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第18回 ブームは過ぎるからブーム

哲学的な題を付けたエッセイもどき第18回です。

大学で哲学の講義を受けたことがあるようなないようなあるかもしれないようなでもやっぱり違うような気がします。要するにさほど哲学への馴染みはありません。


ブーム、いろんなものにありますよね。

たぶんマスメディアなるものを追っていれば相応に目にするのでしょうけど、テレビもラジオもネットニュースもSNSも見ない私からすると基本的に縁はありません。なのでブームという言葉は総じて自分の中で巻き起こっている熱狂的な人気を指すことになります。


熱狂的な人気、良い響きですね。

その裏には母数が増えたことによる民度の低下だとかそれを模した低クオリティな物品・サービスの出現など様々なマイナス面はありますが大雑把に言えば喜ばしいことです。


ただ、今回のタイトルの通りブームは過ぎるからブームなのです。

あくまで一時的なものなのです。


そういえば昔はタピオカが持て囃されていましたが今は影も形もありませんし、最寄り駅にあったタピオカ専門店は予想通り潰れました。その陰ではタピオカブームに乗せられてビジネスを検討したものの形になる前にブームが終わって努力虚しく霧散というパターンもさぞあったのでしょう。


で、それに違わず私の中で巻き起こったブームもあっさりと収束してきました。

というかブームが永続的に続いたらそれはもはやブームではなく恒久的な人気と呼んでよいでしょう。一時的であることこそがブームのアイデンティティ。


というわけで私の中で特撮の演出の如く爆発四散したブームの跡形をご紹介します。



まずはホテルの朝食ビュッフェブーム。

これは夢があって最高ですね。このエッセイの第9回でもホテルニューオータニの朝食を話題にしましたが、あの後も結構行ってました。休日の朝に早起きして電車に揺られてホテルへ、そして安くない金を払って豪遊すると。


美味しいし、幸せだし、それはそれで良かったんですがある日ブームは収束しました。

そう、食べ過ぎで体重計に乗った時の数字が大変なことになっていたからです。思わず青褪めましたね、ええ。まあ私は比較的細身な方なので致命的にヤバいわけではなかったんですが、このままだとお腹がタヌキになってしまうという恐怖は非常によく働きました。そして朝食ビュッフェには行かなくなりました。……まあ今後行くとしても年1回とか2回じゃないですかね!



続いてつけ麺ブーム。

これは発端がありまして、地元にすごく自分好みで美味しいつけ麺屋があるんですが、それと似た味を普段の居住地でも食べたい!という一心でつけ麺屋をリサーチして色々行ったのです。


大きく外れることもなく、かといってぶっ刺さりというわけでもなく、の日々を続けて1ヶ月ほど。ただ5軒目くらいで思いました。つけ麺食べ続けて飽きたなあと。そしてつけ麺って結構カロリーやばいしダイエットには向かないのではと気付きました。そしてブームは終わりました。



今度はベーカリーブーム。

スーパーに売ってるパンじゃなくて、パン屋さんの美味しいパンが食べたい! サクサクのクロワッサンとデニッシュが食べたい! そんなことを急に思いました。多分ホテルビュッフェのパンの味が恋しくなったんでしょうね。そして近所のパン屋を漁りました。


ただ、やっぱりパン屋さんはお高いし、昼頃に行かないと欲しい商品が売り切れになると気付いてハードルが上がり、割とすぐにブームは終了しました。冷静に考えたらその日中に売り切らないとまずいから夕方行っても在庫少ないんですよね。当たり前だけどその通りだわ。



最後にスープカレーブーム。

これは初めて食べたスープカレーがすんごく美味しくて他の店も行くぞ!と意気込んでわくわくと検索していたのですが、2軒目であっさり終わりました。なんでや。


理由は簡単。辛さの苦手な私は甘口じゃないと美味しく食べられないことに気付いたからです。本当にダメなんですよ。バーモントカレーも甘口じゃないと無理。なんなら甘口でもちょっと辛い。

で、2軒目の店は中辛しか置いてなくて食べながら苦痛に呻いたと。自分から金払って苦しむってマゾなのかな?


というわけで甘口を出してくれる1軒目の店だけに通うようになりました。




後半に行くほどあっさり収束してて自分の飽き性っぷりに乾いた笑いが出ます。

今後もブームが来たら同じような運命を辿るのかと思うと残酷ですが、まあ人間は愚かな生き物なので仕方ないのかも、と無理やりオチをつけます。


ではまた。

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