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V(ジャンル:ショートショート)
V
なにやら、友人がうなっている。
「食べ過ぎ?」
「なにが?」
「なんか、唸っているから。」
「違う!英語の発音の勉強!」
そういって友人は、本を見せた。
「言語学、発音方法。」
「そう!これをやってるのよ。ぶぅー。あー、これ役に立つのかなぁ。」
「役に立とうとも、そうでなかろうとも、やるのが勉強よ。」
「ビクトリーのV、じゃあ、写真撮るときもそう言えばいいのに!」
「あたしに言わせりゃあ、五の数字だけどね。」
私は、手を広げて見せた。
「あ、勝った。何かおごって。」
私はパー、友人はチョキ。
「ほう!じゃ、ビタミンたくさんの激スッパ飴を。」
「いらない。」
友人は慌てて逃げ出した。




