第16回 お酒を飲むところ
ソフトドリンク愛好家がぼちぼち書いているエッセイもどき、第16回です。
ソフトドリンクが好きな理由は単純にアルコールが飲めない体質だからというのもありますが、比較的甘めだったり爽やか系だったり飲みやすいものが好きという理由もあると思います。
ジュース系は一部酸っぱいものもあったりしますが、基本的には甘さという方向に寄っているものです。
グレープフルーツとかが酸っぱい例でしょうか。そういえば甘さと酸っぱさのバランスは出しているお店に寄って違う側面もありますよね。この店のは甘さが強くて、あっちの店は酸っぱさが強いとか。
私は基本酸っぱすぎなければぐびぐび飲めます。
お茶も色々種類はありますがどれも一概に飲み口が柔らかいと思います。渋すぎる緑茶、とかは流石にお店では出てきませんし。
他にもちょっと珍しいタイプのお茶とかもありますよね。コーン茶とかは居酒屋で気になって注文してみたら美味しくて驚きました。あのとうもろこしの甘さがほんのり漂ってきて幸せなんですよね。
最近ではペットボトルでコーン茶を製造しているメーカーもあるとか。普段通ってるお店では観測できないんですけど、たぶん価格層高めのスーパーに行けばあるのでしょう。
あとは清涼飲料水系統。代表すべきはやはりカルピス。
なんなんでしょうね。普段ペットボトルで飲んでる時はそこまで感じないのに、お店で氷入りのグラスに注がれて出てくる時のあの美味しさと多幸感は。やばい物質でも入っているのかと勘繰りたくなります。
そんな風にソフトドリンクを飲むばかりでアルコールには手を付けず、人と食事をする席でも周囲がアルコールを注文しているのを横目に眺めているだけの私ですが、ふとしたきっかけでお酒を飲むところへ行くことになりました。具体的にはブリティッシュパブというやつです。
居酒屋とかは経験したことあるけど、パブってなんなんだ!?
日本語で似た単語を探すなら酒場?といった感じで、賑やかで陽気でビールやウイスキーがいい感じに行き交っているところという印象でした。外国が舞台のアニメに出てくる酒場というか。ブラックラグーンは流石に言い過ぎか。
そんなイメージを持ちつつ、事前にお店のホームページなどを確認して突撃に備えます。
ふむふむ美味しそうなフードも出てくるのか。なんだか豪快というかサイズ感が大きい気もします。それはアメリカンかも?
そして大量のアルコールに紛れて一番最後にソフトドリンクも存在していました。
そういうわけで、何も飲むものがないという最悪の事態を回避できたので当日は安心してお店へ。
知人と合流していざ店内に入って見るとそれはまあ賑やか! 店員さんもハキハキとして活気がありますし、お客さんは楽しそうに会話を繰り広げています。そしてスポーツチャンネルの放映もあって、いわゆるスポーツバー的な雰囲気も兼ね備えていました。
早速メニューを眺めて注文内容を決めるわけですが、とにかくビールの存在感が大きい。
一番最初に載ってるのはビール、カウンターに並んでいるのもビール瓶。しかも居酒屋でよく見る日本のビールじゃなくて海外のお洒落なやつ。このインパクトが一番大きかった。
注文すると店員さんが何やらグラスを構えてカウンターの上部へと近づきます。
えっ、何するの?と思っていたらビール瓶が逆さまに吊られていて、レバーを引くとそこから注がれるという仕組み。何かのパフォーマンスを見ている気分になってそれだけで楽しい。
ビール瓶がむき出しで吊り下げられているから、色んな形やデザインの瓶がずらっと並んでいて壮観でした。ブリティッシュパブ、怖かったけど面白いところじゃん。
そして運ばれてきたのはフィッシュ&チップス! なんとなくまずいというネット上の偏見が脳の片隅に棲み付いていましたが、フィッシュの方は黄金色の衣を纏ってあつあつほかほか、厚みも十分で口の中に放り込むと満足感が口内に広がります。なんだ全然まずくないじゃん。
チップス……というかフライドポテトも安心感があります。フィッシュとチップス、交互に食べるの最高。
そうしているうちに会話も弾み、次のお客さんも入ってきて更に店内が活気付きます。
スポーツチャンネルはいつの間にか競馬からプロ野球に変わっていました。
最初は慣れない環境でしたがいざ食が進むとすっかりこの雰囲気も悪くないと思うように。
いやはや、初めてのジャンルでも経験してみるものです。
こうして私のブリティッシュパブ初体験はすんなりと終了したのでした。
……え、結局お前は何を飲んだのかって?
そんなのオレンジジュースに決まってるじゃないですか。
ではまた。