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予約待ち (ジャンル:エッセイ)
予約待ち
私は予約待ちをしている。
言葉通り「予約」をしたいのだが、そこの予約は翌日の朝九時からしかしていない。
ひたすら、じっと待つしかないのだ。
九時。
予約の電話をする。
ガチャ。
相手が出た。
「もひもひ?」
「はい、こちら、笹子卯坂歯科です。」
「あのー…。」
「本日は休業日です。」
私は電話を切った。
昨日の夜遅く食べた弁当の魚の骨がのどを引っかいたようで痛い。
ずっと痛くて寝れず。
ずっと朝の九時まで待っていたのに。
カードの裏側でどうして確認しなかったのか。
私は、眠たい目と痛い喉をさすりながら、ほかの近所の歯科を探し始めた。
ほかにどこがあるんだろう……。