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英雄は料理を運ぶ  作者: ネコ軍団
第1章 霧を駆ける配達員
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第1話 霧中の森で

「霧が出てきたな…… 厄介だな」


 うっそうとした木々の間に、霧が立ち込める不気味な森。落ち葉に覆われた、ややゆるく湿気を帯びた道の上を男はは森の奥へと進む。周囲に立ち込める霧の奥からは、魔物の殺気に満ちた気配がヒシヒシと感じられた。

 革のリュックサックを背負い、やや細長い目に長い黒髪を後頭部で結び、右の横のやや上から顎ちかくにかけて刀傷がある髪で無精ひげを生やした細身の青年だった。青年はふくらはぎまでの革のブーツに黒ズボンの上に黒いシャツを着て、革の鎧を装備し、両手に革の手袋をはめ鉄製のプロテクターを両肘と両膝につけ、腰には黄金に輝く十字の柄を持つ細長い剣をさしていた。

 彼の名前はマーティン・マイルズという二十四歳の青年だ。元の名前は浜中修(はまなかおさむ)という日本人だ。彼女もおらず唯一の資格は、運よく取れた運転免許証だけの、ニートとして三十年以上を生きていた。同級生が結婚や子供の成長を喜ぶ中だらだと惰性をむさぼる生活ではダメだと、一念発起しデリバリースタッフのバイトとなった。しかし、働きだした初日の帰り道に交通事故で死んでしまった。彼の境遇に同情した神様が異世界へ転生させてもらい現在はエリックとして修は生きていた。碌な職歴のないままニートになり、そこから脱出を図る前に異世界に転生してため、転生後の人生ではお決まり地球の知識を生かして活躍できるほどの知識はもっていない。転生してからは神様からもらった、特殊な能力と二度目の人生という、アドバンテージを使って生きて来て成功していた。転生してからの人生も長くマーティンに地球人だった感覚はほぼなくなっていた。


「こりゃあさっさと届けて早く帰るしかねえな」


 徐々に濃くなる霧をみながらマーティンは急いで先に進む。彼は現在、偶然にも地球で自分が死ぬ原因となった職業に就き細々と暮らしていた。

 マーティンがいるのはクロツカの森。魔物が多く危険な場所だが、薬や食料となる草やキノコが豊富なこの森は、冒険者や狩人がひっきりなしに訪れる。


「あれは…… 子供か…… こんなところに一人で…… まったく。さっさと帰れよ。危ないぞ」


 歩きながらマーティンがつぶやく。彼の数メートル先に茶色のフードを付いた、マントに身を包んだ一メートルほどの子供がこちらに向かって来ていた。向かって来る子供は、フードに覆われ顔は口元だけが見え、体格は細く十歳くらいに見えた。徐々に近づき子供とマーティンとすれ違う。


「えっ!? この匂いは…… まさか……」


 立ち止まったマーティン、彼は目を見開き驚いた顔で子供を見つめる。向かって来る子供からわずかにバラの香りがする。このバラの香りは……

 立ち止まったマーティンを気にすることなく、子供は彼をすれ違っていく。マーティンは横目で必死に子供を追いかけて振り向いていく。


「ふふふ。おじさんこそ気を付けて…… 危ないからね……」


 子供は急にマーティンに体を向けた。マントの中で右手をあげ手を振ってるのか、子供の胸のあたりマントにシワがよりわずかに動いている。


「君は…… はっ!?」


 マーティンが声をかけた直後、子供はわずかに浮かび上がり、そのままスーッと後ろに下がって霧の中へと消えて行った。


「なんだったんだ……」


 突然の出来事にマーティンは固まり、子供を追いかけることもできずに、彼が消えた霧の中を見つめていた。


「おっと! 道草を食ってる場合じゃなかった。急がねえと」


 すぐに自分が仕事中のことを思い出した、マーティンは前を向き早足で先を急ぐのだった。


「着いたか…… ここから先は……」


 道を進むとエリックは開けた場所に出て霧が晴れ、目の前に小さな泉が現れた。魔物の殺気は消え、泉の周囲の草原では小動物が駆け蝶が舞いおだやかな時が流れていた。

 この泉は聖女フローレンスの祝福を受け、聖なる力が宿っており魔物はここには近づけない。森を訪れる人間が安心して休める数少ない場所だ。


「うん!? 同業者に騎士…… でも、あの鎧はノーザンテール帝国の…… ここで何を……」


 泉の前に五人ほどの人がおりなにやら話している。マーティンは彼らの元へとゆっくり歩いていく。

 五人にうち三人は、小さな革のリュックを背負った、マーティンと同じような恰好をし、うつむいて立って居る。三人は褐色肌の男と犬耳の生えた獣人の男にエルフの女だ。

 三人の前には銀色の輝かく鎧に身を包んだ騎士二人が立って居る。二人の後ろには馬具が豪華な白い馬と茶色の馬が二頭並んで草を頬張っている。

 

「おい! 貴様も出前か? さっさと来い」


 近づいたマーティンに気づいた、青いマントを付けた、中年の目が細く禿げ頭の騎士が横柄な態度で呼びつけた。彼の横に立つ騎士は、端正な顔立ちをした肩ほどの金色の髪をした、青い切れ長の目の青年だった。マーティンは中年騎士の態度から、すぐに並ばないと面倒なことになると察し、素直に言うことを聞き褐色肌の男の横に並んだ。


「マーティン。あんたも仕事か? 悪いとこに来ちまったな」


 褐色肌の男が横に並んだマーティンに小声で話しかける。声をかけられたマーティンは唖然とする。なぜなら、彼は褐色肌の男に見覚えがないのに、彼は自分を知ってるように話しかけて来たからだ。名前を覚えてないことを悟られないように、マーティンは褐色肌の男を知ってるように見せようと平然と装い答える。


「えっ。あぁ…… どうしたんだ? 何かあったのか?」


 褐色肌の男がこちらをジッと見つめた。マーティンの表情は変わってないが、心の中は大慌てだった。


「おいそこ! しゃべるな! 黙れ!」


 二人の会話が聞こえたのか中年騎士が二人を止めた。彼の名前はアレック、隣にいる騎士の従者だ。注意されたマーティンと褐色肌の男が静かになると、アレックは横に立つ金髪の騎士の男性を手で指し、媚びるような笑顔を彼に向け四人に話を続ける。


「こちらのお方はノーザンテールの名門タボット公爵家のメロリー様だ。聖女フローレンス様直属の神聖騎士でありこの地に現れたゴブリンの討伐にやってこられたのだ」


 アレックの言葉に騎士が静かにうなずく。同時にマーティンはさとられないように下を向き顔をしかめた。ノーザンテール帝国とは、ここから西方にある帝国で世界一の領土と軍事力を誇る大国だ。そこの貴族は国力を自分の権力と勘違いしているのか他国の人間に対しても高圧的な態度に出る。アレックがしゃべり終わるとメロリーは半歩前に出た。


「実は霧の魔物によって物資を失って仲間とはぐれしまってね」


 穏やかな笑顔でメロリーが話をする。二人は魔物に襲われ荷物を捨てて泉に逃げて来たという。横で小さくうなずいていたアレックが四人に向かって右手を差し出した。

 四人はメロリーが何をしたいのかわからずに黙ったまま彼を見つめていた。沈黙が続くとメロリーが不服そうに顔を歪めた。すぐにアレックがマーティン達を怒鳴りつける。


「何をしている!! さっさとメロリー様にお前らが背負っている食事を献上し町まで案内しろ!!」


 マーティンと一緒に並ぶ三人の仕事は、冒険者達から依頼を受け食事を運ぶ配達員だ。彼らが背負うリュックには依頼人である冒険者達の昼食が入っている。食料を魔物に奪われたメロリーはマーティン達の食料を奪おうとしているのだ。


「いやだね」

「「「えっ!?」」」


 首を横に振ってマーティンは静かに口を開いた。穏やかな表情のままマーティンを見つめるメロリーだった。アレックは顔を真っ赤にしてマーティンに詰め寄る。


「貴様…… いまなんて?」

「嫌だと言ったんだ。俺達が運ぶ料理は待ってる依頼人がいるからな。侯爵だかなんだか知らねえが。飯が食いきゃ正規に注文しろよ」


 立ったまま微動だにせずに堂々と断るマーティンに顔を近づけ眉間にシワを寄せ睨み脅しだろうか腰にさした剣に手をかけるアレックだった。日本人だった頃の彼だったら、断ることもできずに体を震わせ小声で了承するだけだっただろう。地球からこの地に転生して二十五年、文字通り生まれ変わってそれなりに生きて来たマーティンには騎士の脅しなどにはくっすることはない。


「メッメロリー様!?」

「僕が話そう。下がってくれるかい?」

「はっ」


 マーティンを睨むアレックの肩にメロリーは手を置いて止めた。アレックはすぐに下がって、メロリーがマーティンの構えに立った。メロリーはマーティンの前で手を叩いて笑顔を向ける。


「立派だね。すばらしいよ」


 手を叩きながらメロリーは穏やかな口調でマーティンを讃える。だが、直後に表情が変わりメロリーは拳を握りにマーティンの頬を横に薙ぎ払うように殴りつけた。


「グハ!」


 殴られたマーティンの顔が横に激しく動き衝撃が彼の頭を揺らす。不意を突かれたマーティンは、声をあげ膝をつき倒れてしまった。


「底辺ゴミクズ配達員のくせに!!! なぜ素直に僕の言うことを聞かないんだ!!!!!!!!!!!」


 メロリーは蔑んだ表情でマーティンを見下ろし、彼の背後に回り足を振り上げた。メロリーはマーティンの背中を蹴ろうとしている。マーティンは倒れただけで怪我もなく即座にメロリーの動きに反応する。

 

「チッ!」


 マーティンは素早くリュックのベルトを肩から外し、両手で腹へと抱え込んで中に入った料理をかばって頭を下げ背中を上にして亀のような姿勢を取った。直後にマーティンは背中に衝撃をうけた。メロリーはリュックを抱え込むマーティンに舌打ちをする。


「クソ! この! 配達員ごときが僕に逆らいやがって」


 メロリーは叫びながら何度もマーティンの背中を踏みつける。彼の横に居た三人にはアレックが睨みをきかせ、彼らは何もできずに見守ることしかできないでいた。

 

「(大したことねえな。貴族様も…… まったく痛くねえな。当たり前か。ただの革の鎧に偽装しといて助かったぜ。もう少し痛そうな顔してよ……)」


 うずくまりながら視線を横に動かし、自分を蹴りつけるメロリーに視線を向けるマーティン。彼はメロリーに殴れる瞬間に顔を動かし衝撃を緩めた。また、倒れた後も素早く反応し料理を守った。マーティンの動きはとても常人にできるものではなかった。それもそのはず彼は転生時に神からある特殊能力を授かり、それによりこの世界に多大ななる貢献をした英雄なのだ。今はただの配達員だが……


「この!」


 大きく足を振り上げたメロリーを見たマーティンは地面についた手足に力を込めた。次の瞬間、メロリーの足は空を切った。彼の目の前にいたはずのマーティンは消えていた。


「えっ!? どっどこへ……」


 急に消えたマーティンに驚き、目を見開いてメロリーは、彼が居た場所をジッと見つめていた。

 

「満足したかい?」

「「「「「へっ!?」」」」」

 

 メロリーの背後からマーティンが声をかけた。マーティンはいつの間にかメロリーの背後に立って居た。五人はマーティンが瞬時に動いたのに驚き声をあげた。

 驚愕の表情で自分を見つめるメロリーに、マーティンは笑顔で答える。ただ、笑顔のマーティンの目は冷たく、目の前の獲物を狙う獣のように強烈な殺気を放っている。先ほどまでと違い周囲を緊張感が包んでいきアレックもメロリーもマーティンの殺気に金縛りにあったように動けなくなっていた。必死に声を絞り出し、アレックがメロリーを止める。


「メロリー様…… もうこれ以上は……」

「クソ! アレック! 行くぞ」


 アレックに声をかけられたメロリーは一度小さな痙攣をする。緊張から解放され動けるようになったのだ。メロリーは悔しそうに、アレクを連れマーティンの前から離れ馬に乗った。二人は馬に乗ってマーティンの横を通りすぎていく。


「配達員よ。お前のような底辺が貴族に逆らったらどうなるかいずれわかるだろう」


 マーティンに顔を向け言葉をぶつけ、彼を睨みつけるとメロリーは慌てて前を向いて急いで馬を歩かせ去って行った。


「(底辺か…… 久しぶりに食らったなその言葉…… 懐かしい。けど…… さすがに面と向かって言われるのはつれえや。メロリーか…… 覚えてとけよ。後悔するのはお前だ)」


 頭を手の後ろに回してかくような仕草をし、マーティンはメロリーの背中を見つめるのだった。転生して二度目の人生であっても、自分に利なく侮辱した人間を許せるほどマーティンはできた人間ではない。それに彼は以前のニートで何もなしえなかった修ではないのだ。瞳に殺気を漂わせマーティンはジッとメロリーの背中を見つめていた。しかし、すぐにマーティンは大事なことを思い出しハッとした。


「おっと! 今はあいつのことはなんかどうでもいいんだったな…… ふぅ。よかった無事だ」


 リュックを開け中を確認し笑顔でうなずくマーティンだった。マーティンの様子を見た褐色肌の男が彼の横に来て声をかける。


「あんなに必死にならなくてもよかったんじゃないか?」

「えっ!? どうしてだよ」


 マーティンの言葉に褐色肌の男は、ポケットに手を突っ込み一枚の四角い紙を取り出して彼に見せる。


「霧のせいで依頼人がモンスターに襲われたみたいでさ。ほら」


 残念そうに男が右手に持った四角い紙をマーティンに見せた。


「えっ!?」


 一部がちぎられギザギザになった紙には、文字が刻まれ真っ赤に光っていた。この四角い紙は出前チケット、元は長方形の紙で、男が持ってるの切ったいわゆる半券だった。

 冒険者はこのチケットを使って食堂や酒場や料理を注文すれば、どんなダンジョンの奥地にいても料理が届けられる。

 チケットの光は、冒険者の状態を表しており、緑は危険はなく正常な状態。黄色のゆっくりとした点滅は魔物と数メートルの距離にいる状態で、早い点滅だと戦闘状態になった状態だ。赤い点滅は依頼人が瀕死かもしくは魔物に捕縛された状態を表し、赤く光ったままだと消滅(ロスト)…… つまり依頼人が死んだことを意味した。


「きっとさっきの騎士達が言ってたゴブリンに襲われたんだな。あーあ。これはこっちの昼飯に回されるんだろうな…… 食い飽きたぜ」


 褐色肌の男は体を斜めにして背負ったリュックをマーティンに見せると、赤く光ったチケットに向かってため息をついた。他の二人はその姿を見て笑って答える。


「しょうがないわよ。霧のせいだもん。あっ! あたしのも赤になった……」

「食費もうくしな。俺のは黄色だ。でも時間の問題だろう」


 森に立ち込める霧は魔物を呼び凶暴化させる。この霧は世界中で前触れなく発生し、霧のせいで凶暴化した魔物が人々を恐怖のどん底へと叩き落としていた。

 三人が話している横で、マーティンはポケットに右手を突っ込み、出前チケットを取り出す。


「緑…… 俺の依頼人は生きてるな」


 取り出した出前チケットは緑色に光っていた。彼の依頼人は他の三人と違って生きている。ならマーティンがとる行動は一つだ。


「よし。俺は行くよ。じゃあな」


 マーティンは出前チケットしまい、右手をあげて褐色男に挨拶し歩き出した。


「やめとけよ。時間の無駄だぞ」

「こいつの言うとおりだ。どうせすぐに赤色に変わるさ」

「それにあんたも危険よ」


 泉から出る道に三人が並びマーティンを引き止めてきた。引き止める彼らは嫌がらせではなく、本当にマーティンの身を案じている。それだけ霧で狂暴になった魔物は危険なのだ。しかも配達員は冒険者などは違い、防具は軽さと動きやすさ重視で、護身用に武器も持ってるがほぼ飾りみたいなものだった。その配達員が魔物の中に飛び込んで、食事を届けるなんて無謀だった。だが、マーティンはそれでも食事を届けないといけない。マーティンは三人並んでいる、横のわずかなスペースに向かい、すっと左足を前にだし右足で地面を軽く蹴った。


「きっ消えた…… どうやって?」

「あいつ…… どこへ」

「さっきまで私達の前に居たよね……」


 マーティンは振り返ると数メートル後ろに、居る三人が驚いた様子で会話をしていた。


「じゃあな。気をつけて帰れよ」

「「「えっ!?」」」


 笑顔のマーティンに声をかけられた、三人は同時に変な声をだし慌てて彼の方を向いた。三人は目を見開き驚いた顔でマーティンを見つめていた。


「リュックに入ってるタマゴサンドとアップルジュースを、客が森の奥で待ってるんだ。それをちゃんと届けるのが出前ってもんだろ」


 三人は俺の言葉を聞いて、目をそらして気まずそうにしていた。


「(なーんてな…… かっこいいことを言ったがそれは建前だ。出前チケットが緑で持って帰ったことがバレたら、俺の雇い主が怒り狂うとわかってるからな…… はぁ…… まぁいいや)」


 首を横に振ったマーティンは、のんびりもしていられない事情もあった。彼は午前中の出前を終わらせて、自分の子供達を迎えに行かないといかなかった。笑顔でマーティンは三人に向かって右手をあげ、彼らに再度別れの挨拶をして前を向く。少しずれた背負ったリュックのベルトを直し、マーティンは森の奥へ向かって歩きだすのであった。

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