表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/15

第7回 粋な蕎麦飲み

他人の影響を受けやすい私によるエッセイもどき第7回です。

今回は人様の文章に影響を受けて食に走った話をしたいと思います。


私はあまりエッセイなどを読まない人間なのですが、好きな芸能人……というか声優さんに関しては例外的にぽつぽつと読みます。そもそもこの企画が食をテーマにしているのもその方面で食ネタエッセイがあったからです。調べればすぐに出てくると思います。


ではなぜ読もうと思い至るのかといえば、やはりその人の思考や脳内というものを覗いてみたいという気持ちになるからです。こんな素晴らしい仕事をする人は一体日々の物事をどのように捉えているのだろう。どのような思考を脳内に飼っているのだろう。それが気になります。


それと似たような話ですが仕事論みたいなものを読むのも好きです。技術と実力が求められる世界で生き抜いていくためのマインドを知ることは面白くて興味深くて、そして自分の人生の糧にもなるのです。


なぜこういった仕事論に興味を持ったのかは自分でも謎ですが、多分何か生きづらいと思っている自分がいて、生きやすさのヒントを求めているのかもしれません。そういえば私が投稿した作品は大体主人公が生きづらい思いをしていますね。間違いなく作者のせいです。


話が逸れました。

そのエッセイ集を電子書籍で買ったのも、ネット上のインタビューを読んでいて、創作に対する考えの深さが印象的だなあと思って興味を持ったからでした。私も一応創作者の端くれですので。


そうして読破した一冊は小粋なユーモアと繊細な情緒と深い人生考察に満ちた素晴らしいものでした。

これは何度でも読み返したくなる!というわけで私のスマホのKindleに常駐させています。


そして、その中で最も印象に残ったのは(残ってしまったのは)蕎麦飲みの話でした。

簡単にまとめると、昼から蕎麦屋で粋に飲もうとしていたらついつい頼みすぎてしまい、最後には泥酔して店を出る羽目になってしまい全く粋じゃなかった、という小話です。


人生論と関係ないじゃないか、というツッコミはご遠慮いただきたい。

で、それを読んだ私はどう思ったか。


格好良い! 私も蕎麦屋で昼飲みしたい!


……なんと安直でしょう。結局粋じゃなくなったというオチなのに。

まあ私はアルコールは飲めないので酔うことはありませんし、胃もそこまで大きくはありません。

この方のような失態は犯さないだろうという自信がありました。


そうして即日ネットで検索し、家の近くに美味しそうな蕎麦屋を発見しました。

Googleのレビューよし、食べログの評価もよし、ホームページも確認。


そうして初めて一人で入った昼の蕎麦屋は声がよく通る大将と元気なスタッフさんが営む活気溢れる一軒でした。


そういえば今まで蕎麦屋に入る時は大抵家族か友人がいたので、こうして一人で入るのは初めてかも。

最初は緊張しますがメニューを眺めて思考しているうちにそれも解けていき、無事に注文も入れれば一旦落ち着きます。


店内の装飾などを眺めて待っていればおつまみと飲み物の到着。

お洒落なポン酢仕立てのサラダにオレンジジュース! そう、このお店はソフトドリンクでジュースを置いてくれているのです!


お酒が飲めない私にとって嗜好品の飲料といえばジュース。

その極致たるオレンジジュースと共におつまみを頂ける、これは最高です。

オレンジ色の液体が注がれたカップにちびちびと口を付けながらサラダをつまんでいきます。


十分後にはいよいよメインディッシュたるお蕎麦の到着。

こちらも歯ごたえよし、風味よし、ビジュアルよしの三拍子揃った見事な一品。

蕎麦、サラダ、オレンジジュースで美しいトライアングルの完成です。食べる、飲む、また食べる。


そうこうしているうちにお皿もカップもすっかり空になります。

完食。蕎麦屋で昼飲み最高。お腹も心も満たされて店を出ました。


で、この店は今も利用するお気に入りの店として私の脳内飯屋データベースに掲載されています。お高いのであまり頻繁には行けませんが。


こうして無事に粋な昼飲みが出来るようになった私、大人への階段登っちゃった!と大喜びしたわけですが。


冷静に考えるとアルコール飲めてない時点で子供なんですよね。


…………


全然格好良くなかった。がっくり。

ではまた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ