side雪 ファーストキスはトイレの前で
前回のあらすじ
男子が女子トイレに入っていくことを目撃。確認しにいく。
咲と公衆トイレにきた。
普段は公衆トイレに入ることはない。なんだか汚いイメージがある。たまにちょっと臭かったりもするからいつもは家か学校のトイレを使っている。
だから、今はトイレをしに来たわけではない。あたかもトイレをしに来たふりをして、男子が入ったかどうか確認するだけ。周りからは変な風には見られてないはず…
「ちょっとトイレに行ってくるね、すこし待ってて」
咲にそう言った。これも演技で、普通を装う。咲と少しもめたけど、私が中で待つことになった。
女子トイレに入ると個室が一つあった。個室は閉まっていて、まだ出てきてはいない様子だった。
これなら待っていても不自然ではない。
入学式には遅れないようにしないとだから、最悪20分くらいは待てそうね。途中で咲に交代してもいいかもだけど、もし男子だったらと思うと、あんまり譲りたくない。女性が出てきたらそれは、普通に変わって入ればいいだけだから、何も問題はない。
それから待っていること10分、時刻は8時35分。
まだ出てきてはいない。時折足踏みしたりして、まだ待っていることを中にいる人に知らせたりもした。もし男子が出てきたら、驚いて叫んでしまうかもしれない。それは周りに注目されてしまうから、回避しないと。実際できるのだろうか。そう考えていると、水が流れる音が聞こえる。あ、もう出てくると思ってるとドアが開く。
目の前に現れたのは、まぎれもない美少年だった。思わず口が空いてしまうほどの美少年でした。
ロケーションだけが最悪です。トイレじゃなかったら本当に告白してしまいそうになります。
彼は私の顔を見たと瞬間に、焦った様子で一歩踏み出しました。すると彼はこけてしまいそのまま私に覆いかぶさるようにして倒れてしまいました。突然のことで耐えられなかった私は彼と一緒に倒れこんでしまいます。目を開けたとき、目の前には美少年のご尊顔が存在してました。そして私の口と彼の口が合わさっていて…
「キャーー!!!」
思わず彼の顔にビンタしました。
私の顔は今どうなっているのでしょう。顔がとてもあついです。
私は人生で初めてキスをしました。
読んでくれてありがとうございます。
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