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涙色(ジャンル:ショートショート)

 涙色 


「涙色のネックレス、だって。」

 私が持ってきた、広告にクールな友人が言う。

「そういう詩的な表現はどうかと思うわね。」

「だめ?」

「ダメってことはないけど、どうしてそう美化するのかな?あれって、赤くない血液よ?水分とタンパク質よ?号泣した時の涙も鼻水も成分は変わらないわよ。」

「そ、そうなの?」

「それのどこに色があるのよ?ほぼ水分に外景色や太陽の色が反射しているだけでしょう?じゃあ、植物も朝露と一緒じゃない。」

「……かもね。」

「涙がきれい?はっ!笑わせるねぇ。涙は感情緊張の緩和のために出すもんよ。それ以外のなにものでもない!」

「……なにかあったの?」

「別に。振られただけよ。泣ける映画で涙が出ないなんて薄情だって。」

「えええ?そんなことで?」

「いいの。人の苦労では泣けないケド、動物物モノは号泣だから趣味が合わないってことがわかったから。失恋しても泣けないケド、内面的にへこんでいるの。だから、泣けるくらい大笑いできる映画とかない?」

「映画はないケド、アニメはある。」

「よし、借りに行くから、付き合って。」

「わかった。」

私は広告をごみ箱に放り込んだ。


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