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暇つぶしの図書館で、誰かの残した童話をなんとなく読んでみた  作者: あまむら ちとせ


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プロローグ

季節の塔。

そこは四季豊かな国、エリュグランドの季節を司る大切な塔だ。


その塔のフロアで、部屋の片隅に一人の少女が窓辺に立ち、外を眺めていた。


とても美しい少女だった。


肌は透明感のある白さで、大きな瞳を縁取るまつ毛には、微かに銀の粒、よく見ると煌めく氷のかけらが瞬きのたびに揺れている。銀色に輝く長い髪を結い上げ、氷の粒が髪やドレスをキラキラと光らせていた。


少女は、冬を統括するエリュグランドの冬の王女、パールだった。


パールは、悲しそうに瞬きをすると、ため息をついてそばにあるソファに腰を下ろす。

部屋の中央には、光の柱が天に向かって伸びており、その中を沢山の精霊たちが上へ上へ、楽しそうに踊りながら流れていく。


きらきらと輝く氷の粒もまき散らし、ときおり精霊たちの楽しそうな笑い声が響く。


少女は立ち上がると、光の柱まで歩いていき、そっと手をかざしてみる。


小さな可愛らしい冬の精霊たちは、パールの手のもとに集まっては楽しそうに跳ねて踊りだす。


「そろそろ春がくるのに…寒い冬を終わらせなくては…皆が待ち望む、生命が躍動するすばらしい季節に。わかっているけれど。でも、でももう少しだけ…」


少女は、胸の前で手を合わせるとつぶやいた。


「春が来てしまう…その前に、早く、早く帰ってきて」


少女の悲しそうな声に反応するかのように、光の柱の中を飛ぶ精霊たちは手を取り合って大空めがけて飛んでいく。


すると外の吹雪は一層強くなり、沢山の雪がエリュグランドの地に降り注いでいった。

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