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指切りげんまん(ジャンル:ショートショート)

 指切りげんまん


「恋、かぁ。」

 私は、お茶を吹きだした。

「なんだって?」

「恋よ?春だしー。いいよねぇ。」

「……いいんじゃない。すれば?」

「でもさぁ、指切りするくらいの恋って怖くない?」

「指切り?って、あの、指切りげんまんのあれ?」

「それ。あなたが一番の人ってことで小指切って送るって、怖くない?」

「まぁ、平均寿命短いからいいけどさ、今みたいに、寿命が長かったらないだろうね。指がないって結構不便だろうし、人目もあるだろうし、送られた方も冷凍保存しておいたとしてもどうしようもないだろうし、指をもらってもねぇ……。昔は止血も大変だろうし、化膿しそうだしねぇ。」

「そこまで考えたの?」

「考えるから、指切りなんてしないのよ。」

「なるほど。」

 友人は、小指をしげしげと見つめる。私は、お茶を入れ直した。


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