のコインだった。

ナイがおもむろにそれを取ると確かにお金だった。

その証拠に黒い背景に白い文字でナイの所持金1Gとなっていた。

あっ、お金減ったと小言が聞こえるが。

どうやらワッチがモンスターを倒した後を見ると金色に光る物が落ちていて拾って見るとさっきのナイと同じ現象が起こり、自分が無双をしている時も出て来たから拾ったらしい。


「何で早く言わないかなぁ…って最初のお金私のじゃん!」


ネコババかとワッチが言えばリズが頬を膨らませ落ちてたから拾っただけと返す。

確かにそれは言い返せないが言ってくれてもいいじゃんと小さな声で言った。


「まぁとりあえずお腹すいたから頂戴」


ノンが腕を伸ばすとどうぞとリズがリンゴを差し出す。

他の三人もノンに習いリンゴを一つ口に含む。

静かな道の脇で座り少女五人のランチが始まった。

その後リンゴが三つ余ったそうだ。

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