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5人で世界を渡ります。  作者: 亜莉種
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選択6 やっぱり出てくるもんなんです

「ねぇ、リズ。目標は決まったけどこれからどうする?」


これからの目標を決めたリズ一行はナイの一言から決めていなかったと、地面に地図を置き囲む様に座って皆で知恵を絞り出していた。

しかし、三人寄れば文殊の知恵とはどこに行ったのかまだ答えは出ずじまい。


「村長。何か楽しいことないの?」


リズは今だマットの上に伏せている村長に話しかけた。

話題を提供するように言われた村長も頭を捻るばかり。

すると突然、思い出したかの様に頭を上げ、実はのぅと言う村長の話に全員が聴きいる。


「この村から少し行った所に火の山があるんじゃ」

「火の山?」

「そうじゃ、そこは絶対に消える事なく燃え続けるそうじゃ」


村長が指差す方に全員の目線が行く。

その先の空は確かに少し灰色に染まり天気が悪いのが見てとれた。

全員がお互いの顔を見て一つ頷き立ち上がった。


「じゃが、その山には噂があってのぅ…って人の話を聞いておるのか⁈」


村長が見た時には立ち上がった五人は準備運動をしたり地図を見てルートを確認したりと誰も話を聞く人はいなかった。


「よし!じゃあ行くか。村長お世話になりました」


リズは村長に礼を言うと周りの皆が軽くお辞儀をして歩いて行った。

取り残された村長は返事をすることしか出来ず、ポカーンとその場に佇んでいた。


数刻後



火の山を目指し歩いていたリズ一行は、もうチッサ村から随分離れた所にいた。

だが空を見れば灰色の空が近くまで来ていた。

しかし、疲労のせいか皆口数が減りあまり喋らなくなっていた。

そのため聴こえてくるのは地面を歩く音とシャリシャリとゆう音だけ…


「…何してるのリズ」


あまりの不思議な音にナイが振り向く。

呆れた目線で見た先には赤い果実を頬張るリズ。

口に物を入れながら返事をしようとしたその時。


「待て!」


リズ一行の前に三人組の男が行く手を阻む様に出てきた。

三人の姿は同じ様な服装で腰に短剣を付け明らかに普通の人では無いふいんきを醸し出していた。


「お前達身ぐるみ全部おいて行ってもらおう!」


三人の中でリーダーらしき男がそう言うが…


「何で一人で食べてるの⁉︎とゆうより何処で手に入れた!」

「おほほのふらへ…」

「いや、何言ってるか分からないし」


リズ達は男の言葉を綺麗に無視し、三人組そっちのけでリズが食べていた果実についての抗議が行われていた。

なんで持っているのかと言う言葉が飛び交い誰も三人組事態に気づく者はいなかった。


「おい!聞けよ!」


男の叫び声にようやく気がついた五人は三人組に向き直る。

男は持ち直し得意げに息を吐く。


「ようやく気付いたか。さぁ!金目の物置いて行ってもらおう」


一瞬の間

男が短剣をちらつかせながら早くしなと急かす。

シャリシャリと果実を頬張っていたリズはそれを飲み込むと口を開いた。


「…ねぇ、この場合どうするの?」


リズは隣にいたワッチに聞く。

ワッチも戸惑いながら小さい声で適当でいいからと返す。

しかし、そんなんでいいの?とリズも返し三人組をまたも無視して五人だけの会話が始まった。

そんな光景を唖然として見る三人、それが男の怒りに火を付けた。


「おい!お前ら俺たちの邪魔をしたと思えば今度は無視とはいい度胸だな!」


俺たちの邪魔と言う言葉に疑問を持った五人が三人の方に向きリズが邪魔?と疑問符を浮かべれば男はそうだ!と返す。

男は体を震わせながらこれまでの事を話し始めた。


「俺たちはなぁ!あの村でモンスター討伐の依頼があったから討伐してお礼をお前達が貰った以上の謝礼を貰う予定だった!なのにお前らは…」


その先は怒りで声が震え何を言っているのか分からないが、どうやらこの男達は村人から金を巻き上げるつもりだったがリズ達に邪魔されたと言いたいらしい。

他の男達もどうしてくれるとばかり言っていて話した男は涙を流すばかり。

これには流石に呆れるリズ一行。

そんな男達にノンが一言、言い放つ。


「モンスター退治なんかしないで普通に村人から巻き上げればいいのに」


一瞬、時が止まった


『ああああぁぁ‼︎』


ノンの言葉に白くなった男達の叫び声にリズ一行はただ呆れた目線を送るばかり。

そして同時にバカな人達とまで思ったそうだ。

リズ一行が火の山に着くまでまだまだ先になりそうだ。



道行く先の困難は

旅の拾い人であり

己を鍛える試練なり



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