表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

resume

「やめて■■!」

気が付いたらその声は聞こえていた。

ぼんやりとした視界の中、高い声が廃墟と化した街の中に響く。

なぜ廃墟にいるのか?そもそもこの呼びかける声の主は誰なのか?

声の主がどんな顔なのか、自分とどういった関係だったのか何も思い出すことはできない。

「■■!ねえ■■!」

先ほどよりも大きな声で聞こえる。

呼ばれているのは自身の名前なのだろうか、そんなことを考えていると視界が暗転する。

意識はある。

ただ上下の間隔がない、まるで水の中を漂っているかのような感覚に陥る。

どれほどの時間をその暗闇で過ごしたのだろうか、気が付くと先ほどの光景とは真逆の真っ白な空間にいた。

俺はあたりを見渡した。

遠く遠くまで続く空間。そこに俺はいた。

そして俺は見つけた。たった一つの椅子を。

俺はその椅子に近づく。

誰も座っていないそれに向かって歩みを進める。

「おい」

どこからか声がすると同時に、俺は地面に伏した。

体が重い。

動かしづらい体に逆らって声の方向へと視線を動かす。

俺は椅子の方に目線を上げると、先ほどまでいなかったはずの真っ黒な人影が椅子の上にいた。

人影は俺を見ていう。

「そろそろ起きろ、そしてさっさと俺を解放しろ」

どういうことか理解が追い付かない。

そう口にしようとしたとき、人影は俺の方を見るなりけだるそうに話し始める。

「あーくそ、あいつのせいか。まあいい、その時が来たら解放してもらうとしよう」

そう吐き捨てると、人影は俺に向けて左手を伸ばす。

手が頭に乗せられ、俺の周囲が明るくなっていく。

「おれはお前だ、名前はソル。お前は目覚めた先で力を身につけろ」

続けて人影は一言を発した。

「神を殺せ──」

   *      *      *

バリバリバリッと言った砕ける音とともに俺は目が覚めた。

先ほどまでの非現実的な世界とはうって変って、今自分がいるのは洞窟だった。

「何だったんだ?今のは...」

先程の体験から俺は、疑問の言葉をこぼす。

確認するように神経を指に集中させ、手を開いたり閉じたりしてみる。

問題なく動く手を見つめたあと、俺は周辺を観察する。

怪しく光る苔の光、薄暗くて先の見えない穴、そして。

「これに包まれていたのか...」

あたりに散らばる水晶を一瞥し、手ごろな大きさのそれを拾い上げる。

それの光は自分の道を指し示すには十分だった。

空洞の中で感じられる空気の流れを頼りに俺は歩みを進めた。

道中俺は冒険家がこの洞窟に足を運んでも退屈しのぎにすらならないだろう、と感じた。

洞窟の中には淡く光るコケとどこから流れ込んできたのかわからない水しかない。

外にたどり着くまでの道のりはさほど危険なものではなかった。

進むにつれてだんだんと温かくなってきた。

動物の鳴く声も聞こえてくる。

俺は手で日光を遮りつつ外に出る。

あたたかな陽光に包まれるこの感覚、ずいぶん久しぶりだ。

外に出てしばらくすると光に目が慣れたのか洞窟の外の光景がよく見えるようになる。

俺はその景色を見て立ち尽くすことしかできなかった。

日の光と周辺の山々、そして窪地に存在する大きな都市。自然と人工物が生み出す景観。

俺はそれに感動を覚えた。

   *      *      *

「ついに彼も目覚めたか…」

白い花畑にいた彼は続けて呟く。

「"神"としての計画を進める時が来たね…」

彼は墓標を後にしてある場所へと向かった。

こんにちは!scilla bluebellです!

今回は僕のトランセンデンスを読んで下さりありがとうございます!

物書きとしては初心者ですがガンバていきたいです!

また今後はあとがきにキャラの細かな設定について触れていければいいなと思います!

それではまた次の物語で!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ