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FILE00:プロローグ

これから先、ナレーションが第3者になったり、登場人物になったりしますのでご注意ください。

2015年、1月・・・。


人間共は優雅で、平和で、とても退屈な日々を過ごしている。

半世紀前とは正反対だ。こんな奴らに一時は地球ごと吹き飛ばされる事態になりかかりそうになったなんて、とんだ笑い話だよ全く。




ブツブツと文句を言いながら優作は一人、都心のビルの屋上で寝そべっていた。

とズボンの右ポケットに入れていた優作の携帯が振動音を鳴らし始めた。

すぐさま、優作は携帯を取り出し、電話に出た。

「はい・・・。ああ、チーフ。」

以前に紹介したが彼、優作はGSY、ガーディアンズ・ヤードという特殊機関に所属している。この機関で優作はこの「チーフ」なる人物から任務をもらい、その任務を遂行するといういわゆる「工作員」として働いている。

「ブレイズ、また仕事だ。」

チーフは少々冷たげに言った。

ブレイズ、もとより優作はがっくりと肩を落とした。

「チーフ、頼むから護衛の仕事だけは勘弁してくださいよ。」

ブレイズが文句をたらすのも無理はない。なぜなら彼はこの所、ある人間の護衛という優作には好ましくない仕事ばかりを頼まれており、その回数はのべ15回を超えていたのだ。

「残念ながら今回もそうだ。」

「・・・・・・やれやれ。」

ブレイズは重いため息をついた。

「今から送る写真に写る人間の護衛をして欲しい。期限は明日から1年間。以上だ。」

「ちょ、ちょっと待・・・。」

ブツッ!!

電話は30秒も経たずに切れてしまった。

ブレイズはまた大きくため息をついて冷たい機械音が鳴る携帯電話を切った。

すると、すぐにその携帯にメール受信の表示が出た。

「やれやれ・・・。全く人のことを考えてくれよ。」

ブレイズはぶつくさと文句を言いながらメールに添付されていた写真データを開いた。

そこには、ロングヘアーに少し小さい顔、しかしながら少し無愛想な表情の女性の姿が映っていた。

「何々・・・。」

ブレイズはその写真の女性のデータをずらっと見通した。


名前:守口 藍子

年齢:17歳

性格:誰にも優しくする大和撫子的存在。

特徴:成績優秀、空手部に所属しており実力は全国5位。しかもナイスバディなので、男女を問わず誰からも慕われている。ただし、ひとつだけ誰にも言えない秘密があるとか・・・。

職種:学生(国立日本大学付属第十三高校2年)


優作はすぐに携帯を閉じて右ポケットにしまい、左ポケットに手を突っ込み、タバコを取り出し1本口に加えて火をつけた。そして一息ついて一言。

「・・・どうせ表の顔だろうよ。」

やはり人間を褒めようとはしなかった。

優作はビルの階段の方へと歩いていった。


GSY本部にて・・・


中央管理室の一番上のフロアに葉巻を吹かした一人の男性が少し大きめな回転椅子に座っていた。

その近くにもう1人シャンと立っている男性がいた。

「チーフ・・・。」

その男性はなぜか挙動不審だった。

「なんだね、カルロス君。いつも冷静な君らしくないじゃないか。」

チーフという人物は煙を吹かして言った。

「ブレイズ君にあんな重大な任務を任せていいのでしょうか?」

カルロスと言う人物は顔を歪ませながら、落ち着かない様子で言った。

「なに、心配するな。ああ見えて奴はしっかりやってくれるし・・・。私は彼にはいい経験になると思うがな。」

「そうですか・・・。」

カルロスはそう答えたが、やはり少し納得行かない顔を浮かべていた。

チーフは葉巻を手にもち、煙を吹かして言った。

「・・・まあ・・・、カルロス君の言いたい事は分からんでもない。いや、それ以上に彼はガーディアンではなくなる可能性だってある。今後は注意していかねばな。」

チーフは天井を見つめた。

「・・・、やはり亡くなったブレイズ君の父親の事で・・・。」

「ああ、彼の事もあるからな。」

チーフはそう言うと俯いてしまった。

「では、チーフ。私はこれで・・・」

「ああ・・・。」

カルロスはチーフに一礼するとすぐに背を向けて去っていった。

「・・・。優作、今回だけは何も起こさないでくれよ。」

チーフは葉巻を加えたまま、席を立った。



第1話へ続く・・・

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